2021年06月11日

アフリカン・カンフー・ナチス(原題:African Kung-Fu Nazis)

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監督:セバスチャン・スタイン、ニンジャマン
脚本:セバスチャン・スタイン
製作:プロデューサーマン
出演:エリーシャ・オキエレ(アデー)、セバスチャン・スタイン(ヒトラー)、秋元義人(東条英機)、マルスエル・ホッペ(ゲーリング)、ンケチ・ヂネドゥ(エヴァ)、アンドリュース・メンサー(影蛇拳の師匠)、アマンダ・アチアー(ビッグ・ブラック・ガール)

第二次大戦後、ヒトラーと東條英機が実は生き延びていた。連合軍の手をかいくぐり逃げ延びた先のガーナで現地の人々を制圧、空手と魔術的パワーを持つ日独同盟旗「血染めの党旗」を用いながら現地の人々を新たな人種「ガーナアーリア人」として洗脳していた。世界を侵略するための拠点を築いていく。心優しき地元の青年アデーは、ヒトラー達に地元のカンフー道場を潰され、愛する恋人エヴァを奪われてしまう。復讐を誓うアデーは最強のカンフーを習得するため、過酷な修行に身を投じていくが.……。

この突拍子もないストーリーの本作が生み出されたのは、二年前。日本在住のドイツ人監督セバスチャン・スタインは、あふれる情熱とユニークな発想だけを胸に、アフリカへと飛びました。ガーナのジョージ・ルーカスとして知られる伝説的監督「ニンジャマン」とタッグを組んで、まさかの映画化を実現させてしまいました。
監督お二人のことも、ガーナでこんな作品が作られていたことも全く存じませんでした。そのぶっ飛んだ発想にびっくり。でもなんでガーナ?ですよね。
スタイン監督自らが演じるヒトラー、友人で便利屋さんの一般人秋元義人氏演じる東条英機は、あの特徴的なお髭や風体のお陰で、あの人ね、というくらいには似ています。ゆるいんだかキレているんだかよくわからないアクションですが、ガーナの男優さんの筋肉質の美しい身体、ボリュームがあって色っぽい女優さんに見とれます。おまけに日本語字幕は関西弁!ここまでやりたいことをやってくれると、いっそ清々しく(?)どんよりした日常を忘れて、ワハハハ笑わせてもらいました。プレス資料にあった映画ができるまでの監督のお話がとても面白かったので、パンフレットをぜひ手に入れて読んでみてください。(白)


2020年/ガーナ・ドイツ・日本合作/カラー/ビスタ/84分/英語、ドイツ語、日本語、トウィ語
配給:トランスフォーマー
(C)2020 BUSCH MEDIA GROUP. ALL RIGHTS RESERVED
https://transformer.co.jp/m/akfn/
★2021年6月12日(土)シアター・イメージファーラムほか全国順次公開

posted by shiraishi at 13:34| Comment(0) | アフリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

男の優しさは全部下心なんですって

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監督・脚本:のむらなお
撮影:早坂伸
音楽:DJ後藤まりこ
着ぐるみデザイン:なみちえ
出演:辻千恵、水石亜飛夢、森蔭晨之介、五味未知子、田中俊介、田中真琴、こだまたいち、安倍乙、木口健太、上田操、加藤才紀子/原田大二郎

宇田みこ(辻千恵)は、遊園地の跡地にできたショッピングモールので、唯一残されたメリーゴーランドの受付をしている。数時間に1回しか動かないので、受付時間外はゆるキャラくまの着ぐるみ姿で風船を配っている。これまで出逢った男たちを100%信じて愛してきたみこだったが、いつもなぜか2番手になってしまっている。そんな彼女についたあだ名は”恋愛体質純情セカンド”。みこはいつか誰かの”唯一”になれるのだろうか。

「MOOSIC LAB 2019」で大人気だった上映作を再編集して送り出す完全版。このタイトルに「うわ!」と図星で落ち着かない男子、「それ、私!」という女子は多いことでしょう。そういう性(さが)なんですもんね、というとセクハラになるんでしょうか。ヒロインのみことみこが出会う男子、いつしか本命になっている女子との出逢いと別れが、ポップな背景と音楽に彩られています。クールなのも物足りなく、尽くし尽くされすぎても重い、と悩ましい時期の「あるある」がいっぱいです。(白)

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6/12舞台挨拶 水石亜飛夢、辻千恵、のむらなお監督

 ご挨拶
のむらなお監督 男友達に恋愛の相談ををした時、「男の優しさは全部下心なんだから、騙されるな」と怒られたことが制作のきっかけ。「男の優しさは全部下心なんだそうなんだけど、みんなはどう思う?」と問い掛けたかった。
辻千恵 撮影中は後のことまであまり考えられなかったんですが、完成した作品を観て、最後まで諦めずに演じてよかったと思いました。いろいろな感謝が浮かぶ作品です。
水石亜飛夢 みんなの力で作りあげることができた作品。劇場で公開出来て感慨深いです。
 互いの印象について
水石亜飛夢 辻さんはクリアで透明な雰囲気。穏やかな空気が流れているような人。」と語る。
辻千恵 現場にいてくれるだけでとにかく安心感がすごい。撮影中悩んでいた時、アイス食べようと誘ってくれました。
 観客へのメッセージ
水石亜飛夢 恋愛という人生において大きなものがテーマな作品。主人公のみこや、その周りの男たちに自分を重ねて併せて繰り返してご覧いただけたら。
辻千恵 この映画で長い旅ができて幸せでした。(演じた)みこを通して、楽しいでも、嬉しいでも、日常とは違う気持ちになって頂ければ嬉しいです。
のむらなお監督 いろいろなことがあっても、それでも誰かと信じようとする主人公の姿を通して、恋は素晴らしいと思って頂ければ幸いです。

2021年/日本/カラー/ビスタ/72分
配給:絶好調ちっちゃいもの倶楽部
©️2021 Z.S.G.K
公式HP:otokonoyasashisa.com

★2021年6月11日(金)新宿シネマカリテほか全国順次公開
posted by shiraishi at 13:10| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

逃げた女(原題:도망친 여자 英題:THE WOMAN WHO RAN)

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監督・脚本・編集・音楽:ホン・サンス
出演:キム・ミニ、ソ・ヨンファ、ソン・ソンミ、キム・セビョク、イ・ユンミ、クォン・ヘヒョ、シン・ソクホ、ハ・ソングク

ガミ(キム・ミニ)は、5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中に、ソウル郊外の3人の女友だちを訪ねる。バツイチで面倒見のいい先輩ヨンスン(ソ・ヨンファ)、気楽な独身生活を謳歌する先輩スヨン(ソン・ソンミ)、そして偶然再会した旧友ウジン(キム・セビョク)。行く先々で、「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を執拗に繰り返すガミ。穏やかで親密な会話の中に隠された女たちの本心と、それをかき乱す男たちの出現を通して、ガミの中で少しずつ何かが変わり始めていく。

5年間一度も夫から離れたことがなかったと語る主人公が3人の年上の友人の家を訪れる。よく食べ、よく語る。女子トークは盛り上がり、止まらない。しかし、みなどこまで本当のことを語っているのか。久しぶりの友人の手前カッコつけてはいないだろうか。その辺りのほんの少しの駆け引きが側から見ると興味深い。また自分のことをいかに語るかに気を取られ、他の人のことが見えなくなっている気もする。最初の訪問先の友人は野良猫にエサをあげないでほしいと遠慮がちに言ってきた隣人には、大切な猫だし、猫も生きていると言って取り合わないが、そんなに大切ならば家猫にすればいいではないかと思ってしまう。
ところでタイトルの逃げた女とはいったい誰のことなのか。見終わった今でもよくわからない。監督も恐らく答えを提示するつもりはなく、観る者の解釈に任せるつもりだろう。気になるとそこで考え込んでしまうことが多い私だが、本作は主人公の先行きが気になって、その場で考え込まずにすんだ。逃げた女は考えることから私なのかもしれない。(堀)


ホン・サンス作品では、いつもロケ地が楽しみだ。よく出てくるのが趣のある韓屋が並ぶ北村や西村。今回の舞台は、景福宮を見下ろす仁王山が間近に見える地区。西村(景福宮の西)より、さらに山に近いところらしく、韓屋も点在するが、畑地も残る合間にモダンなマンションやカフェがある、郊外だけど、ちょっとお洒落な地区のようだ。
これまでの作品と同様、似た会話の「繰り返し」で綴られる物語。
最初に訪ねた大学の先輩ヨンスンは、泥沼離婚の末、財産分与で郊外に家を買った女性。
翌日、会いに行った別の先輩スヨンは、母との暮らしから抜け出し一人住まい。歩いて15分程のところにある芸術関係の人がよく来る居酒屋で知り合ったハンサムな建築家(別居中の既婚者)が偶然同じマンションの上の階に住んでいて付き合っているという。勝手気ままな日々。
そして、偶然会った友人ウジン。かつて男絡みで何かあったらしいが「もう忘れた」と和解。ウジンの勤める映画館も兼ね備えたカフェを訪ねる。同じ建物の地下でウジンの夫チョン先生の「ブックコンサート」を開く準備中。最近人気のある夫のことを喜べないと、あまり夫と一緒にいたくなさそうだ。
こんな3人を相手に、ガミは「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」と言うのだ。
一緒にいるべき?と自問し、相手の答えも求めているようにも思えるが、ホン・サンス監督が「キム・ミニは僕の愛する人」と2017年カンヌ国際映画祭の公式記者会見で公言したことを思うと、キム・ミニ自身、ホン・サンス監督と離れられないということかと!
さて、「逃げた女」は誰?という疑問。
ウジンの夫チョン先生とばったり出会ったガミ、「あなたに会いにきたワケじゃない」と言い放つ。付き合っていたチョン先生から逃げたのがガミ? チョン先生を演じてるのがクォン・ヘヒョで、逃げたくなるのもわかる・・・というのは失礼か?! (咲)


2020年/韓国/韓国語/77分/カラー/ビスタ/5.1CH
配給:ミモザフィルムズ
© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
公式サイト:https://nigetaonna-movie.com/
★2021年6月11日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
posted by ほりきみき at 00:00| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする