2021年08月11日

うみべの女の子

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監督:ウエダアツシ
原作:浅野いにお
脚本:ウエダアツシ、平谷悦郎
撮影:大森洋介
音楽:world's end girlfriend
出演:出演:石川瑠華(佐藤小梅)、青木柚(磯辺恵介)、前田旺志郎(鹿島翔太)、中田青渚(小林桂子)、倉悠貴(三崎秀平)、いまおかしんじ(佐藤満)、村上淳(磯部秀雄)

海辺の田舎町に暮らす中学2年生の小梅は、憧れていた三崎先輩に告白したものの、遊びなれた三崎にセクハラを受ける。傷ついて自棄になった小春は、1年のときに告られた同級生の磯辺を誘って衝動的に初体験を済ませてしまった。今も好きだという磯辺だったが、小梅はまだ三崎が好き。そんな小梅を幼なじみの翔太が見守っている。

高校生の話かと思ったら、中学生。え、え~!今の中学生はこんななの?とおばちゃんはびっくりです。親が知らないだけ?レイテイングが「R15+」なので、小梅たちと同じ中2は観られません(ということになっています)。演じている俳優さんが上手いので中学生に見えますが当然大人です。安心して(?)。
小梅が三崎を好きになったのはたぶん見た目のカッコよさと少し大人なところでしょう(けれど中身はひどかった)。磯部は小梅の気持ちが自分にないのを知りながら、身体の関係だけは続けます。磯部の喪失感を小梅は理解できず、どちらも満たされません。台詞のひとつひとつが生々しくて、彼らの心の隙間の大きさとヒリヒリと疼く傷口が見えるようでした。痛くて切なくて同年代の人には刺さるでしょう。

浅野いにおさんが原作の映画『ソラニン』(2010/ 三木孝浩監督)も観ています。宮崎あおいさんがパートナー高良健吾を亡くした喪失を抱え、遺された楽曲を歌うことで乗り越えるお話でした。
小梅や磯部のそばには翔太や桂子がいます。迷っても悩んでも、何もしなくても日々は過ぎていき、大人になるのはあっというまです。急いで大人にならないで子どもでいることを楽しめ、と言いたいおばちゃんでした。(白)


2020年/日本/カラー/シネスコ/107分/R15+
配給:スタイルジャム
(C)浅野いにお/太田出版・2021「うみべの女の子」製作委員会
https://umibe-girl.jp/
★2021年8月20日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開


posted by shiraishi at 23:55| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Summer of 85(原題:Ete 85)

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監督・脚本:フランソワ・オゾン
原作:エイダン・チェンバーズ「Dance on My Grave」(「おれの墓で踊れ」/徳間書店刊)
音楽:ジャン=ブノワ・ダンケル
出演:フェリックス・ルフェーヴル(アレックス)、バンジャマン・ヴォワザン(ダヴィド)、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(ゴーマン夫人)、イザベル・ナンティ(ロバン夫人)、フィリッピーヌ・ヴェルジュ(ケイト)、メルヴィル・プポー(ルフェーヴル先生)

1985年の夏、北フランスの海辺の町。友人のヨットで一人沖に出た16歳のアレックスは、強風で転覆し海に投げ出されてしまった。自分だけではどうすることもできずにいたところ、通りかかったダヴィドに助けられた。18歳の彼は頼りがいがあって楽しく、危険な魅力も併せ持っていた。純朴なアレックスは急速に惹かれていく。ダヴィドの母の船具店でアルバイトを始め、両親に不審がられることもなく、毎日ダヴィドと一緒にいられるようになった。しかし、自由奔放なダヴィドにはアレックスの一途さが重荷になり始める。海岸で出会ったケイトが2人の間に入ってきてしまい、嫉妬にかられたアレックスがダヴィドをなじり、大げんかになった。店を飛び出して帰宅したアレックスは、バイクで後を追ったダヴィドが事故死したのを知る。

原作通り、アレックスのモノローグから始まります。アレックスがダヴィドと出会って恋に落ち、一緒に過ごした輝く日々、そして永遠に別れてしまうまでの6週間が、ノルマンディーの海を背景に全編フィルム撮影で刻み込まれています。
フランソワ・オゾン監督が17歳のときに出逢い、いつか映画化したいと大切にしてきた原作「おれの墓で踊れ」。本作のオーディションでオゾン監督がフェリックス・ルフェーヴルを大抜擢。フェリックス・ルフェーヴル1999年生まれ、バンジャマン・ヴォワザンは1996年生まれで、2人とも次の作品が楽しみな若手俳優です。バイクに二人乗りするシーンは『マイ・プライベート・アイダホ』(91)のキアヌ・リーブスとリバー・フェニックスを思い出させます。
恋の歓喜と痛み、人の命の儚さを短い間に知り苦しむアレックス。原題の「(先に死んだ者の)墓の上で踊れ」という約束は、ほかの人間には死者を冒涜する行為としか思われません。文章を書くことで自分の気持ちを整理し、ようやくダヴィドの死と向き合います。2人の間にヒビを入れる原因となったケイトに悪気はなく、瑞々しい青春の光と影(歌がありましたね!)を描いて、心に残りました。この3人の若い俳優を支えるベテラン俳優たちも好演。
映像をさらに引き立たせる音楽は、THE CUREの「In Between Days」、ロッド・スチュワート「Sailing」。あー懐かしい。(白)


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2020年/フランス/カラー/ヴィスタ/100分
配給:フラッグ、クロックワークス
(C)2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINEMA-PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
https://summer85.jp/
★2021年8月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開!

posted by shiraishi at 23:19| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする