2020年01月26日
バッドボーイズ フォー・ライフ(原題:Bad Boys for Life)
監督:アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラー
脚本:クリス・ブレムナー、ピーター・クレイグ、ジョー・カーナハン
撮影:ロブレヒト・ハイファールト
出演:ウィル・スミス(マイク・ローリー)、マーティン・ローレンス(マーカス・バーネット)、バネッサ・ハジェンス(ケリー)、パオラ・ヌニェス(リタ)、アレクサンダー・ルドウィク(ドーン)、チャールズ・メルトン(レイフ)、ケイト・デル・カスティーリョ(イサベル)、ニッキー・ジャム(ズウェイロ)、ジョー・パントリアーノ(ハワード警部)、ジェイコブ・スキピオ(アルマンド)
バッド・ボーイズのマイクとマーカスも立派な中年。マーカスは家族のために危険な現役から引退しようと考えている。一方いまだに独身のマイクはリッチでイケメン、体型も保ち愛車のポルシェをかっ飛ばしている。そんな中、マイクは若手エリート捜査官で結成されたAMMO(マイアミ・ハイテク捜査班)に配属が決まる。狙撃事件が相次ぎ、捜査を進めるうちにかつて自分が関わった事件とつながる人間ばかりだと気付く。ついにマイクも命を狙われ、引退生活を謳歌していたマーカスとバッド・ボーイズを再結成する。いったい誰がなんのために??
第1作目の『バッド・ボーイズ』(1995)はウィル・スミスの初主演作。『バッド・ボーイズ2バッド』(2003)から17年。長くお待たせした二人が帰ってきました。冒頭の派手なカーチェイスのシーンが長くて、二人の復帰を祝っているかのようです。しかーし、実は事件でもなんでもなく、マーカスの初孫誕生のために急いでいるとわかって爆笑。巻き込まれるほかの車はえらい迷惑です。
バッド・ボーイのまま中年になったマイクは、生意気な若手捜査官たちに年寄扱いされるのにいちいち腹を立てているのが切なくもおかしいです。
製作のブラッカイマーとチャド・オーマンが起用した若手監督アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラーは子どものころにこの作品を観ていて、3作目を監督できるなんてファン冥利につきると言っています。おまけに前2作の監督だったマイケル・ベイ監督までカメオ出演(探してね)。殺伐とした事件とアクションに、ユーモア、バッドボーイズだけでなく女優陣もおおいに活躍するこの作品、退屈させません。(白)
2020年/アメリカ/カラー/シネスコ/124分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
https://www.badboys-movie.jp/
★2020年1月31日(金)全国ロードショー
前田建設ファンタジー営業部
監督:英勉(はなぶさつとむ)
原作:前田建設工業株式会社『前田建設ファンタジー営業部1「マジンガーZ」地下格納庫編』(幻冬舎文庫)
脚本:上田誠
音楽:坂本英城
出演:高杉真宙(ドイ)、上地雄輔(ベッショ)、岸井ゆきの(エモト)、本多力(チカダ)、町田啓太(ヤマダ)、六角精児(フワ)、小木博明(アサガワ)
2003年。前田建設工業の広報グループで働くドイは、働くことに情熱を見出せず、粛々と日々を送っていた。ある日リーダーのアサガワが「マジンガーZの格納庫が作れるか?」と唐突な質問をする。冗談だろうと適当な返事をすると、同僚のベッショやエモト、チカダがそれぞれの見解を述べ始めた。特にアニメおたくのチカダの熱さは半端ない。あれよあれよというまに、これが一大プロジェクトになっていくとは。
前田建設工業株式会社は実在の会社です。ファンタジー営業部が発足し、そのプロジェクトを細部まできちんと積算し、ウェブで公開していったのも実際にあったこと。社是の「誠実・意欲・技術」がそのまま可視化されたような映画です。
アニメの「マジンガーZ」は放送当時見ていて主題歌も覚えていますが、格納庫については記憶がありません。その格納庫が建設可能かどうかを、こんなに大真面目に検討していた人たちがいたことをこの作品で初めて知りました。この取り組みに専門家たちが、多大な協力を惜しまなかったこと、その後も数々のプロジェクトを手がけていったことにすっかり感心。こんなに頭の柔らかいプロフェッショナルたちが業界には存在するのですね。政治の世界にもいてほしいです。
はかない希みはさておき、初めはふふんという態度だったドイが机から離れて、様々な現場の専門家たちに出会って変化していく様子が見どころです。掘削と土質の専門家・ヤマダの純情なおたくっぷりに、エモトならずとも胸キュンです。しかし町田啓太くん限定かも。(白)
現在も更新され続けている「前田建設ファンタジー営業部」
☆撮影日記もあります
http://www.maeda.co.jp/fantasy/index.html
2019年/日本/カラー/シネスコ/115分
配給:バンダイナムコアーツ=東京テアトル
(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション
https://maeda-f-movie.com/
★2020年1月31日(金)ロードショー
バニシング(原題:The Vanishing)
監督:クリストファー・ニーホルム
脚本:ケリン・ジョーンズ、ジョー・ボーン
出演:ジェラルド・バトラー(ジェームズ)、ピーター・ミュラン(トマス)、コナー・スウィンデルズ(ドナルド)、ソーレン・マリン
スコットランドの沖にあるアイリーン・モア島に3人の灯台守がやってきた。これから6週間の3人きりで灯台を守る暮らしが始まる。灯台守を25年続けているベテランのトマス、新人の若いドナルド。大柄なジェームズは粗暴だが妻子がいて、港で別れを惜しんできたばかり。
孤島の退屈な日々は、嵐の翌朝破られた。崖下に倒れている男とボートを発見し、ドナルドが降りてみるとすでに死んでいるようだった。ボートにあった木箱を引き上げようとしたとき、ドナルドは死んだと思っていた男に襲われる。必至でもみ合っているうちに男は頭を打ち、本当に死んでしまった。そしてボートと男を探して、仲間らしい2人が島にやってくる。
アイリーン・モア島の灯台守たちが失踪したのがわかったのは1900年12月のこと。ようとして行方が知れず、《フラナン諸島の謎》として、様々な憶測が流れましたが、事件は未解決のままです。大胆な解釈、脚色で映画化されたのがこの作品です。始まりは絶海の孤島の美しい自然が映し出されますが、漂流者の事件が起こってからは重苦しい空気が充満。死んだ男のボートにあった木箱には金塊がぎっしり詰め込まれていました。知らないと突っぱねる3人と、疑う2人。一気にサスペンスになだれ込みます。
人間の欲望と仲間内で生まれてくる猜疑心、罪を犯したことで苛まれる精神、どこに救いが見つかるのか?誰が助かるのか?心が疲れているときにはお勧めしません。(白)
2018年/イギリス/カラー/シネスコ/107分
配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス
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https://vanishing.jp/
★2020年1月24日(金)より全国順次ロードショー