2021年01月30日

空蝉の森

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監督:亀井亨
脚本:亀井亨 相原かさね 
音楽:野中“まさ”雄一  撮影:中尾正人  照明:赤津淳一 
録音:甲斐田哲也  美術:山崎輝  助監督:島田明美  制作担当:青木啓二 
制作協力:株式会社NBI
製作:山本風彬 吉井盛治 
プロデューサー:太田裕輝  アソシエイト・プロデューサー:伊与木敏郎 
主題歌:「OK」大黒摩季(Being)
出演:酒井法子 斎藤歩 金山一彦 池田努 長澤奈央 角替和枝 西岡德馬 柄本明

海辺の町。裸足で歩く女性を警察が保護して家に送り届ける。3か月前に失踪し突然戻った妻・結子(酒井法子)を、夫・昭彦(斎藤歩)は「別人」だと主張する。あと数日で退職する失踪課の假屋警部(柄本明)は、新人刑事に「あの家の防犯カメラは、外向きでなく内側向きだ」と指摘する。結子は夫の精神カウンセラー・山井(西岡德馬)に、「夫は祖父の遺産をもらえなくなるから、私が戻ってきたら困るはず」と相談する。結子の前に夫の女(長澤奈央)が現れる。一方、失踪者を調べるのが趣味のフリージャーナリスト・青柳(金山一彦)は、島で民宿を営む佐藤(角替和枝)に会いに行く。失踪して3か月後に現れた結子は、いったい何者なのか・・・

冒頭、森の中で穴を掘る人の姿。意味深です。
失踪3か月後に戻った妻を、夫は何をもって別人だと主張するのか・・・ 
大事件を担当することもなく警察の職務を全うする直前の假屋警部が、思いもかけず鋭い観察眼をもっている姿を柄本明がひょうひょうと演じています。
はたして、家の中を映し出す防犯カメラに映っているものは? 

2014年に撮影された酒井法子の幻の主演作が、様々な障害を乗り越え、遂に公開です。
エンドロールの最後に、「監督:亀井亨」と映し出されたあとに、酒井法子が静かに舞う妖艶な姿が見られます。どうぞ最後まで席を立たないでご覧ください。(咲)

2016年/日本/カラー/シネスコ/5.1ch/DCP/118分 
配給・宣伝:NBI 協力:アルミード
公式サイト:https://utsuseminomori.com/
★2021年2月5日(金)よりアップリンク渋谷ほかにてロードショー



posted by sakiko at 12:33| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

傍観者あるいは偶然のテロリスト

シネマハウス大塚第1回作品

傍観者フライヤー1月表.jpg

2018年に大塚にできた小さな映画館「シネマハウス大塚」の設立メンバーで館長を務める後藤和夫氏がイスラエルによるパレスチナ占領と抑圧の現実を撮った映画『傍観者あるいは偶然のテロリスト』。
昨年、5月以来、シネマハウス大塚で上映されてきましたが、続映が決まりました。

◆パレスチナ情勢を考えるー『傍観者あるいは偶然のテロリスト』再上映
2021年7月10日(土)、7月17日(土)
両日ともに14:00から映画上映(118分)、16:00からトークイベント
【料金】1300円均一。トーク参加のみ500円。

トークゲスト
◎在日イスラエル人 ダニー・ネフセタイ氏
「なぜイスラエルはパレスチナの独立を認めないのか」を解説。
*イスラエル生まれで軍隊経験のあるイスラエル人ながら、自国の在り方を厳しく批判している。
◎パレスチナを支援する国際NGOスタッフによる「現地報告、支援の在り方」質疑応答を含め語り合う。―日本国際ボランティアセンタースタッフ。

『傍観者あるいは偶然のテロリスト』
監督, 脚本, 主演 : 後藤和夫

68歳の映像作家でありジャーナリストである後藤和夫。
映画館を作ったから映画も作りたいとシナリオを書いた。
『偶然のテロリスト』。
よく知る日本人ジャーナリストがイスラエルで自爆テロ。
あの青年がそんなことをするはずはない。彼の足跡をたどる旅に出る・・・

シナリオにリアリティはあるのか? 
2020年春、後藤は、かつて取材で訪れたパレスチナにロケハンを兼ねて赴く。
初めて訪れたのは、2000年11月。9月に右派リクードのシャロンがパレスチナの聖地を強行訪問。進んでいた和平合意が崩れ去り、パレスチナ人が一斉蜂起した第二次インティファーダの真っただ中だった。
あれから20年。パレスチナはどう変わったのか?
かつて会った若者たちは、今、何を語るのか?
ベツレヘム、エルサレム、ヨルダン川西岸、ガザ・・・
2000年代初頭の数年に訪れた各地での取材映像と、2020年再訪時の映像が交錯する・・・
☆予告編 https://youtu.be/jyaFl2qAoWs

20年前のパレスチナには、まだ分離壁はないけれど、パレスチナの民衆蜂起をイスラエルが武力で徹底的に抑え込む姿が生々しく映し出され、胸が苦しくなりました。
私がイスラエルを訪れたのは、1991年の春。和平への希望が少し感じられた時代でした。それでも、ヨルダン川西岸のジェリコ近くでは戦車を見かけたし、エルサレムのアルアクサーモスクでは、血のついた少年たちのTシャツがいくつも掲げられていて、抵抗の実態を見せつけられました。とはいえ、これほどまでに希望のない事態になるとは思ってもみませんでした。
そして、今。 ガザは2005年にイスラエルが撤退して以来、町ごと封鎖され、200万人もの人たちが、天井のない監獄状態の中で、仕事もなく貧困にあえいでいます。
ファタハの支配するヨルダン川西岸は、一見平和に思えるかもしれないけれど、戦争もないが平和もない状態だと、住む人は語ります。
占領状態しか知らない子どもたちは、それでもパレスチナが好きと言い、イスラエル軍に向けて石を投げます。投げてもどうしようもないけれど、抵抗の証として投げ続ける姿に涙が出ます。
後藤さんが最後に問います。
ホロコーストを経験し苦難を背負ったユダヤ人たちが、同じようなことをなぜパレスチナ人に行うことができるのだろう。世界に住むイスラエル人でないユダヤ人たちはどう思っているのだろう。
戦後、ドイツ人はなぜ傍観者でいられた?と問われた。
いつか、あの時、なぜ傍観者でいられたと問われる日が来るのではないだろうか。

まさに傍観者でしかない私ですが、せめてパレスチナのおかれている実態を知ろうとしてほしいと呼びかけることで許してください。そのためにも、本作をぜひ多くの方にご覧いただけることを願っています。(咲)


★ガザの状況については、下記も参考にしてください。
イスラーム映画祭5 『ガザ・サーフ・クラブ』 3/14トーク 岡真理さん(咲)
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/474101448.html

天井のない監獄ガザから来日した3人の画家 (咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/464639114.html


2020年製作/119分/日本
制作 : Cool Hand Production
配給 : シネマハウス大塚http://cinemahouseotsuka.com/
公式HPhttps://nipponpopkyo.wixsite.com/palestine
★2020年6月13日からシネマハウス大塚にて本公開スタート




posted by sakiko at 03:05| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする