2021年02月23日

きこえなかったあの日

kikoe_pos.jpg

監督・撮影・編集:今村彩子

2011年3月、東日本大震災の11日後、今村監督は宮城県に向かった。被災地できこえない人が困っていないか、情報が届いているのか心配だったからだ。避難所に身を寄せているろう者のご夫婦を紹介された。奥様の信子さんが今村監督もきこえないとわかると、堰を切ったように(手話で)話し続ける。夏に訪れた仮設住宅で会った加藤さんは、高齢の男性で手話が独特、今村監督がわかるのは数字だけ、思うようにコミニュケーションがとれない。状況を知らせようと2013年、宮城県での映像をまとめて『架け橋 きこえなかった3.11』を発表。
本作は2011年からその後の西日本の豪雨、熊本地震の被災地、コロナ禍の中でのきこえない人たちの映像を取り入れた、10年分のドキュメンタリー。

あの大震災からもう10年が経とうとしています。当時は毎日のようにあった報道も、日が経つにつれ少なくなり、節目ごとに忘れないように、と特集が組まれます。昨年からは世界中に拡がってしまった新型コロナの影響下、そちらの心配ばかりになりました。今月に入って東北で震度6の地震があり、東日本大震災の余震と言われて驚いたばかりです。
人はすぐ忘れてしまうので、記録が頼りです。この10年間をまとめた映像はこれからも出てくると思いますが、きこえない今村監督が同じ立場の人たちを気遣って撮りためた映像はほかにはないでしょう。監督の気づきや、それによる変化もわかります。
試写と取材で上京された今村監督にお話を伺いました。加藤さん、信子さんのエピソードやわたしたちのできることは何か?も。
「きこえない人がいるということを知って」と監督。見えない方と違って、外からはわかりにくいですが、いつか機会があるかもしれません。紙とペン必携、今はスマホで文字が出せて便利です。(白)


東日本大震災から10年。これまでもあの地震を記録したドキュメンタリーや、この地震をテーマにした映画作品などがいくつも作られてきたけど、ここ数年は少し減ってきている。でも今年は10年の節目で、何作品か出てきている。やはり忘れてはならないと思う。今村監督は、東日本大地震の被害者だけでなく、この10年の間の熊本を始めいくつかの地震や、豪雨による被害地も訪ね、耳がきこえない方たちの姿をとらえている。このドキュメンタリーを見て、今村監督は果敢にも震災直後に災害現場に行ったのだと、いまさらながらこの監督の行動力に驚いた。ろう・難聴者の方たちの災害時、災害後の生活というのを、この作品で知り、見ながら泣き、そして明るさや、人柄、人情に救われ、笑いも出た。災害の渦中で、少しでも前に進もうとしている人々の姿に勇気をもらった(暁)。

★インタビューはこちらです。

2021年/日本/カラー/116分
配給:Studio AYA
(C)studioAYA2020
http://studioaya-movie.com/anohi/
★2020年2月27日(土)より新宿K's cinemaほか全国順次公開、
全国一斉インターネット配信開始
posted by shiraishi at 20:44| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする