2019年10月06日

細い目  原題:Sepet 英題 Chinese Eyes

劇場公開 2019年10月11日 アップリンク渋谷&吉祥寺

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監督:ヤスミン・アフマド
製作:ロスナ・モハマド・カシム エリナ・シュクリ
脚本:ヤスミン・アフマド
撮影:ロウ・スン・キョン
編集:アファンディ・ジャマルデン
出演  シャリファ・アマニ、ン・チューセン、ライナス・チャン、タン・メイ・リン、ハリス・イスカンダル、アイダ・ネリナ、アディバ・ヌール

2004年製作/107分/マレーシア
配給:ムヴィオラ
公式HP 

ヤスミン・アフマド没後10周年記念 

『細い目』 

2019.7.20~8.23にヤスミン・アフマド監督特集があったけど、その中から『細い目』が、とうとう日本公開されることになった。2005年 第18回東京国際映画祭で上映されて以来、14年の時を経ての日本公開である。製作されたのは2004年だから、映画ができてから15年もたっている。東京国際映画祭で上映されたあと、マレーシア映画特集やヤスミン特集などで上映されては来たので、何回か観る機会はあったけど、まさかの日本での劇場公開。感無量である。
2009年に51歳の若さで他界したマレーシアのヤスミン・アフマド監督が04年に手がけた長編第2作目ではあるけど、ヤスミン監督の名を日本に知らしめたのは、この『細い目』である。ヤスミン監督作品でおなじみのオーキッドという名の少女がこの作品で登場する。“オーキッド3部作”の第1作目。マレーシアの多民族社会を背景に、マレー系の少女オーキッドと中国系の少年ジェイソンの初恋とマレーシアの多民族社会の状況を描き、マレーシア・アカデミー賞でグランプリをはじめ6部門(監督賞、脚本賞、新人男優&女優賞)、東京国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞した。「細い目」とはマレーシアで中国人を指していう言葉とのこと。
香港映画界で活躍する金城武(台湾)が大好きな裕福な家のマレー系の少女オーキッドは、露店で海賊版のCDやDVDを売る中国系の少年ジェイソンと出会い恋に落ちた。民族も宗教も異なる2人、戸惑いもあったが、家族に見守られ初恋を育んでいく。しかし、民族的出自が原因で大学進学の道が閉ざされているジェイソンは、裏稼業の元締めであるジミーや、その妹マギーとの関係を断ち切ることができない。一方、オーキッドにはイギリス留学の日が近づいてくる。二人の恋の行方は…。衝撃的な最後はマレーシアの現実を考えさせる。
主演はヤスミン監督映画の常連となった、当時17歳のシャリファ・アマニと映画初出演のン・チューセン(本職は俳優ではない)。ヤスミン・ファミリーといえる役者たちが若いふたりを支えている。マレーシアでは多民族社会ゆえに境界線があって、それぞれの民族が分断され、他の民族との交流があまりない状態の中で、ヤスミン監督はこの作品を引っさげて映画界に登場した。日本とは違う、そういうマレーシアの社会背景を日本に知らしめた。

私が初めて訪れた外国は実はマレーシア・クアラルンプールで1990年。街中を歩いた時に、完全にマレー人街、インド人街、中華人街と分かれていて、街を歩く人たちも他の民族はいない感じで、私たち3人(日本人)は、それぞれの街を歩いていくと、ジロジロ見られてとても居心地悪かった。その記憶を思い出し、それから思うと、やはりこの映画は画期的な作品なんだと2005年に初めて観た時に思った。
『細い目』は、普遍的なラブストーリーだし、家族の愛情や友情を描く人間ドラマではあるけど、民族や宗教が異なる男女の恋というのが考えられなかったマレーシアで(2005年東京国際映画祭での上映後のQ&Aでヤスミン監督が言っていた)、民族の融和という思いがあって作った作品だった。そして、その後の作品にも、その精神は生かされていた。また、マレー語映画が主流であった時代(2004年頃)に、英語、マレー語、広東語などが飛び交う多言語の映画として作られ、マレーシア映画界の新しい波を作っていった作品とも言えるのでは。民族が分断されている中で寛容な世界をと望み、それを作品に反映させた強さと優しさが頼もしい作品になりました。
オーキッドの家族はかわっていて、母親(アイダ・ネリナ)も父親(ハリス・イスカンダル)もお手伝いのヤムさん(アディバ・ヌール)とまるで友人のように話すし、ジェイソンが華人であることも気に留めず、二人の交際を優しく見守るというように描かれていたけど、これはヤスミン監督の家族が反映されていると、東京国際映画祭で上映された時にヤスミンさんは語っていた。これを書いているうちに14年前の映画祭での上映会でのヤスミン監督のこと、言っていたことが蘇ってきた。あのとき、初めて観たマレーシアの映画と家族関係にびっくりしたけど、これはあくまでヤスミンさんの家族の姿で、マレーシアのマレー系の家族の姿が反映されているわけではないとも言っていた。
そういえば、この時、私のカメラは壊れていたか、電池が切れていたかでヤスミン監督を撮影できなかった。その後、監督にお会いすることがなく、ヤスミン監督の写真は撮ることができなかったし、ヤスミン監督に心酔していたUさんも、監督にインタビューする予定がキャンセルになってしまってかなわなかったし、Uさん自身も亡くなってしまった。今思い出してもヤスミン監督に関しては残念なこと続き。せめて、没後10年での日本公開を喜びましょう。もう4回は観ていますが、公開されたらまた観に行きます(暁)


ヤスミン・アフマド監督 フィルモグラフィ
長編映画
ラブン(2003年)
細い目(2004年)
グブラ(2006年)
ムクシン(2006年)
ムアラフ 改心(2008年)
タレンタイム~優しい歌(2009年)



posted by akemi at 20:32| Comment(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

真実(原題:La Vérité)

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監督・脚本・編集:是枝裕和
撮影:エリック・ゴーティエ
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエ

世界中にその名を知られる、国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が、自伝本「真実」を出版。海外で脚本家として活躍している娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、テレビ俳優として人気の娘婿(イーサン・ホーク)、そのふたりの娘シャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、彼女の公私にわたるすべてを把握する長年の秘書─。“出版祝い”を口実に、ファビエンヌを取り巻く“家族”が集まるが、全員の気がかりはただ一つ。「いったい彼女は何を綴ったのか?」
そしてこの自伝に綴られた<嘘>と、綴られなかった<真実>が、次第に母と娘の間に隠された、愛憎うず巻く心の影を露わにしていく。

是枝裕和監督がフランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュを迎えて、母と娘の葛藤を描いた。2019年・第76回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。日本人監督の作品として初めて、同映画祭のオープニング作品として上映される。
大女優の母が自伝を出版し、それを読んだ娘が事実と違うと憤慨する。しかし、母にとっての真実は娘にとって必ずしも真実ではない。人生における重要度も違う。それは仕方のないこと。といえるのは第三者だからであり、当事者にとってはとんでもないことなのだ。
照れ隠しなのか、和解したと思わせて、母は大女優らしくひっくり返す。それを娘は脚本家らしく孫を使ってやり返す。この母と娘は攻撃し合うことで絆を深めているのかもしれない。
大女優やベテラン俳優に囲まれながらも伸びやかに孫娘を演じた子役が英語とフランス語を操り、すごくかわいい。(堀)


2019年/108分/G/フランス・日本合作
配給:ギャガ
©2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA
公式サイト:https://gaga.ne.jp/shinjitsu/
★2019年10月11日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
posted by ほりきみき at 17:57| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ダウト~嘘つきオトコは誰?~

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監督:永江二朗 
原作:ボルテージ「ダウト~嘘つきオトコは誰?~」 
脚本:鹿目けい子 
主題歌:+α/あるふぁきゅん。「Break Karma」 (MAGES.)
出演:堀田 茜、稲葉 友、西銘 駿、岩永徹也、佐伯大地、三津谷亮、藤田 富、水石亜飛夢、牧田哲也、永山たかし、玲央バルトナー、松熊つる松、金時むすこ、小西麗菜、 VAMPIRE ROSE 、 久保田悠来 、鶴見辰吾

ブライダルプランナーの桜井香菜(堀田茜)は彼氏の浮気発覚をきっかけに婚活パーティーに参加。そこでクリエイターや医者などハイスペックなイケメンたちに声を掛けられる。浮き立つ香菜だったが、香菜に婚活パーティーで運命の出会いがあると告げた占い師(鶴見辰吾)が現れ、言い寄ってきた10人の男のうち本当のことを話しているのはたった1人だと言う。香菜はハイスペックな10名のイケメンたちの嘘を見抜きながら、真実の愛を見つけていく。

恋愛アプリゲームの映画化。婚活パーティーに参加した主人公が言い寄る男性10人の嘘を見破る。運命の男性はいないのか?言い寄る男性には稲葉友を始めとするイケメンを揃えた。マザコン、離婚経験、DV、オタクなど知られたくないことを隠す男性たち。少しでも嘘があれば主人公は「ダウト」と指差し、切り捨てる。
嘘はいけない。しかし、その嘘は本当にダメな嘘なのか。自分は嘘がないか。結婚すれば折り合いをつける場面はたくさん出てくる。ダメな嘘と必要な嘘を見極め、受け入れる度量が結婚には大事なのだと思うのだが。。。(堀)


2019年/日本/カラー/97分
配給:キャンター/スターキャット 
© Voltage  ©2019 映画「ダウト~嘘つきオトコは誰?~」製作委員会
公式サイト:http://doubt-movie.com/
★2019年10月4日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
posted by ほりきみき at 17:34| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

毒戦 BELIEVER(原題:Believer) 

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監督:イ・ヘヨン 
脚本:チョン・ソギョン
出演:チョ・ジヌン、リュ・ジュンヨル、キム・ジュヒョク、チャ・スンウォン、パク・ヘジュン

姿なき麻薬王“イ先生”を執拗に追い続ける麻薬取締官〈通称マトリ〉のウォンホ刑事(チョ・ジヌン)。ある日、組織の麻薬製造工場が爆破され、事故現場からラクと名乗る青年(リュ・ジュンヨル)が唯一の生存者として発見される。ウォンホ刑事は組織に捨てられた彼と手を組み、大胆かつ危険極まりない筋書きによる、組織への潜入捜査を決意するが。。。

麻薬組織のトップを追い続けてきた刑事が組織内抗争で殺されかけた青年と手を組み、潜入捜査をする。とんでもない珍味を食べさせられ、極上の麻薬を吸わされた。命懸けである。
危険な仕事であればあるほど互いの信頼が必須。青年が組織に寝返る懸念を払いのけ、刑事は青年と行動を共にする。想定外の場面が何度もあり、その度にハラハラ。それを繰り返すうちに信頼関係ができてくる。
主人公たちにとってのまさかの結末は見る側にはやっぱり感があるが、ラストに鳴り響く一発の銃声がいつまでも耳に残った。(堀)


2018年/韓国/韓国語/124分/カラー/シネスコ/字幕翻訳:根本理恵
配給:ギャガ・プラス 
(c)2018 CINEGURU KIDARIENT & YONG FILM. All Rights Reserved. 
公式サイト:https://gaga.ne.jp/dokusen/   
★2019年10月4日(金)シネマート新宿ほか全国順次ロードショー

posted by ほりきみき at 17:33| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブルーアワーにぶっ飛ばす

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監督・脚本:箱田優子
撮影:近藤龍人
音楽:池永正二
出演:夏帆(砂田夕佳)、シム・ウンギョン(清浦あさ美)、渡辺大知(玉田篤)、黒田大輔(砂田澄夫)、ユースケ・サンタマリア(冨樫晃)、でんでん(砂田浩一)、南果歩(砂田俊子)

CMディレクターの砂田夕佳30歳、茨城出身、東京在住。多忙だけれど、仕事は順調、夫も優しいのに、夕佳の心の中は荒んでいる。今は酒も楽しくなく、飲んでも悪酔いするだけ。故郷の祖母が入院したため、気は進まないが見舞いに行くことになった。親友の清浦あさ美は天真爛漫で屈託がない。のりの良いあさ美の運転する車で大嫌いな故郷へ向かう。久しぶりに帰った実家では、両親は年を取り、兄は引きこもったまま。これまで逃げていた故郷や昔の自分と向き合わねばならなくなった。

きばいやんせ!私』で、不倫でバッシングを受けた女子アナを演じていた夏帆さん、今度はさらに不機嫌顔のCMディレクター役です。そんな夕佳があさ美と話すときだけは肩の力が抜けます。『新聞記者』では終始硬く厳しい表情をしていたシム・ウンギョンが笑顔満開のあさ美役。どこかよそから来た感じが、このちょっと不思議な役にすっきりとはまっていました。おじさんたちが集まるスナックのママが伊藤沙莉さん。さばさばした物言いでお客を沸かせて楽しませる役どころで、またまた惹かれました。
なんにもない故郷からなんでもある東京に出てきて、頑張って仕事に打ち込んでいるのに、だんだん心が乾いていくのは何でだろう?誰かが悪いのか?自分なのか?どうしたらいいのかわからず辛い人は、劇場で夕佳とあさ美と一緒に、ブルーアワーの中疾走してみてはいかがでしょう?(白)


やりがいのある仕事、理解ある夫、適度な距離感のセフレ。一見幸せそうな主人公だが、実情はどうなのだろうか。 一筋縄ではいかない実家の家族も人物像をしっかり作り、主人公のこれまでの生活が見えてくる。今の主人公はなるべくしてなった感。カッコ悪い自分を受け入れた先にある幸せも意外にいいものだ。

母親役の南果歩が素晴らしい! 怠そうに家事を放棄し、足を開いて立つ。後ろ姿の佇まいはダサいおばさんそのもの。リアリティが半端ない。そんな母親たちがいる故郷を離れることが寂しくないのが寂しいと叫ぶ気持ちに思いっきり共感した。(堀)


2018年/日本/カラー/シネスコ/92分
配給:ビターズ・エンド
(c)2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会
http://blue-hour.jp/
★2019年10月11日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 16:41| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クロール 凶暴領域(原題:原題:Crawl)

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監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:マイケル・ラスムッセン
ショーン・ラスムッセン
撮影:マキシム・アレクサンドル
出演:カヤ・スコデラーリオ(ヘイリー)、バリー・ペッパー(デイブ)、モーフィッド・クラーク(ベス)、ロス・アンダーソン(ウェイン)

女子大生のヘイリーは、子どものころから水泳に打ち込み今は競泳の選手をしている。フロリダで一人暮らしをしている父デイブと連絡が取れない、と姉から電話が入りこのところ疎遠だった父が心配になった。ハリケーンの暴風雨の中、急ぎ実家へ向かうと、近隣はみな水に浸かり住民は避難していた。家中を探して、やっと地下室で倒れている父を見つけたが重傷だった。助けようとしたヘイリーも巨大なワニに襲われる。洪水のため、近くにあるワニ園からたくさんのワニが逃げ出していたのだった。

パニックもの、サバイバルものが好きな方にお薦め!巨大ハリケーンの直撃で周りは大洪水、家の中にまでワニが侵入してきます。どんどん上がる水位に、カナヅチの私なら絶望するしかありませんが、ヘイリーは水泳選手。父はいつも試合前に「お前は最強の捕食者!」と励ましてくれていたのです。ワニもその最強の捕食者の一つなので、ここでガチ対決です。
ヒラリーは何度も脱出を図るのですが、重傷を負った父と愛犬とハリケーンの中で取り残されてしまい、結局自宅でワニと闘います。いやはや、観ながら何度ドッキリ!したかわかりません。心臓の弱い方ご注意ください。たくましいヒロインは『メイズ・ランナー』シリーズのカヤ・スコデラリオ。不死身の父デイブは名バイプレイヤーのバリー・ペッパー。(白)


2019年/アメリカ/カラー/シネスコ/87分
配給:東和ピクチャーズ
(C)2019 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
https://crawlmovie.jp/
★2019年10月11日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 16:39| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トスカーナの幸せレシピ  原題:Quanto Basta

劇場公開情報
YEBISU GARDEN CINEMA 10/11(金) 〜
東京 新宿武蔵野館 10/12(土) 〜
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©2018 VERDEORO NOTORIOUS PICTURES TC FILMES GULLANE ENTRETENIMENTO

監督・脚本:フランチェスコ・ファラスキ 
脚本:フィリッポ・ボローニャ、ウーゴ・キーティ
製作:ファビアノ・グラーネ ダニエレ・マッツォッカ
製作総指揮:アンドレア・ボレッラ
撮影:ステファーノ・ファリベーネ
編集:パトリツィオ・マローネ
音楽:パオロ・ビバルディ
字幕:吉田裕子
出演:ヴィニーチョ・マルキオーニ、ルイジ・フェデーレ、ヴァレリア・ソラリーノ

元一流シェフとアスペルガー症候群青年の友情を描く

 卓越した腕を持ち、開業したレストランも成功させた元三ツ星レストランのシェフ・アルトゥーロと、「絶対味覚」を持ち、料理の才能を秘めたアスペルガー症候群の青年グイドが、料理を通し築いていく友情や絆が描かれる。イタリアを舞台にしたハートウォーミングドラマ。
アルトゥーロは共同経営者に店の権利を奪われたことで暴力事件を起こし刑務所へ。順風満帆だった人生から転落。〝グルメ界の神〟になりそこねた不器用で怒りっぽい性格の中年男。
地位も名誉も信頼も失い、社会奉仕活動を命じられ、自立支援施設「サン・ドナート園」でアスペルガー症候群の若者たちに料理を教えることになった。 荒っぽい性格の料理人は、無邪気な生徒たちと初日からギクシャク。しかし、施設で働くアンナの後押しもありなんとか続けていた。そんな生徒のなかに、食材やスパイスを完璧に言い当てられる〝神の舌を持つ天才〟グイドがいた。
祖父母に育てられているグイドは、料理人として自立できれば、家族も安心するだろうと考え「若手料理人コンテスト」へ出場することにした。グイドの祖父母のオンボロ自動車をアルトゥーロが運転し、コンテスト会場トスカーナまでの奇妙な二人旅。3日間に渡るコンテストでグイドは決勝まで進むことができた。しかし、アルトゥーロに料理人としての将来をかけた仕事が急に舞い込み、決勝戦ではグイドのもとを離れることになってしまった。果たしてグイドは優勝できるのか。想像力と創造性溢れるイタリア料理の魅力が描かれる
アルトゥーロを演じるのは、凄惨な自爆テロから生還した男の実話『イラクの煙』(10)で「ヴェネチア国際映画祭イタリア映画記者賞」やイタリアのアカデミー賞「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」ほか多くの主演男優賞に輝いたヴィニーチョ・マルキオーニ。口にした料理の材料と調味料をすべて言い当てることができる「絶対味覚」の持ち主グイドを熱演したのは若手注目株ルイジ・フェデーレ。純朴なキャラクターの喜怒哀楽を巧みに表現し、本作で「国立イタリア映画記者連盟賞」を受賞。この二人を見守る女性心理学者アンナは、イタリアでスマッシュヒットを記録しシリーズ化された『いつだってやめられる10人の怒れる教授たち』のヴァレリア・ソラリーノ。それぞれ、人間味あふれるナチュラルな演技が芳醇なスパイスとなって、観客の心を感動で満たしていく。

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©2018 VERDEORO NOTORIOUS PICTURES TC FILMES GULLANE ENTRETENIMENTO

公式HP
2018/イタリア語/イタリア/92分/5.1chデジタル/カラー
配給:ハーク  

最初はほとんど説明もなく、すぐ自立支援施設が舞台になってしまったので、この主人公シェフ、アルトゥーロの、それまでの仕事ぶりがよくわからなかったけど、怒りっぽい男というのはよくわかった。いやいやながら「サン・ドナート園」でアスペルガー症候群の若者たちに料理を教えていたけど、なりゆきでトスカーナで行われる料理にコンテスト行くはめになってしまい、思いっきりめんどくさそうな様子だったけど、徐々に考えが変わり、自分のステップアップの仕事をほおり投げて、生徒たちとレストランを開くという最後の展開は、けっこう感動ものだった(暁)。




posted by akemi at 09:29| Comment(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする