2021年06月27日

食の安全を守る人々

2021.7.2(金)より
ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺にてロードショー! 他全国順次公開
劇場情報
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(C)心土不二


監督・撮影・編集:原村政樹
プロデューサー:山田正彦
映像技術:李恩求 青木克都
整音:丸山昇
音楽:鈴木光男
語り:杉本彩
主な出演者(公式Hpより)
☆ゼン・ハニーカット(マムズ・アクロス・アメリカ創設者)
アメリカの遺伝子組み換えに反対する母親の会・Moms Across America(マムズ・アクロス・アメリカ)創設事務局長 
☆河田 昌東(まさはる)元名古屋大学理学部助手
専門は分子生物学、環境科学。退職後は、四日市公害や三重県藤原町(現・いなべ市)のセメント公害、台湾、韓国、中国、フィリピンなど海外の公害調査や裁判支援。1990年からはチェルノブイリ原発事故被災者の救援活動、現在は福島原発事故被災地の調査と支援活動にも携わる。
☆稲葉光國 民間稲作研究所
1969年栃木県立栃木農業高校、1971年真岡農業高校勤務、2001年退職。1999年NPO法人民間稲作研究所を設立。兵庫県豊岡市「コウノトリと共生する水田づくり水田再生事業」の受託。千葉県いすみ市より有機稲作の技術支援の依頼を受け、学校給食有機米100%実現を支援。
☆ドウェイン・ジョンソン(モンサント裁判原告/ラウンドアップ被害者)
米カリフォルニア州在住。末期がん。がんになったのは農薬大手モンサントの除草剤・ラウンドアップのせいだとして同社を提訴。2018年、陪審はモンサントに約2億9000万ドル(約320億円)の支払いを命じる評決を出した。モンサント製品のせいでがんを発症したと提訴し、公判にこぎ着けた最初のケース。

日本は世界の潮流に逆行しているのか?
農と食の持続可能な未来図を描く人たち


食の安全を考える時、種子法廃止、種苗法の改定、ラウンドアップ(アメリカの企業モンサントが開発した除草剤)など農薬の規制緩和、そしてゲノム編集(DNA組み換え)の表記なし食品の流通と、TPP(環太平洋パートナーシップ)をきっかけにした急速なグローバル化により、日本の「農」と「食」にこれまで以上の危機が押し寄せているのに、日本のマスコミはこの現状を正面から取り組み報道することがほとんどなく 、日本人の危機感は薄いのが現状。これに危機感を持った、弁護士で元農林水産大臣の山田正彦さんが映画を通して、この危機感を広めていこうと、長年、「農」をテーマに映画を撮り続けている原村政樹監督に依頼し、作ったのがこのドキュメンタリー。
二人は去年(2020年)『タネは誰のもの』を先に発表しているが、当初はこの作品と一体のものを作る予定だった。しかし、去年、種苗法が国会で通りそうということで、先に『タネは誰のもの』を発表した。
多国籍アグリビジネスにより大企業による支配が強まり、食料自給率の低下や、命・健康に影響を与えることが懸念される。日本国内だけでなく、アメリカでモンサントへの裁判を起こした原告や、子どものために国や企業と闘う女性、韓国の小学校でのオーガニック給食の現状など、多彩に取材。日本の食の安全に警鐘を鳴らす。

原村監督の作る映画は、農業や食の安全に対する深い洞察がある。難しい話を分かりやすくまとめてくれる。たとえ自分が農業に携わっていなくても、そういうことに目を向け考えさせるようになる。いつも、新しい知識を与えてくれるのだけど、行動となるとなかなか難しい。何かをしなければと思うのだけど、実践となるとすぐには動けない。若い人にぜひ観てもらって、今後の日本の農業、食について行動を起こせる人がたくさん出てきてほしいと切に願う(暁)。

『食の安全を守る人々』公式HP 
企画・制作:一般社団法人 心土不二
2021年/日本/1カラー
配給:きろくびと
posted by akemi at 19:26| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アジアの天使

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脚本・監督:石井裕也
撮影監督:キム・ジョンソン
音楽:パク・イニョン
エグゼクティブプロデューサー:飯田雅裕
プロデューサー:永井拓郎、パク・ジョンボム、オ・ジユン
出演:池松壮亮、チェ・ヒソ(『金子文子と朴烈』)、オダギリジョー、キム・ミンジェ、キム・イェウン、佐藤凌

小説家の青木剛(池松壮亮)は妻を病気で亡くし、8歳になるひとり息子の学を連れて、ソウルにやって来た。仕事があるという兄(オダギリジョー)を頼って来たのだが、聞いていた住所には韓国人がいて、言葉が通じず埒が明かない。ようやく兄が帰宅するが、韓国コスメの事業で手を組んでいた韓国人の相棒が商品を持ち逃げしてしまったことが判明する。兄弟は、韓国産ワカメで一山当てようと、海沿いの江陵(カンヌン)に行くことにする。飛び乗った江原道(カンウォンド)に向かう列車で、剛たちは、同じように人生に行き詰った韓国の三兄妹と出会う。言葉は通じないながら、一緒に降りた駅からボロトラックで三兄妹の両親の墓参りに付き合うことになる・・・

『舟を編む』(13)で日本アカデミー賞監督賞を最年少で受賞した石井裕也監督が、オール韓国ロケで挑んだ作品。95%以上のスタッフ・キャストが韓国チーム。
石井裕也監督は、2014年の釜山国際映画祭で共に審査員を務めたパク・ジョンボム監督(『ムサン日記〜白い犬』)と友情を育み、本作の実現へと繋がりました。パク・ジョンボム監督は、韓国コスメの共同事業で商品を持ち逃げする役で出演しています。パク・ジョンボム監督には、こういう悪役が似合いますが、オダギリジョーも、一獲千金を狙ういい加減な男がぴったりです。石井裕也監督が、本作より後に作った『茜色に焼かれる』(5月21日公開)でも、しょうもない男をひょうひょうと演じていたオダギリジョー。憎めないです。
列車で出会う三兄妹の一人ソルは、元・人気アイドルで今は売れない歌手。『金子文子と朴烈』で強烈な印象を残したチェ・ヒソが、しんみりと演じています。
剛とソルは、かつて「天使」に出会ったことがあるのですが、その天使は東洋の中年男性で、人の肩を噛むという、風変わりな天使。これまで持っていた清らかな天使とはイメージがあまりに違うのですが、さて、このヘンテコな天使、何を伝えたかったのか・・・が、映画の肝のようです。(咲)


2021年/日本/128分/G
配給:クロックワークス
公式サイト:https://asia-tenshi.jp/
★2021年7月2日(金)テアトル新宿ほか全国公開

posted by sakiko at 13:01| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スーパーノヴァ   原題:Supernova

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監督・脚本:ハリー・マックイーン
出演:コリン・ファース(『英国王のスピーチ』)、スタンリー・トゥッチ(『ラブリーボーン』)

イギリス人でピアニストのサム(コリン・ファース)とアメリカ人の作家タスカー(スタンリー・トゥッチ)は、パートナーとして人生を共に紡いできた。二人は古びたキャンピングカーで旅に出る。最初の目的地はイングランドの湖水地方。20年前、二人が出会った直後に訪れ、愛の告白をした思い出の場所だ。次の目的地はサムの実家。両親亡き後、姉の家族が暮らしている。タスカーは、サムに内緒で懐かしい友人たちを集める。歓談する中で、友人からタスカーがもう文章を書けないと嘆いていると聞かされ驚くサム。そうして、二人は旅の最終目的地であるサムの久しぶりのピアノリサイタルの会場に向かう・・・

実はタスカーは認知症で徐々に記憶を失うことを医師から告げられていて、愛する人のこともわからなくなるような醜態は見せたくないと、まだ記憶のあるうちにフェイドアウトしたいと思っていることが最初のほうで語られます。そんな思いを抱えながら、思い出の地に旅に出たのです。
どんなに愛し合っていても、いつかは死が二人を分かちます。愛する人に人生の終焉が迫っているとわかった時、どう対峙すればいいのでしょう。 寄り添う人のいない私は、さらに空しいですが、そろそろ終活を考えなければいけないことをずっしり感じさせられました。

タイトルの「スーパーノヴァ(超新星)」は、星の進化の最後に起こる巨大な爆発のこと。天文学に造詣の深いタスカーは望遠鏡持参で旅に出て、二人で夜空を見あげます。二人の愛の物語が壮大な宇宙を背景にしていることと共に、タスカーが人生の終焉を目前にして輝きを放つことも込めたタイトルのようです。
美しい湖水地方の風景の中で、人生の重みを考えさせられた映画ですが、二人の会話にはブラックユーモアもたっぷり。タスカーは、カーナビの口調がサッチャー元首相みたいで嫌だというのですが、サムはお構いなしにカーナビをつけます。サッチャーが首相時代、同性愛者を敵視し、教育現場で同性愛に触れることを禁じる法まで制定したことを思うと、実に意味深な会話です。(咲)


2020年/イギリス/カラー/ビスタ/5.1ch/95分
字幕翻訳:西村美須寿
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/supernova/
★2021年7月1日(木)TOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次ロードショー.




posted by sakiko at 02:31| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする