2021年06月20日

いとみち

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監督・脚本:横浜聡子
原作:越川オサム「いとみち」新潮文庫
音楽:渡邊琢磨
出演:駒井蓮(相馬いと)、豊川悦司(相馬耕一)、黒川芽以(葛西幸子)、横田真悠(福士智美)、中島歩(工藤店長)、古坂大魔王(成田オーナー)、宇野祥平(青木)、ジョナゴールド【リンゴ娘】(伊丸岡早苗)、西川洋子(相馬ハツエ)

弘前市の女子高生・相馬いとの津軽弁はクラスの中でも訛りが激しい。本を読めば爆笑を引き起こす。いとは気後れして話せず、友達もいない。祖母に仕込まれた三味線にも気が乗らずしまい込んでいたら、皮が破れてしまった。修理代を捻出したいと一念発起して、学校や家から離れた”都会”青森市でのアルバイトに応募した。引っ込み思案の自分を変えたくて選んだのはなんとメイドカフェ「津軽メイド珈琲店」!不安いっぱいだったがなんとか採用される。さっそく先輩メイドの幸子や智美に接客の特訓を受けるが「お帰りなさいませ、ご主人様」がスラスラと言えない。

原作の「いとみち」は3巻まで発行されています。もともと津軽三味線が好きで手に取ったのですが、なんとも可愛いいとちゃん、周りの人たちのキャラが良くてすぐに全部読んでしまいました。映画化を楽しみにしていましたら、ヒロインは青森出身の駒井蓮さん。津田寛治さんと共演の『名前』(2018)の女子高生役をよく覚えていますが、今は慶応大生。豊川悦司さんが民俗学者で大学教授の父。東京出身で津軽弁ネイティブの義母の言葉がときどき聞き取れません。年頃の娘との付き合いに戸惑う様が新鮮です。
全て青森でロケしたこの映画、一足早く18日から青森で公開しています。日本の南にお住まいの方には津軽弁は難しいかもしれません。単語が聞き取れれば、後は俳優さんの演技でなんとか通じるはず。日本語なんですから。映画は舞台になった地元の言葉がいいなぁとつくづく思います。
劇中で披露する津軽三味線は蓮さんの特訓の成果です。おばあちゃん役の西川洋子さんは高橋竹山氏のお弟子さん、『津軽のカマリ』(2018)にも出演されていました。高くて綺麗なお声です。お二人の合奏シーンも必見。原作後半にはいとの恋愛や同僚たちの詳細なエピソードも描かれていますので、その後が気になる方はぜひ。(白)


★第16回大阪アジアン映画祭にてグランプリ&観客賞をダブル受賞

2021年/日本/カラー/シネスコ/116分
配給:アークエンタテインメント
(C)2021「いとみち」製作委員会
http://www.itomichi.com/
★2021年6月25日(金)ロードショー

posted by shiraishi at 19:53| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

1秒先の彼女(原題:消失的情人節 My Missing Valentine)

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監督・脚本:チェン・ユーシュン『熱帯魚』『ラブ・ゴーゴー』
エグゼクティブ・プロデューサー:イエ・ルーフェン、リー・リエ
出演:リー・ペイユー(ヤン・シャオチー)、リウ・グァンティン(ウー・グアタイ)、ヘイ・ジャアジャア(ペイ・ウェン)、ダンカン・チョウ(リウ・ウェンセン)

郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋も冴えない日々を送っていた。子どものころから何をするのにも人よりワンテンポ早い。写真撮影では必ず目をつむっているし、映画では人より早く笑ってしまい、冷たい視線をあびている。彼女は街で出会ったハンサムなダンス講師ウェンセンと、恋が成就するかもしれない“七夕バレンタイン”にデートの約束をした。準備万端整えて眠りについたシャオチー、しかし目を覚ますと、既にバレンタインの翌日になっていた。大切な一日はどこへ消えてしまったの?

楽しみにしていたデートの日(の記憶)がまるまる消えてしまったシャオチー、それなのに日焼けをしているってどういうこと? カメラに残っていた画像から、出かけた場所を探し出します。記憶に全くないんだけれど、そこに写っているのはまぎれもなく自分なんだもの!! 
「!」と「?」がいっぱいのこのストーリー、シャオチーと原因を作った「彼」グアタイ、それぞれの視線で同じ時を観られるので「こんなところに伏線が!」と気づきがあって面白さ倍増です。初めからもう一度観たくなってしまうラブストーリーでした。二人のキャラがよく描けていて、一歩間違えば「イタイ」人になってしまうところを、可愛さを感じられるところで止めています。
自分を振り返ればせっかちなくせに(いや、だから)抜けていて、やっぱり目をつぶった写真が何枚もありました。今やカメラの性能がよくなってシャッター速度も自在なので、失敗は少ないはず。(白)


少女の頃から、何をしても皆より1秒早かったシャオチー。同級生だったグアタイは、逆にトロい少年でした。大人になっても、グアタイは女性に対しても奥手。ダンス講師ウェンセンがぐいぐいシャオチーにアプローチしているのを後ろで黙ってみている姿を、映画を観ているこちらはいらつきながらも、うぶで可愛いな~と思ってしまいます。
『熱帯魚』(95)『ラブ ゴーゴー』(97)と、初期作品から奇想天外な作風で楽しませてくれたチェン・ユーシュン監督には、『祝宴!シェフ』公開の折にインタビューの機会をいただきました。
http://www.cinemajournal.net/special/2014/shukuen/index.html
その時の記事の最後に「トニー・ヤンとキミ・シアさんという美男美女を起用されましたが、二人共、2枚目半のキャラクターにされたところに、監督らしさを感じました」と書いていました。まさに、今回も同じ! 
郵便局でシャオチーの隣に座っている超モテの可愛い女子を演じているヘイ・ジャアジャアは“美しすぎる囲碁棋士”として有名だそうで、リー・ペイユー演じるシャオチーは、男に縁のなさそうなブスにさえ見えてしまいます。グアタイに海に連れていかれた時のシャオチーの笑顔のなんと素敵なこと! グアタイを演じたリウ・グァンティンも、ほんとはイケメンなのに、のろくてヘタレな青年に見えます。チェン・ユーシュン監督のマジックですね。(咲)

陳玉勲(チェン・ユィシュン)監督が映画界に帰ってきた!
『熱帯魚』(95)、『ラブ ゴーゴー』(97)のあと映画の世界を離れ、以来16年ぶりに撮ったのが『祝宴!シェフ』(13)。その間、CMやミュージックビデオの世界で活動していたらしい。長編映画復帰3作目が、この『1秒先の彼女』。陳玉勲監督の作品が大好きだった私は、映画の世界にいつ戻ってくるのだろう。日本公開されるのだろうと心待ちにしていた。そして、この『1秒先の彼女』が公開される。
以前の作品にもあったユーモア感、ポップなのにノスタルジー感のある不思議な世界。不器用に生きている人にやさしくて観終わった後に心をほんわかさせる映画スタイルは健在だった。思いもよらない展開や、クスッと笑えるシーンの数々。世の中のペースに合わずに生きる人への温かいまなざし。ちょっとずれて生きている人へのエールが嬉しい。
シャオチーが消えた「1日」を探し、訪れたのは美しい海辺の町。見覚えあるような海岸線。公式HPによると『熱帯魚』(95)の舞台になった嘉義県・東石村とのことだけど、『熱帯魚』の撮影が行われたのは、近隣の台南市・大甲というところらしい。今年1月に日本公開された『越年 Lovers』(郭珍弟/グオ・チェンディ監督)の3話目に出てきた彰化という場所もこんな景色だった。地図で調べたら「東石村」「大甲」「彰化」は台中の南部にある場所だった。きっと同じような海岸線の景色が見えるような場所なのでしょう。
下調べをしないまま観たけど、観終わった後、友人から「周群達(ダンカン・チョウ)が出ていたね。久しぶりに観た」と言われ、「え!、どこに?」と思ったら、あのキザなダンス教師役だった。『僕の恋、彼の秘密』(04)、『靴に恋する人魚』(05)では可愛い青年という感じだったのに、ずいぶんと変わってしまっていてわからなかった。李霈瑜(リー・ペイユー)も劉冠廷(リウ・グァンティン)も、他の作品で観た記憶はあるのだけど、どの作品だったのかわからない。出演作をみてみたけど観たことない作品ばかり。劉冠廷に関してはフィルメックスで観た『無聲(むせい)』(20)だったのかも。
陳玉勲監督には、『熱帯魚』、『ラブ ゴーゴー』でインタビューしています。
興味ある方はアクセスしてみてください(暁)。
『熱帯魚』http://cineja-film-report.seesaa.net/article/468743078.html
『ラブ ゴーゴー』http://cineja-film-report.seesaa.net/article/468765261.html

第 57 回台湾アカデミー賞(金馬奨)最多 5 部門受賞
(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞)
第 25 回釜山国際映画祭 オープンシネマ部門 正式出品

2020年/台湾/カラー/シネスコ/119分/中国語
配給:ビターズ・エンド
(C)MandarinVision Co, Ltd
https://bitters.co.jp/ichi-kano/
★2021年6月25日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:44| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏への扉 キミのいる未来へ

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監督:三木孝浩『フォルトゥナの瞳』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
原作:ロバート・A・ハインライン
脚本:菅野友恵
撮影:小宮山 充
音楽:林ゆうき
主題歌:LiSA「サプライズ」(SACRA MUSIC)
出演:山﨑賢人、清原果耶、藤木直人、夏菜、眞島秀和、浜野謙太、田口トモロヲ、高梨 臨、原田泰造

若き科学者の高倉宗一郎は、亡き養父の松下の会社でロボット研究に没頭していた。 早くに両親をなくした宗一郎は松下の養子となり、松下の娘・璃子と愛猫ピートを、家族のように大切に思ってきた。研究の完成を目前に控えたとき、宗一郎は信じていた仲間の罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまった。目がさめるとそこは30年後の東京。研究も財産もピートも失い、璃子は謎の死を遂げていたのを知る。愕然とする宗一郎だったが、人間そっくりなロボットの力を借り、自分が眠らされていた30年の間に何があったのかを調べ始める。

原作はロバート・A・ハインライン著の1956年に発表されたSF小説「夏への扉」。タイムトラベル小説の名作としてこれまで多くのハリウッド映画に影響を与え、今も全世界で愛されています。タイトルは、主人公の愛猫のピートが寒くなると「夏へ続くドアを探す」ことから。猫は寒がりですからね。どこかの扉を開けたら外は夏に違いない、と全部の扉を確かめるんです。
日本が舞台のドラマに翻案、実写版になりましたが、原作と同じくピートは大切な相棒です。宗一郎が璃子の手掛かりを求めて丹念に探究していくところは、どこかにいることを信じてドアを開け続けるようなもの。
高校生役の印象の強かった山﨑賢人さんが『キングダム』で激しいアクション、『劇場』ではこれまでの印象を覆すグダグダ男、おお!大人になったんだなぁと思いました。今作では逆境にめげない科学者役。これまた違う面を見せてくれます。璃子役は連続テレビ小説「おかえりモネ」のヒロインでもあり、出演作の続く清原果耶さん。クールな藤木直人さんとピートの名演技もお見逃しなく。(白)


2021年/日本/カラー/シネスコ/118分
配給:東宝、アニプレックス
(C)2021「夏への扉」製作委員会
https://natsu-eno-tobira.com/
★2021年6月25日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 18:24| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Arc アーク

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監督・編集:石川慶
脚本:石川慶、澤井香織
原作:ケン・リュウ『円弧(アーク)』(ハヤカワ文庫刊 「もののあはれ ケン・リュウ短篇傑作集2」)
音楽:世武裕子
出演:芳根京子(リナ)、寺島しのぶ(エマ)、岡田将生(天音)、清水くるみ、井之脇海、中川翼、中村ゆり、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫

そう遠くない未来。17歳のリナは人生に自由を求め、生まれたばかりの息子と別れて放浪生活を送ってきた。19歳になったリナは、エマと出会い、彼女の指導のもと<ボディワークス>を作る仕事に就く。それは最愛の存在を亡くした人々のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術(プラスティネーション)する仕事であった。リナのセンスを認めたエマは技術をあますことなく伝えていく。
エマの弟・天音はこの技術を発展させ、遂に「不老不死」を完成させる。リナはその施術を受けた世界初の女性となり、30歳の身体のまま永遠の人生を生きていくことになるが・・・。

原作は短編なので、あっさり読んでしまいましたが、そこで繰り広げられる施術もまったく映像を想像できませんでした。これを脚色して2時間余りの映像にまとめた脚本と監督はすごい!すごいというなら、あの舞のようなプラスティネーションもすごい。よく糸が絡まらないなと見入りました。振付の方がいたようです。
何より19歳から132歳のリナを演じた芳根京子さんがすごい!見た目は30歳のまま変化しませんが、子どもを産み育て、事業を継続し、多くの人々と出会いと別れを繰り返した歴史が内面に積み重なっているわけです。ある時期から年をとらないことを選ぶ人もいれば、自然のまま生き、死んでいくことを選ぶ人がいます。後半モノクロ画面に登場する老夫婦のしみじみとした場面が心に残ります。不老不死が本当に幸せなんだろうか、と考えてしまいます。
<ボディワークス>の依頼主が何人か登場しますが、これは自分では絶対にしません~。いくら大切な人でも魂がなくなった入れものの身体は灰になるか、自然に還るのがいいです。<ボディワークス>と<ストップエイジング>あなたはいかがですか?
(白)



2021年/日本/カラー、モノクロ/スコープサイズ/127分/5.1ch
c2021映画『Arc』製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
https://wwws.warnerbros.co.jp/arc-movie/
2021年6月25日(金) より全国ロードショー
posted by shiraishi at 17:17| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語   原題:The Journey

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監督:静野孔文 
脚本:冨岡淳広 
音楽:和田 薫 
キャラクター原案:岩元辰郎
エグゼクティブプロデューサー:イサム・ブカーリ 清水慎治 
プロダクションスーパーバイザー:サラ・モハンマド 
声の出演:古谷 徹 神谷浩史 中村悠一 中井和哉 三石琴乃 黒田崇矢

6世紀のアラビア半島。
商業で栄えるメッカの町を攻略しようと、エチオピア出身のアブラハが象の軍団を先頭に進軍してきた。メッカを治める長老ムッタリブは平和裏に解決しようと望むが、アブラハは「カアバの神殿と聖なる石の破壊」「信仰を捨てること」「奴隷になること」を要求。メッカの民は怒りに震え、戦うことを決意する。防衛隊に志願した青年アウスは、幼い頃、盗賊に両親を殺され自らは盗賊の手先となった過去があった。陶工ジュバイルに救われ養子となり、今はジュバイルの娘ヒンドと結婚し、息子ワハブにも恵まれている。この幸せを守ろうと剣を取る決意をしたのだ。小隊長ニザールのもとで、アウスはかつて同じ盗賊団にいたズララと再会する。メッカの軍隊のリーダー、ムサブは先手を打つため、アブラハの軍隊に代表戦を申し込む。アウスたちはメッカの町を守ることが出来るのか・・・


東映アニメーションの全面サポートで作られたサウジアラビア初のアニメーション映画。

本作の始まりは、2011年。東映アニメーションの清水慎治氏が、サウジアラビアに招かれ、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子(当時は皇子)と謁見した際、日本のゲームやアニメが好きな皇子より、いつかアニメを作ってほしいとの話が出たとのこと。
皇太子となった2017年、サウジアラビアに「マンガプロダクションズ」を設立し、東映アニメ―ションと共同制作協定を締結。本格的にプロジェクトが始動しました。
なお、サルマーン皇太子は、経済・ 社会改革の一環で、女性の自動車運転を認めるなど画期的な政策を打ち出していますが、35年ぶりに映画館も解禁しています。

サウジ側から日本側に寄せられたラフな脚本は3部作にするほどの壮大なもの。監督はアイディアをすべて入れ込みたいと、アブラハの進軍に対峙する中で、アウスたちが説話を思い出して勇気を奮い立たせるという形を取っています。
本筋のアブラハ軍との戦いは、いわゆる日本のアニメのスタイル。挿入される3つの説話は、絵のトーンを変え、音楽もアラブの伝統楽器を使うという工夫がされています。
本作を形成している4つの話について簡単に記しておきたいと思います。

アブラハと象の軍隊
「象章」と呼ばれるクルアーン105章に、「6世紀半ば、当時アラビア半島南部を支配していたキリスト教を奉ずるアビシニアの総督アブラハがカアバ神殿を破壊するために巨象を含む軍勢で来襲した」とあります。

ヌーフ(ノア)の方舟
有名な「ノアの方舟」は旧約聖書の創世記に登場する物語。アラビア語でノアはヌーフ。

ムーサ(モーゼ)の出エジプト記
こちらも有名な海が割れるモーゼの奇跡。
エジプトの王ファラオの弾圧からユダヤの民を救ったモーゼは、アラビア語でムーサ。

円柱のイラム
アラビア半島南部にあった伝説の都市イラム。巨人のアード族の王により建設された金銀宝石で飾りたてた天に伸びる宮殿があったとされます。強い権力・繁栄と共に堕落・傲慢さが表れ、神(アッラー)は預言者フードを遣わせ、信仰の大切さを説きますが、聞き入れなかった為、神により都市イラムは破壊されたと伝えられています。

本作はイスラーム創設前が舞台ですが、旧約聖書は、啓典の民(ユダヤ、キリスト教、イスラーム)にとって共通のもの。当時のアラビア半島で、ノアの方舟もモーゼの奇跡も、流布していたと思われます。イスラームができる前のメッカでは多神教を信じる者が多かったと聞きます。アウスやほかのメッカの人たちの信仰について言及されていませんが、彼らの神様は? 
なお、アラビア語で神はアッラー。キリスト教徒でアラビア語が話者の者にとっても、神はアッラーです。
本作は、「勇気を持ち闘い続けた者たちに新しい時代はすぐそこに」と結ばれます。預言者ムハンマドがイスラームを興すことを暗示していて、サルマーン皇太子が本作を教育用に作った思いを感じました。
共同製作により、サウジアラビアの人たちが観て、違和感を覚えないよう、アラブ人らしいしぐさで描くことにも注意を払ったそうです。サウジアラビアの子どもたちは、この映画をどんな風に受けとめたのでしょうか? 願わくば、アラビア語音声、日本語字幕で本作を観てみたいです。(咲)


サウジアラビア初のアニメーション映画とのこと。サウジアラビアの成り立ちや歴史を知らない日本の人たちにも、それが伝わる物語だったと思います。思い起こせば、私が聖書物語や旧約聖書を読んだのは50年以上前の小学生高学年の頃。宗教というのも良く知らない時に読んだので、この中に記された「モーゼの出エジプト記」にしても「ノアの方舟」にしてもキリスト教の中のことだと思っていたのだけど、この映画でキリスト教、イスラーム教、ユダヤ教にとって共通のものだったということを知った。今、旧約聖書を読んだら、きっと違う解釈ができるのかもしれない。
それにしてもアニメという形で、サウジアラビアの壮大な歴史を描くということを日本のアニメが担うという形を選んだというのがすごい。将来的には自国でそういう技術や知識を担う人材を育てたいという思いがあるのでしょう。濃い茶色を基本にした鮮やかな色の数々。その中でも赤茶色、アラブブルーとも言えそうな緑色と水色、灰色を混ぜたような、アラブらしい色使いが印象的でした(暁)。


2021年/サウジアラビア・日本/110分/5.1ch/ビスタサイズ/日本語吹き替え・英語字幕
製作:マンガプロダクションズ 東映アニメーション 
制作:マンガプロダクションズ 東映アニメーション 横浜アニメーションラボ アーチ  配給:東映アニメーション 配給協力:東映 宣伝:東映エージエンシー ©2021 マンガプロダクションズ
公式サイト:http://www.journey.toeiad.co.jp/
★2021年6月25日(金)より、東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7にて限定ロードショー
posted by sakiko at 02:02| Comment(0) | サウジアラビア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする