2019年11月17日

テルアビブ・オン・ファイア  原題:Tel Aviv on Fire

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監督:サメフ・ゾアビ
脚本:サメフ・ゾアビ、ダン・クラインマン
出演:カイス・ナシェフ(『パラダイス・ナウ』『オオカミは嘘をつく』)、ルブナ・アザバル(『灼熱の魂』『パラダイス・ナウ』)、ヤニブ・ビトン、マイサ・アブドゥ・エルハディ(『ガザの美容室』)、ナディム・サワラ、ユーセフ・スウェイド

エルサレムに住むパレスチナ人の青年サラームは、人気メロドラマの制作インターン。ヘブライ語のチェック係だ。ヨルダン川西岸地区の撮影所に通うのに毎日イスラエルの検問所を通らなければならない。ある日、変な質問をしたため車から降ろされる。ドラマの脚本を持っていたことから、検問所の主任アッシは、サラームを脚本家と勘違い。アッシの妻が大好きなメロドラマだと知って、筋書きに介入したがり、毎日のようにサラームを検問所に招きいれる・・・

イスラエル国籍のパレスチナ人であるサメフ・ゾアビ監督が描いた、大笑いのブラックコメディー。映画内のメロドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」は、1967年の第三次中東戦争前夜を舞台にしたパレスチナ女性とイスラエル将校の恋物語。恋の行方について、検問所の主任アッシはあれこれアイディアを出してきます。政治的背景も絡んでくるのでインターンのサラームも本気で対抗案を出します。やがて、本物の脚本家に格上げとなったサラームは、イスラエルのアッシにも、パレスチナ側にも納得のいく笑撃のラストを思いつきます。
ユダヤ人とパレスチナ人が互角に意見を交わすということは、現実では残念ながらありえないこと。こうあってほしいという監督の思いを強く感じました。
昨年の東京国際映画祭で「イスラエル映画の現在2018」の一環として、コンペティション部門で上映され、ぜひ公開してほしいと思っていた作品です。 (咲)


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東京国際映画祭 イスラエル映画の現在2018『テルアビブ・オン・ファイア』舞台挨拶はこちらで!


★アカデミー国際長編映画賞ルクセンブルク代表に決定!!

イスラエルとルクセンブルグ合作で、劇中で展開するドラマ部分がルクセンブルグのスタジオで撮影され、プロデューサーをはじめ、多くのルクセンブルクのスタッフも参加しているということもあり、ルクセンブルグ代表となったとのことです。
監督の喜びのコメントは、こちらで!

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☆公開を前に来日したサメフ・ゾアビ監督にインタビューの機会をいただきました。
 インタビュー記事は、こちらで!

2018年/97分/ルクセンブルク・フランス・イスラエル・ベルギー/カラー/アラビア語・ヘブライ語
配給:アットエンタテインメント
公式サイト:http://www.at-e.co.jp/film/telavivonfire/
★2019年11月22日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開



posted by sakiko at 19:13| Comment(0) | ルクセンブルグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あなたを、想う。  原題 念念

渋谷ユーロスペース11月2日(土)公開~11月22日(金)
11月16日(土)~22日(金) 10:00
他の上映情報は下記に

©Dream Creek Production Co. Ltd./ Red On Red

監督・脚本:張艾嘉(シルヴィア・チャン)
脚本:蔭山征彦
撮影:梁銘佳(リョン・ミンカイ)
出演:
梁洛施(イザベラ・リョン):ユーメイ役
張孝全(チャン・シャオチュアン、ジョセフ・チャン ):ヨンシャン
柯宇綸(クー・ユールン):ユーナン
李心潔(リー・シンジエ、アンジェリカ・リー): ユーナンとユーメイの母

台湾出身で、香港でも女優として活躍する張艾嘉(シルヴィア・チャン)。1970年代末に始まった香港ニューウェーのアン・ホイ、ジョニー・トウ、ツイ・ハーク監督などの映画で活躍し、スター女優となったが、台湾でのニューウェーブでも大きく関わり、最初は女優として出演していたが、映画監督としても作品を生み出すようになった。『君のいた永遠(とき)』『20、30、40の恋』『妻の愛、娘の時 /相愛相親『(2017)などの作品で監督としての評価を得、日本でも公開された。『あなたを、想う。』(2015)は、2015年の東京フィルメックスで原題の『念念』というタイトルで上映された。

別々に育った兄妹の再会を描く

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兄・育男(ユーナン)

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妹・育美(ユーメイ)
©Dream Creek Production Co. Ltd./ Red On Red

台東沖の緑島で生まれ育ち、両親の離婚で離ればなれになった兄・育男(ユーナン)と妹・育美(ユーメイ)。二人に毎日のように人魚の物語を話していた母は、息子と夫を置いて、ユーメイだけを連れて台北へ去っていき、間もなく他界した。月日がたち、成長した兄妹と、妹の恋人の翔(シャン)、3人の若者たちの心の葛藤と兄妹の再会を描いた作品。
画家の卵の育美。芽の出ないボクサーの翔。観光ガイドの育男。3人は、かつて家族を失ったことで、いまも深く傷を負っている。過去と現在が行ったり来たりするので、最初、内容がよくわからなかったけど、二人が幼いころ暮らした緑島のことが繰り返し出てくる。兄妹のトラウマなのか、忘れたくても忘れられない想いを語るためなのか、印象的なロケーションだった。
妹を演じたイザベラ・リョンは画家を目指している設定で、劇中に絵が何回か登場するし、兄と妹が再会するシーンでも出てくる。それらは母親役のアンジェリカ・リーが描いたもの。「アンジェリカは画家でもあるのでお願いしたら、作品にふさわしい絵を描いてくれた」とシルヴィア・チャン監督は語っていた。兄が嵐の夜に雨宿りした「藤」というバーは、台湾で日本人が30年以上やっている会員制のバーとのこと。この兄の役を柯宇綸/クー・ユールンが演じている。『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991)で初めて観た時から28年もたっているのにほとんど変わらない。若い!と思ってしまった。この脚本をシルヴィア・チャン監督と共に手がけたのは、台湾で俳優として活躍している蔭山征彦さん。彼が温めていた3つの短編の脚本が監督の目に留まり、1本の映画へと結実した。蔭山さんは、この作品の中では「藤」のシーンでポスター出演している(笑)。
緑島は火焼島ともいい、昔は監獄がいくつもあったという。
3人の若者の過去と現在が複雑に交錯しながら繰り広げられる物語。「ある青年の父母に対する解けないわだかまりや心の痛みが幻想的に表現されていて、私は一人の母親として、心を動かされたのです」とシルヴィア・チャン監督は2015年のフィルメックスの時に語っていた。
2015年に台湾を皮切りに各地で公開され高い評価を受け、香港電影評論學會大奨で最優秀脚本賞を受賞。ヒロインに香の女優イザベラ・リョンを 起用、彼女の恋人役を『蓮の夏』、『GF*BF』のジョセフ・チャン/チャン・シャオチュアンが演じた。(暁)

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東京フィルメックス2015でのシルヴィア・チャン監督

2015年/台湾・香港/119分/配給:A PEOPLE CINEMA
『 あなたを、想う。』公式HP
上映劇場
2019年11月2日(土)~ 東京 ユーロスペース
2019年11月2日(土)~ 神奈川 横浜シネマリン
2020年4月4日(土)~ 栃木 宇都宮ヒカリ座
2020年1月25日(土)~ 大阪 シネ・ヌーヴォ
2020年1月24日(金)~ 京都 出町座




posted by akemi at 07:41| Comment(0) | 台湾・香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする