2020年08月11日

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー ( 原題:BOOKSMART )

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監督:オリヴィア・ワイルド
製作総指揮:ウィル・フェレル、アダム・マッケイ
出演:ビーニー・フェルドスタイン、ケイトリン・デヴァー、ジェシカ・ウィリアムズ、リサ・クドロー、ウィル・フォーテ、ジェイソン・サダイキス、ビリー・ロード、スカイラー・ギソンド

親友同士で成績優秀な女子高生エイミー(ケイトリン・デヴァー)とモリー(ビーニー・フェルドスタイン)は、卒業式前日、遊び放題だったクラスメートがレベルの高い進路を決めていることを知って衝撃を受ける。二人は勉強一筋で青春を犠牲にしてきたことを後悔し、残り少ない学園生活を謳歌(おうか)すべく卒業パーティーに繰り出すことを決意。そんな二人の波乱の一夜が幕を開ける。

本作の試写や資料を何度目にしても、あの英国美人女優オリビア・ワイルドの容姿、端正で知的な演技とが全く結び付かない。下ネタ満載、女性器の名称を連呼してしまうような女子高生物語をなぜを長編監督デビュー作に選んだのか…。しかも、製作総指揮はあの『俺たち』シリーズのウィル・フェレルとアダム・マッケイなのだ。

が、本作は安手のおバカコメディではない。むしろ傑作といえる。お下品なお笑いネタを詰め込みながら、青春の傷みや矛盾、屈折、煌めき、惜別、哀切さなどを余すところがなく丁寧に描いてみせる。
技法的にも、適切な場面でハイスピードカメラを使用し、緩急自在の演出力を披露。車、パーティ、お酒、ドラッグなどハイスクールものに有りがちな細部のディテールに手を抜かない。恋愛模様もLGBT関連が中心の今日性を有す。初監督作としては及第点以上なのだ。世代や国境を越えた青春バディものとして普遍性を持っているのだ。

俳優ジョナ・ヒルの妹(そっくり!)だというビーニー・フェルドスタインとケイトリン・デバーの”ライジング組”が、ファンキーなVOLVOに乗り込む場面から快調そのもの。日本では無名の若手俳優が大挙出演すると通常は見分けがつかないが、一瞬で分かるスクールカーストの描写力により、スムーズに物語へ入っていける。
…とまぁ、分析的に紹介してみたけれど、本作は何も考えずに笑えて好感の持てる”女子版ジャド・アパトー”として観るのが一番楽しいはずだ。(幸)


2019年/アメリカ/英語/102分/スコープ/カラー/5.1ch/
提供 ・配給:ロングライド
(C)2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
公式HP:https://longride.jp/booksmart/
★8月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開★
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2020年08月08日

はりぼて

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監督:五百旗頭幸男(いおきべゆきお)、砂沢智史(すなざわさとし)
撮影・編集:西田豊和
プロデューサー:服部寿人
語り:山根基世
声の出演:佐久田脩
テーマ音楽:「はりぼてのテーマ~愛すべき人間の性~」作曲・田渕夏海
音楽:田渕夏海
音楽プロデューサー:矢崎裕行

2016年から富山県のチューリップテレビが取材したドキュメンタリー。市議会議員報酬10万円アップの要求をきっかけに、これは妥当なのか政務活動費が正しく使われているのか疑問が膨らむ。砂沢智史監督(当時富山市政担当記者)は、疑問の裏付けをとるべく何千枚もの資料を請求、デスクとともに連日確認に励む。五百旗頭幸男監督(当時キャスター)も、議員本人、富山市当局を追及。市議会のドンと呼ばれた大物議員の不正発覚を皮切りに、取材班の粘り強い調査は最終的に14人の議員辞職ドミノを起こすことになった。

これだけの調査をし、ニュースとして取り上げるにはさぞ勇気と覚悟が必要だっただろうと思いました。存分にやれ、と言ってくれた上司、同僚、家族の応援もあったでしょう。何より記者として伝えなければ、という思いが強かったのではないかと想像します。規模の違いこそあれ、同じようなことが国の政治中枢でも、身近なところにもきっと起こっています。それに気づいて疑問を糾弾したり、是正しようと動く人がどれだけいることか。そういう人が出てきたら、応援して支えましょう。
議員は住民の期待を背負って、代表となる人です。高額の収入や年金や、ましてや権力を手に入れるために出発したのではなかったはず。歪んでしまったなら、メディアはそれを知らせるのが仕事じゃありませんか? 新聞記者やテレビのキャスター、コメンテーターが政府を批判したからと、降ろされたり締め出されたりするのはおかしいです。おかしいぞ、と言える国でなくちゃ。(白)

☆五百旗頭幸男監督、砂沢智史 監督のインタビューはこちらです。

2020 /日本/日本語/カラー/ビスタ(1:1.85)/ステレオ/100 分
配給:彩プロ
(c)チューリップテレビ
公式サイトhttps://haribote.ayapro.ne.jp
★2020年8月16日(日)渋谷 ユーロスペースほか全国順次公開
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2020年08月07日

この世の果て、数多の終焉(原題:Les confins du monde)

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監督・脚本:ギヨーム・ニクルー
出演:ギャスパー・ウリエル(ロベール・タッセン)、ギヨーム・グイ(カヴァニャ)、ジェラール・ドパルデュー(サントンジュ)、ラン=ケー・トラン(マイ)

1945年3月。フランス領インドシナに進駐していた日本軍がクーデターを起こし、それまで協力関係にあったフランス軍に一斉攻撃を仕掛けた。駐屯地での殺戮をただひとり生き延びたフランス人の兵士ロベールは、兄を殺害したベトナム解放軍の将校ヴォー・ビン・イェンへの復讐を誓い部隊に復帰する。ゲリラとの戦いは苛烈を極め、ヴォー・ビン・イェンの行方はつかめない。ロベールはベトナム人娼婦マイに惹かれるが、復讐に取り憑かれて後戻りはできない。やがて軍規に背く行為へと駆り立てられるように突き進んでいく。

フランス領インドシナ(1887-1954)は現在のベトナム、ラオス、カンボジアを合わせた地域。第2次世界大戦中日本軍も一時占領していました。ヨーロッパの大国がアジア、アフリカの国々を植民地としていた時期、あまりに国力が違いすぎて抵抗できなかったのでしょう。日本も大東亜共栄圏という構想をぶちあげたことがありました。アジアで共存共栄をという日本も、列強もどっちもどっちです。蹂躙された人々の嘆きも涙も届かない、というより同じ人間として見ていません。
インドシナにやってきたロベールやほかの兵士たちも、国の欲と都合に人生を狂わされてしまいました。映画は兵士たちの戦う場面ではなく、戦闘が過ぎて死体が散らばる凄惨な場面を映し出します。ロベールは兄が無残に殺されて、憎しみと復讐心をたぎらせますが自分の家族だからこそ。繊細なギャスパー・ウリエルが苦悩するのが痛々しいです。
どの兵士も住民も娼婦も、父と母から生まれた同じ人間なのに、そうは思わない訓練をして兵士は作られていきます。
壊れていくロベールに手を差し伸べる作家サントンジュは、名優ジェラール・ドパルデューが貫禄で演じています。サントンジュはフランス軍と独立を求めるインドシナの間にいる人間です。慧眼と包容力、父性を兼ね備えた彼だけが、ロベールの魂を救えたのに。
ベトナムのじっとりした暑さと死臭漂うような画面は観客を不安にします。不条理で不毛なのが戦争、とわかっても繰り返すのはなぜなのか。今に人間は地球から放り出されるのでは、というのは杞憂でしょうか?(白)


主人公のロベールが肩を落として座っている場面はポスタービジュアルにもあるが、シネスコの横長画面がロベールを押し潰しているかのように見える。バックに見える人々も歪められているのか、速度が緩慢でぼわんとした印象。ロベールは精神状態が普通でなく、次第に追い込まれていく。ベトナム帰還兵が心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ話は映画に多いが、ロベールもPTSDだったに違いない。
ベトナム戦争はアメリカが起こしたものだとばかり思っていたが、始まりはフランスだったことをこの作品で知った。しかも日本がそこに絡んでいたとは! 歴史を知ってから見た方がより作品を理解できるだろう。
ところで、ジェラール・ドパルデューは14日公開の『ファヒム パリが見た奇跡』にも出演していて、今週はジェラール・ドパルデュー祭。フランスの国籍を捨て、ロシア国籍を得たとはいえ、演じている役はどちらも当然ながらフランス人。圧倒的な存在感を放っていた。(堀)


2018年/フランス/カラー/シネスコ/103分/R18+
配給:キノフィルムズ
(C)2017 Les films du Worso - Les Armateurs - Orange Studio - Scope Pictures - Rectangle Productions - Arena Films - Arches Films - Cinefeel 1 - Same Player - Pan Europeenne - Move Movie - Ce Qui Me Meut
https://www.konoyonohate.jp/
★2020年8月15日(土)ロードショー
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ディヴァイン・フューリー/使者(原題:The Divine Fury)

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監督・脚本:キム・ジュファン
出演:パク・ソジュン(パク・ヨンフ)、アン・ソンギ(アン神父)、ウ・ドファン(ジシン)、チェ・ウシク(チェ神父)

ヨンフは自分が産まれるのと引き換えに母を亡くし、警察官の父と二人暮らしだった。その父も亡くなってしまい、神父の言う通り真剣に祈ったのに助けてくれなかった!と怒る。神に見捨てられたと恨みながら20年が経った。いまや非情なプロの格闘家として負け知らずだったが、父の夢を見た後、手の平に覚えのない傷ができて血が止まらず原因は不明。占い師から心が汚いから悪霊につけこまれると言われて、ムッとするが反駁できない。
バチカンから悪魔祓いのためにソウルに派遣されたアン神父は、危ないところをヨフンに救われる。ヨフンの傷を聖痕と見たアン神父は、頑ななヨフンに「何事も神の意思」と説く。「神は信じない」と言いつつ、神父の手助けをするヨフン。一方ソウルに潜む大きな闇が2人に迫ってきていた。

悪魔祓いのストーリーはアメリカと思っていたら、これは韓国製。韓国はクリスチャンが全体の3割と日本よりずっと多い(日本は1%くらい)ので、成り立つんですね。とりつきやすい人のところに悪魔が次々とやってきて、アン神父が孤独な闘いを続けます。このとりつかれる子役さんすごい!
荒唐無稽な話でも、アン・ソンギがいるだけで、信ぴょう性が増します。頼りになって安心しますね。同時に茶目っ気を見せるシーンもあります。命がけで悪魔祓いをするアン神父に、ヨンフが亡くなった父親の姿を重ねて心を開いていくのにほっこりします。これからも元気で映画に出てくださいますように。
ウ・ドファンが邪悪で美しいです。善と悪のすさまじい戦いが待っていますので、心してご覧ください。(白)


子役くんはかわいいのだけれど、あまり運動神経が良さげには見えず。長じて総合格闘技の世界チャンピオンになったというのは少々ギャップが。。。しかし、そんな違和感もパク・ソジュンの鍛え上げられた肉体がすぐにねじ伏せてしまうので大丈夫。
それよりも本作でいちばんおいしい役どころだったのはウ・ドファンではないだろうか。悪役ながら美しさが堪能でき、アクションシーンの見せどころがばっちりある。特殊メイクはかなり時間がかかったであろうけれど、その変身ぶりは驚愕モノ! ファンにはたまらない作品だろう。『東京喰種 トーキョーグール【S】』での松田翔太を思い出した。
チェ・ウシクが演じたアン神父の弟子のチェ神父はすぐに退場してしまったかと思いきや、最後まで活躍場面があってよかった!(堀)


2019年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:クロックワークス
(C)2019 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
★2020年8月14日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開
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2020年08月03日

ファヒム パリが見た奇跡 (原題:Fahim )

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監督・脚本:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル
出演·:アサド・アーメッド、ジェラール・ドパルデュー、ミザヌル・ラハマン、イザベル・ナンティ

わずか8歳で母国バングラデシュを追われたファヒム。母親と引き離され、父親と二人でたどり着いたのはフランス・パリだった。亡命者として政治的保護を求めるも、言葉も文化も違う異国では なかなかうまくいかない。そんな時、故郷でチェスの天才と呼ばれていたファヒムは、フランス国内でも有数のトップコーチであるシルヴァンと出会う。国籍も年齢もかけ離れた師弟は、ぶつかり 合いながらも信頼関係を築いていく。しかし、一方でファヒム父子の亡命は認められず、強制送還の脅威にさらされることに・・・。解決策はただ一つ。ファヒムがフランス王者になることだった。

冒頭、深刻な政変混乱が続くバングラデシュ・ダッカで、身を危険に晒すファヒム一家の描写から、居住まいを正して観ることになる。キリリとした軍服を纏った父、豆粒のように小さいファヒム。”これは実話なのだ、現代でもこれ程の危機に瀕している国が、人がいる”と考えるだけで心が押し潰されそうになった。

父と二人でパリに辿り着くも安住の地ではなかった。移民局では、インド人を亡命者として優先したい通訳に”違訳”され、妨害を受ける。この場面はフィクションではなく実際にあることだという。国籍が異なる難民同士の諍いに胸が傷む。

母国でもチェスの天才と呼ばれていたファヒムの機転で、仏でも有数のトップコーチと出会い、才能を認められるも、父子の亡命申請は通らず強制送還の日は迫る。ファヒムを救え!コーチやチェス仲間の強い応援と協力を得て、ファヒムが王者目指してチェスに邁進するまでの経緯は、観客の誰しもがエールを送るだろう。そして最後には大きなカタルシスを得ることになる。
実際には、父子は仏の身分証を取得できたが、フランス国籍は未だに得られていないそうだ。そんな中でもファヒムはバカロレア(高校卒業試験)に合格し、商業学校に通っているという。聡明なファヒム、真面目一方の父をもってしても国籍の壁は高い。

監督・脚本のピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァルは、実話を「よくある“フェイクドキュメンタリー”のように手持ちカメラで質の悪い映像フレームで撮影したくなかった」と語る。その狙いは当った。チェスを格闘技の如く躍動的に映しつつ、画角にキチンと収まる品の良さは仏映画ならではだ。

映画の完成を待たずに亡くなったコーチと、扮するジェラール・ドパルデューが似ていることに驚いた。が、何より強い印象を残したのは、撮影3ヶ月前にバングラデシュから仏に移住したというファヒム役のアサド・アーメッドだ。ファヒムと同じく言葉を覚え、チェスを習い、初めての海に感動する…。職業子役では成し得ない”役を生きる”ことを体現している。更に父役の俳優も、路上生活を続け、パリの街角で花を売る日々。息子のように言葉を覚える術もない…。その焦燥、不安、アイデンティティの喪失を身体で表現する様に目が潤んだ。
日本にも存在する難民申請中の外国人たちに思いを馳せながら、ファヒム一家の幸せを願って止まない。(幸)


本作はバングラデシュを追われてフランスにたどり着いた父子の話。試写を見た直後は割とすんなりフランスに入国し、するするっとチェスのチャンピオンになってしまった印象を受けた。しかし、後からじわじわと作品の良さが心に響いてきた。本作が描きたかったのは、国外への逃亡の危険やチェスで勝つ大変さではなく、新しい環境に馴染んでいく息子に対する父親のうれしさと悲しさではないだろうか。フランス語が話せない父親にとってフランス語を話す息子は頼もしい存在だが、ナイフとフォークで食事をする息子を寂しそうに見つめる眼差しからバングラデシュの文化が消えていく悲しみが伝わってきた。モデルの父子はフランスの国籍はまだだが、身分証は獲得できたという。2人にとっての本当の幸せとはいったい何なんだろうか。いろいろと考えさせられる作品である。(堀)

★スタッフ日記に雑感を書きました。
『ファヒム パリが見た奇跡』に、難民認定の壁の高さを思う (咲)


2019年/フランス/シネマスコープ/カラー/デジタル/ 107分
後援:フランス大使館、アンスティチュ・フランセ、ユニフランス
提供:東京テアトル、東北新社 
配給:東京テアトル/STAR CHANNEL MOVIES
(C) POLO-EDDY BRIERE.
公式サイト:https://fahim-movie.com/
★8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開★
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ジェクシー! スマホを変えただけなのに ( 原題:JEXI)

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監督、脚本:ジョン・ルーカス、スコット・ムーア
出演:アダム・ディヴァイン、アレクサンドラ・シップ、マイケル・ペーニャ、ローズ・バーン(声)

子供の頃からスマホ依存症で、恋人も友達もゼロのフィル。ある日、機種変更したスマホにはライフコーチ機能が搭載されていた。
全ての個人情報を把握し、ジェクシーと名乗る”彼女”のコーチングで人生が変わり始めたフィル。しかし…念願の恋人が出来た時、ジェクシーに異変が…!「フィルは私の男!」恋に落ちちゃったジェクシーが暴走覚醒!上司への暴言メール送信、銀行口座から預金の流出、秘密の写真を一斉送信!!嫉妬に狂ったジェクシーに命を狙われるフィルは一体どうなる!?あゝスマホを変えただけなのに!!

上手い邦題を付けたものだ。似た題名の邦画と同じく、主人公がスマホに振り回される展開だが、内容はホアキン・フェニックス主演『her/世界でひとつの彼女』の”邪悪版”と考えればよい。

フィル少年はものごころついた頃から両親の喧嘩など、何かにつけスマホを渡され、”家族”としてきた。長じてもスマホ依存症は変わらず。カリフォルニア大学卒のジャーナリスト志望ながら、上司に「バズる記事のリストを作れ!」と命令され、「ライアン・ゴズリング似の猫」(!)といった仕事に甘んじている。本作にはこうした小ネタの笑いが詰まっている。早口でバンバン繰り出されるネタにご注目を!

『ピッチ・パーフェクト』シリーズなどの俳優兼コメディアンアダム・ディヴァイン(名演)扮するフィルが機種変したスマホのAIは、『her/世界でひとつの彼女』のスカーレット・ヨハンソンのようなセクシー彼女ボイスと大違いの、下ネタ上等、口が悪く意地汚いジェクシー。豚焼きそばを食べたかったのに健康志向を押し付け、頼んでもいないケイルサラダを注文。文句を言うと、「インストールする時、同意したでしょ!」
勝手にポルノ動画を出すわ、運転中の選曲もしちゃい、「チキン!弱虫!」と罵りまくる。挙げ句の果ては、会議中に「こんなくだらない会議、抜けろ!」

自由過ぎて謀略無人だが、嫉妬心も強いという複雑な性格のジェクシーは、せっかくできたフィルの彼女や親友の間を裂こうとする。はてさて…。AIと人間との平和な融合といった主題は幾らでも応用が利きそう。今後もクリエイター魂をくすぐるだろう。(幸)


2019/カラー/5.1ch/アメリカ・カナダ/スコープ/84分/PG-12
配給:ショウゲート 
公式サイト:http://jexi-movie.com
©2019 CBS Films Inc. All Rights Reserved.
★ 8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国ロードショー★
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2020年08月02日

もったいないキッチン

2020年8月8日 シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
その他の劇場情報

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©UNITED PEOPLE

監督:ダービド・グロス
脚本:ダービド・グロス
プロデューサー:関根健次
日本語吹き替え版ナレーション:斎藤工
出演
ダービド・グロス
塚本ニキ
井出留美

2020年/95分/日本/日本語・英語・ドイツ語
製作・配給:ユナイテッドピープル

捨てられてしまう食材を救いに日本全国へ!
0円食材が美味しい料理に大変身。目からウロコのロードムービー


日本が大切にしてきた「もったいない」精神に魅せられオーストリアからやってきた映画監督のダーヴィド・グロスが、日本各地を旅して食品ロス解決の糸口を探すドキュメンタリー映画。
廃棄食材などを美味しい料理に変身させる『もったいないキッチン』には、今こそ必要なアイデアが詰まっています。また外出自粛、イベント中止、学校臨時休校などによって新たな食品ロスも発生しており、この映画がお役に立ちそうです。

私がいつも楽しみに見ている「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)というTV番組の中に「0円食堂」というのがある。TOKIOのメンバー(時にはゲストも)が農家や生産者を車で尋ねてまわり、捨ててしまう食材をいただいてそれを使って料理し、材料をいただいた人たちと一緒に食べるというもので、意外な食材などもあって面白い。2013年から続く企画でいつも楽しみにしている。このところはコロナの影響もあり旅に出られないので「0円食堂」ではなく、その食材を提供してくれた人たちに連絡を取り、食材を買い取って料理を作る企画「DASH人脈食堂」もスタートした。
これと同じような形で、捨てる食材救出の旅に出たダーヴィド・グロス監督たち。前作の『0円キッチン』(2015)は見ていないけど、こちらはヨーロッパを回ったものとのこと。そして今回の日本での食材救出の旅と検証。無駄にしている食材がなんと多いことか、改めて突きつけられる。それとは逆に日常生活で食費にお金をかけられない人もたくさんいる。こんな試みがあちこちで行われ、必要な人たちへの橋渡しがうまく機能できれば、もう少し無駄になる食材が減っていくことだろう(暁)。


日本の食品ロスは信じられないほど多いらしい。大型スーパーのきれいに並べられた棚には空きがありません。生鮮食品が隙間なくあると、売れ残ったものはどうなるの?とつい思います。馴染みの鮮魚店は閉店までに店主の声かけで、品物が次々とお客さんの手に渡り、敷かれた氷ばかりが見えました。これが理想的です。
コンビニのお弁当が経過時間に応じて値下げされるようになったのは去年秋くらいから。それまでは処分されていたんでしょう。もったいない!我が家も例外でなく、冷蔵庫でゆっくりダメにしてしまう食品があります。入れたことで安心してしまい、きちんと使い切っていませんでした。もったない!一時コンポストに凝ってベランダで土づくりをしたことがありました。虫を育てたようなもので、中止。多々反省しつつ「もったいない!」を続けていきます。(白)

スーパーやコンビニなどのお店から廃棄された大量の食品。いつでも新鮮な食べ物を陳列するための必要悪だという。監督はもったいないとばかりに、廃棄物の山から取り出したものをまだ食べられると口にする。確かにまだ食べられそうなものばかり。でも、万が一、それを食べたことで体調を崩したら業者の責任問題だ。どこかで線を引かなければいけない。
しかし、そもそもの設定が間違っているのではないだろうか。新鮮で美味しいものが常に陳列されていないといけないのだろうか。毎日、売り切れるだけの数を並べて、売り切れたらおしまい。買えなかったら諦める。これが昔は当たり前だったのに。冒頭からそんなことを思い出させてくれる。
しかし、廃棄物は食べられる監督だが福島の長ネギは手を出さない。まだ放射能が不安だという。検査機関に持ち込み、線量を測り、基準を下回っていると分かっても不安そうだ。どこを通ってきたものかがわからない廃棄物には手を出せない私だが、福島の人が必死な思いで作った長ネギは食べられる。もちろん、どちらが正しいというのではない。本作はさまざまな食の試みを提示することで、みんなが食に対して考えるきっかけを与えてくれるのだ。(堀)


公式HP
配給協力・宣伝:クレストインターナショナル/
提供:クックパッド株式会社

予告編
斎藤工吹き替え版予告編

参考記事
映画『もったいないキッチン』緊急オンライン先行公開!
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/475223960.html
posted by akemi at 21:16| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

赤い闇 スターリンの冷たい大地で  原題:Mr.Jones

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監督:アグニェシュカ・ホランド
出演:ジェームズ・ノートン、ヴァネッサ・カービー、ピーター・サースガード

1933年、英国。ガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は、20代の若さながら首相の外交顧問を務めていたが、国家予算削減で解雇される。兼ねてよりジョーンズは、世界中に恐慌の嵐が吹く中、ソ連だけが経済的に繁栄していることに疑問を抱いていた。スターリンの資金源を明かしたいと、フリーランスの記者としてモスクワに赴く。ヒトラーに直接取材した経験のあるジョーンズは、スターリンにも直接取材したいと目論んでいた。モスクワ入りし、ニューヨーク・タイムズのモスクワ支局長ウォルター・デュランティ(ピーター・サースガード)にコンタクトを取る。彼の口から、かつてヒトラー取材の橋渡しをしてくれた友人の記者ポールが強盗に射殺されたと聞かされる。ニューヨーク・タイムズの女性記者エイダ(ヴァネッサ・カービー)は、ポールがスターリンの金脈であるウクライナに行こうとして撃たれたと言って、ポールの遺した訪問先メモをジョーンズに手渡す。真実を追究する!と決意し、ジョーンズは列車でウクライナのスターリノに向かう。そこは母がかつて英語の家庭教師として暮らしていた町でもあった・・・

シャンデリアが輝く華やかなモスクワのホテルから一転、モノクロで描かれる凍てつくウクライナの大地。静寂の中から子どもたちの悲しげな歌が聴こえてきます。
♪ 飢えと寒さが家の中を満たしている。隣人は正気を失い、ついに自分の子供を食べた・・・♪
肥沃なはずのウクライナ。穀物はすべて中央に送られ、1932年から1933年にかけて300万人以上が餓死したと推定され、今ではこれは「ホロドモール」(ウクライナ語で「飢饉による殺害」)と呼ばれています。
ジョーンズはこの実態を明かす記事を発表しますが、声明を撤回するよう命じられます。さらに、ニューヨーク・タイムズが、ジョーンズの発言は真実でないと報道します。
デュランティは、ソ連に関する一連の報道でピューリッツァー賞を1932年に受賞した人物で、ウクライナの穀物が金脈だと知りながら黙殺。結果、1933年11月の米ソ国交樹立の立役者となっています。
独裁国家ソ連が、嘘っぱちな誇大報道をする一方で、自由だと思われているイギリスやアメリカでも、政治的圧力で不都合な真実を抹殺していることを監督は見事に描いています。現在にも通じる、メディアの在り方に一石を投じた作品といえます。

監督は、これまでの作品でもリアリティを大事にされてきましたが、言語も、本作では英語、ロシア語、ウクライナ語、ウェールズ語とそれぞれの場面で使い分けています。
本作では、特にウェールズ語にこだわったことに興味を持ちました。ジョーンズはウェールズ出身という縁で、ロイド・ジョージ首相の外交顧問でした。また、19世紀にウクライナのスターリノに製鉄所を作ったのがウェールズ人で、ジョーンズの母親はそこで英語の家庭教師をしていたという縁もありました。
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監督にオンラインでインタビューした折に、監督の思うウェールズ人気質などについてもお話を伺いました。インタビューの詳細は、こちらで!(咲)


『ソハの地下水道』2012年公開の折のホランド監督インタビューは、こちらで!

この作品と前後して『はりぼて』を観ていました。昨年話題をさらった『新聞記者』、『i ー新聞記者ドキュメントー』と合わせて、記者やメディアのあり方を思いました。ジョーンズが言います。「記者は崇高な仕事だ。誰の肩を持つこともせず、真実のみを追いかける」いつの時代もそうあってと願っています。(白)


2019年/ポーランド・ウクライナ・イギリス/英語・ウクライナ語・ロシア語・ウェールズ語/118分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
字幕翻訳:安本煕生/字幕監修:沼野充義
©FILM PRODUKCJA – PARKHURST – KINOROB – JONES BOY FILM – KRAKOW FESTIVAL OFFICE – STUDIO PRODUKCYJNE ORKA – KINO ŚWIAT – SILESIA FILM INSTITUTE IN KATOWICE
配給:ハピネット
公式サイト:http://www.akaiyami.com/
★2020年8月14日(金)より新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開


posted by sakiko at 03:03| Comment(0) | ポーランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月01日

れいこいるか

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監督:いまおかしんじ
脚本:佐藤稔
出演:武田暁(伊智子)、河屋秀俊(太助)、豊田博臣、美村多栄、時光陸、田辺泰信

1995年1月17日の神戸。伊智子と太助は、阪神淡路大震災により一人娘のれいこを亡くしてしまった。その後夫婦は離婚し、2018年に再会する。二人は親子3人で出かけた思い出の水族館を訪ねて、れいこの好きだったイルカショーを見る。日常が戻ってきたかに見えていても、いなくなった人は戻らない。

あの早朝、阪神・淡路を襲った大震災から25年が経ちました。最大震度7の揺れもさることながら、冬のさなかで朝食前の時間だったせいか、あちこちで火の手があがり、消火が追い付かずまたたくまに大きな火災となりました。黒煙を上げる神戸市内、横倒しになった高速道路、紙の工作のように壊れてしまったビルや家屋の画像が蘇ってきます。
映画には被災した街の情景はありません。亡くなった家族や友人を思い続けている人たち、その中の”いるかが好きだった娘”を亡くした一組の夫婦のその後が描かれています。
いまおか監督が亡くなった友人・知人を思い出しつつ、映像の中に刻みこんだ作品。
奔放で明るい伊智子を演じた武田暁(あき)さんは劇団で活躍している女優さんでこれが映画初主演。太助を演じた河屋秀俊さんには見覚えがありました。離婚したけれど嫌いになったからじゃない、口数少ないけれど愛情深い夫で父親だった人がそこにいました。

谷川俊太郎さんの「ことばあそびうた」(福音館)の「いるか」の詩を思い出します。
いるかいるかいないかいるか
いないいないいるか…… 
この作品を観た後は「れいこいるか」「いないいない」と続いて、涙がにじみそうです。(白)


2019年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:ブロードウェイ
(C)国映株式会社
https://reikoiruka.net-broadway.com/
★2020年8月8日(土)新宿 K’sシネマほか全国順次公開
posted by shiraishi at 20:25| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハニーボーイ(原題:Honey Boy)

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監督:アルマ・ハレル
脚本:シャイア・ラブーフ
撮影:ナターシャ・ブライエ
音楽:アレックス・ソマーズ
出演:シャイア・ラブーフ(ジェームズ)、ルーカス・ヘッジズ(オーティス22歳)、ノア・ジュプ(オーティス12歳)、FKAツイッグス(シャイ・ガール)

オーティスは若くしてハリウッドの人気俳優となり、仕事に忙殺される日々が続いている。ある日泥酔して車を運転し、アルコール依存症の更生施設に送られた。リハビリの過程で自分にPTSDの兆候があることを知る。原因をつきとめるため思い出を書き出すことになった。
10年前、12歳の子役だったオーティスは、マネージャーである父親ジェームズが引き受けた仕事をこなしている。前科者で無職、息子の働いた金で酒を飲み、突然爆発するジェームズに普通の父親らしさを求めては裏切られていた。

シャイア・ラブーフが自身の体験を反映させた脚本を書き、自ら父親役も演じています(か、髪の毛が)。子役時代から父親との軋轢を抱え、大人になって親の不器用な愛情に気づいていくストーリーです。
シャイア・ラブーフは大ヒットした『トランスフォーマー』(2007)で一躍スターになりましたが、その裏側にはこんな悩みがあったんですね。その後『マン・ダウン 戦士の約束』でPTSDのもと兵士役、『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の素晴らしいマッケンロー役を演じていい俳優になったことと驚きました。ゴシップにも事欠かなかった人でしたが、この『ハニーボーイ』は映画のストーリーのとおり、更生施設で書いたものです。脚本の才能も見いだせたのだし、依存症もトラウマも乗り越えて、良き伴侶を見つけてと願っています。
愛らしい子役のノア・ジュプは『ワンダー・君は太陽』(2017) 『クワイエット・プレイス』(2018)『フォードvsフェラーリ』(2019)と続いて出演。この作品も代表作になりそうです。可愛いだけではなく、家族の愛を渇望するオーティスになりきっていました。2005年生まれ、伸び盛りの彼は次の作品でまた一段と大きくなっていそうです。
長じてからのオーティスを演じたルーカス・ヘッジズはどんな役も自分のものにする若き実力派。この作品より前の制作だった『mid90s ミッドナインティーズ』が9月公開。ポスプロ中の作品が何本もあり。
アルマ・ハレル監督のほかの作品を観られないでいますが、この1本を観ただけでも次の作品への期待が高まります。自由に制作の進まない時期ですが、才能ある人たちが伸びていける映画界でありますように。(白)


人気絶頂の子役とアルコール依存症だった父親。2人は息子の収入で暮らしている。アルコールは絶っているもののかっとしやすく、場を盛り上げる嘘を平気でつく父親は自分のことで精一杯。そんな父親を見つめる息子の眼差しはどこか寂しげ。唯一、父の背中にしがみついてバイクに乗っているときはうれしそう。父親の体温に愛を感じていたように見えた。
長じた息子は薬やアルコールに溺れて、たびたびトラブルを起こす。自動車事故を起こした今はアルコール依存症のリハビリ施設でプログラムを受講中。合間に幼いころを思い出し、自分と父親の状況を重ね、父親は愛情表現が下手なだけで自分を愛してくれていたことに気づいていく。
シャイア・ラブーフが自らの過去を脚本にし、しかも自分の父親の役で出演した。本人としては大人になった自分を演じるつもりだったそうだが、監督はそれを望まず、演じるなら父親だと言ったという。それは作品にとってだけでなく、シャイア・ラブーフ自身にとってもよかったのではないだろうか。(堀)


2019年/アメリカ/カラー/シネスコ/95分
配給:ギャガ
(C)2019 HONEY BOY, LLC. All Rights Reserved.
https://gaga.ne.jp/honeyboy/
★2020年8月7日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
先着順!来場者に特製ステッカープレゼント
posted by shiraishi at 20:02| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鬼手(原題:The Divine Move 2: The Wrathful)

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監督:リ・ゴン
撮影:キム・ドンヨン
武術監督:キム・チョルジュン
出演:クォン・サンウ(グィス)、キム・ヒウォン(トン)、キム・ソンギュン(ホ・イルド)、ホ・ソンテ(釜山の雑草)、ウ・ドファン(ウェトリ)

父は自死、母には捨てられ、姉と二人残されて生きてきた少年グィス。最愛の姉も失って天涯孤独となってしまった。そんなグィスを支えたのは亡き父が手ほどきをしてくれた囲碁だった。グィスの才能を見込んだ孤高の棋士ホ・イルドは、山に籠って自分の持てる全てをグィスに伝授する。厳しい指導に屈せず成長したグィスは、イルド亡きあと賭け碁の世界に飛び込んでいく。それは復讐の日々の始まりだった。

チョン・ウソンが主演した『神の一手』(2014/原題:The Divine Move)のスピンオフ作品。グィスを始め、敵となるどの面々も濃すぎるほどの強烈キャラです。それぞれに合った囲碁の展開とアクションの見せ場に苦心した リ・ゴン監督の成果をご覧ください。
韓国ノワール作品は精神的にも肉体的にも痛いものが多いですが、主演のクォン・サンウは肉体改造をして(筋肉を増やして体脂肪率9%)自らアクションをこなしています。もうすぐ44歳になんなんとするのに、そのモムチャンぶりも必見。グィスと同じく家族を亡くして復讐に燃えているウェトリにウ・ドファン。8月に公開される『ディヴァイン・フューリー/使者』にも印象的な役で登場。日本ではテレビドラマで知名度上がり、すでに日本公式ファンクラブもあります。
ぴんと張りつめた空気を和らげてくれるのが、妙ないきがかりでグィスにつきまとい、勝手に相棒となってしまったトン。演じるキム・ヒウォンはいくつもの映画で見かけますが、ここでも名バイプレイヤーとして作品にユーモアを加えています。囲碁好きな方「鬼手」が何であったのか、しかとご注目を。私のように囲碁の知識がなくても楽しめます。(白)


静かなイメージの囲碁を、バイオレンス・ノワールにしてしまったところが、さすが韓国流。そんな中で、ほっとさせてくれるのが、囲碁は下手なのに賭け碁においては鼻がきくトン先生役のキム・ヒウォン。ドラマ「ゴハン行こうよ2」(2015)での靴下が臭そうなだらしない元刑事役が絶品でした。
そして、もう一人、気持ちを明るくさせてくれたのがホン・マダムを演じた紅一点のユソン。ドラマ「ソル薬局の息子たち」(2009年)のキム看(看護師)役がとてもチャーミングだったユソンが、トン先生に安らぎを与えてくれる役どころで出てきて嬉しかったです♪ (咲)



2019年/韓国/カラー/シネスコ/106分
配給:ツイン
(C)2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED
https://kishu-movie.com/
★2020年8月7日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 20:01| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする