2020年10月31日

461個のおべんとう

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監督:兼重淳
原作:渡辺俊美
脚本:清水匡、兼重淳
撮影:向後光徳
主題歌:井ノ原快彦、道枝駿佑
出演:井ノ原快彦(鈴本一樹)、道枝駿佑(鈴本虹輝)、森七菜(仁科ひろみ)、若林時英(田辺章雄)、工藤遥(柏木礼奈)、阿部純子(矢島真香)、野間口徹(徳永保)、坂井真紀(遠藤咲江)、倍賞千恵子(鈴本奈津子)

鈴本一樹は好きな音楽を続けて身を立てている。一人息子の虹輝(こうき)が15歳と多感な時期に離婚したのが影響したのか、受験に失敗してしまう。進路について話し合うと、来年受験すると言い、1年遅れの高校入学となった。中学と違って給食がない。虹輝の希望は「お父さんのお弁当がいい」だった。一樹は「卒業まで3年間毎日お弁当を作ること」、虹輝は「一日も休まず高校に行くこと」を互いに約束する。
お弁当作りの3ヶ条
その1 調理の時間は40分以内
その2 1食にかける値段は300円以内
その3 おかずは材料から作る
以来、どんなに遅く帰っても地方に行っても、一樹は毎日お弁当を写真に残し、同じものが続かないよう工夫した。1歳下の同級生と机を並べる虹輝は居場所が見つからずにいたが、孤立から一歩出たのはお弁当のおかげだった。

3ヶ条の「おかずは材料から作る」というのは、既製品でなく手作りってことですね。朝のルーティンに組み込むことが肝心なのでしょうが、なかなかできることではありません。ずらりと並んだ写真の壮観なこと!クラスで浮いていた虹輝が溶け込むきっかけになったほどの出来栄えです。どれも美味しそうですし。
離婚したからと言って息子が親を責めたり、喧嘩したりの場面などひとつもなく、よくできた息子です。父親と息子がこんな関係を築けるとは、休まずに続けたお弁当の功績が大きいはず。このごろ強権発動する父親の映画が多かったので、あまりに優しい繋がりに心揺さぶられました。
我が家はどうだったか考えても、息子たちに一体どんなお弁当を作ったのかさっぱり思い出せません。手抜き親のわりにちゃんと育ってくれました。感謝。(白)


原作は今年結成30周年を迎える「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美が書いた「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」(マガジンハウス刊)。ご本人もカメオ出演されています。
しかし、主人公=渡辺俊美ではありません。あくまでも監督とプロデューサー、脚本家が作り上げたフィクションです。バンドマンのシングルファーザーが浪人して高校に入った息子のために高校三年間、欠かさずにお弁当を作ったという設定が同じというだけ。むしろ、井ノ原快彦をあてがきして、主人公は書かれています。
久しぶりに俳優・井ノ原快彦を見ましたが、いい感じに歳を重ねていました。もうアイドルって感じではありませんね。お弁当を作るシーンの手際の良さには目を見張ります。撮影中、毎日、卵焼きを焼いていたという料理の腕前が遺憾なく発揮されていました。
そして、息子との距離感がいい!くっつき過ぎず、離れ過ぎず。この絶妙な距離感は母親には難しいかもしれません。
そして、オープニングに1曲聴かせつつ、鈴本家の15年をさらりと描いた演出が見事。(堀)


2019年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:東映
(C)2020「461個のおべんとう」製作委員会
https://461obento.jp/
★2020年11月6日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 16:51| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌 (原題:I Can Only Imagine)

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監督:アンドリュー・アーウィン ジョン・アーウィン
原作:バート・ミラード
音楽:ブレント・マッコークル
出演:J・マイケル・フィンレイ(バート)、マデレイン・キャロル(シャノン)、デニス・クエイド(父 アーサー)、トレイス・アドキンス(スコット)

テキサスで、両親と暮らした子どもの頃、父・アーサーからたびたび暴力を受け、かばってくれた母も家を出てしまった。なぐさめとなるのはキャンプで出会った少女シャノンと音楽だった。高校生になって父の期待するアメフトに打ち込むが、けがのため断念。音楽部に入って裏方をしているうち、歌の才能を見いだされる。
父と大喧嘩をしたバートは家を飛び出して音楽の道へと進んでいく。バートはクリスチャン・バンドのボーカルとしてキャリアを積みプロデューサーのスコットに出会う。しかし業界から酷評されたことから自信をなくし、故郷へと戻ってくる。アーサーは過去を悔やみ、なんとかバートと解り合おうと努力していた…。

史上最も売れたコンテンポラリー・クリスチャン・ソング"アイ・キャン・オンリー・イマジン"がどのようにして誕生したのか?この曲を作ったロックバンド"MercyMe"のボーカル、バート・ミラードがインタビューを受けるところから映画が始まります。暴力をふるう父から逃れて母が10歳で家をでてしまい、一人で耐えたこと。言葉でなく手が出る父の葛藤を知るのは、ずっと後のことです。
シャノンは子どものころからバートの支えになっているのですが、夢にまい進するバートはシャノンの気持ちをくまずに別れてしまいます。女の子のほうが早く大人になるんですね。
失意のバートが故郷へ戻ったことで、ようやく父と向かい合うのですが、そのきっかけが父の病気。それでも間に合ったことを喜ぶべきでしょう。どんなに辛いことも、それがあってこその今、と思えばこの曲の歌詞がしみてきます。当初、この曲を気に入ったエイミー・グラントに提供するはずだったのを、エイミーが「あなたの曲」と本人に歌わせたエピソードにも感動しました。
主人公バート役をブロードウェイの舞台で活躍し、本作が映画デビューとなるJ・マイケル・フィンリー、父アーサー役をデニス・クエイドがそれぞれ演じています。日本公開版エンディング・テーマ曲はDedachiKenta: 「アイ・キャン・オンリー・イマジン feat.小坂忠」オリジナル日本語歌詞のこちらも素敵です。(白)


無名のミュージシャンが、父親からの虐待のトラウマを乗り越えて、名曲を生み出すまでのストーリー。
どうしても傷つけ合わなければ生きていけない悲しい人間の性…人間にとっていちばん大切なことは「ゆるすこと」だと教えてくれる。「アメージング・グレイス」が奴隷船の船長が「神に赦された」と感激するって話は、ちょっと複雑な心境だった。神は赦しても黒人は赦さないかも。BLM。しかし、キリスト教は根強い。全人類のすべての罪を背負って死んだ人がいたなんて、考えたらほんとうに凄みのある話だと思う。コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックってジャンルが存在することも知らなかったけど…若い人たちが信仰を歌にしてライブで熱狂するなんて、、日本でもコンテンポラリー踊念仏とか流行ってほしい。
ゆるすことは、ゆるされること。特定の信仰はなくても、奇跡は起こるだろう。美しい歌声に癒されました。 (千)


2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/110分
配給:EASTWORLD ENTERTAINMENT、カルチャヴィル
(C)2018 IMAGINE Rights, LLC. All Rights Reserved.
https://www.universal-music.co.jp/icanonlyimagine/
★2020年11月13日(金)全国順次ロードショー

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☆劇場招待券2枚一組をお一人様にプレゼント!
11月10日(火)までに、info@cinemajournal.net にHPの感想も書いてご応募ください。
当選者にのみお知らせいたします。
  ☆当選者確定しました。ご応募ありがとうございました。
posted by shiraishi at 11:49| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする