2020年06月11日

君がいる、いた、そんな時。

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監督・脚本:迫田公介
撮影:小山田勝治
主題歌:オカダノリコ
出演:マサマヨール忠(岸本正哉)、坂本いろは(香山涼太)、小島藤子(祥子)

DJカヤマこと香山涼太の校内放送が鳴り響く小学校。6年生の岸本正哉は、お父さんは日本人、お母さんがフィリピン人のハーフ。学校では「ガイジン」といじめの種にされている。正哉の楽しみは新米司書の祥子さんと話すこと。自分だけと思っていたこのオアシスに、ウザい校内放送でクラスでも浮いている涼太が割り込んできた。涼太のトンデモ放送計画に祥子さんが賛成したのが面白くない。自分の知らなかった祥子さんの秘密を、なぜか涼太が知っていたのも悔しい。

広島と呉でオールロケの本作。迫田監督は「生きるのが下手で不器用なので、同じように不器用な3人を描いた」そうです。私を含めてたぶん誰にもそんな面があり、傷も抱えていながらもなんとか取り繕って生きています。正哉はいじめにあうけれど、家族は仲が良く、涼太はうるさいくらい元気ですが、家では独りぼっちです。祥子さんには内緒にしていることがあります。
気持ちをうまく伝えられない正哉と涼太ですが、「大事な誰かのために」だったら思いがけない力が出て、思った以上のことができる?そんなささやかだけれど大きいとも言える希望を叶えて見せてくれた作品。正哉と涼太が祥子さんのために何ができたのか、ぜひスクリーンでご覧ください。
キャストのマサマヨール忠くんと坂本いろはさんは初オーディションを経ての、初演技です。いろはさんは女の子ですが、なんと男の子に間違われて予選を通過したそうです。女の子とわかっても涼太役に決定。涙でぐしゃぐしゃになりながらみごとにやりぬきました。いつの日か別の作品で会うことができるでしょうか。楽しみにしています。(白)


クラスにうまく馴染めない正哉と涼太。「担任はなぜ気がつかないの? 何とかしてあげて」という思いで見ていました。でも、担任がいじめに気がついて何とかしてくれるクラスなら、最初からいじめは起きないのかもしれません。
祥子と話すことで気を紛らわせ、しょうがないと受け入れてきた正哉が涼太と過ごすうちに自分の力で状況を変えるまでに成長する。もしかして子どもの成長は大人より友だちの方が大きな影響を及ぼすものかもしれないと思いました。
涼太の問題は解決されないままでしたが、涼太が声を挙げることを願わずにいられません。(堀)


2020年/日本/カラー/85分
配給:とび級プログラム
(c)とび級プログラム
https://kimi-iru.com/
★2020年6月13日(土)新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 21:51| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする