2019年09月30日

チャルカ~未来を紡ぐ糸車~

映像女性学の会から案内をいただきました 

映像女性学の会 第43回女性監督作品上映会
          
島田 恵監督 「チャルカ~未来を紡ぐ糸車~」

2019年10月5日(土)18:30~20:30
場所 渋谷男女平等・ダイバーシティセンター 地図
(渋谷区文化総合センター大和田8F)
参加費無料 カンパ歓迎   
先着30名 事前予約の必要はありません。
ゲストトーク 島田 恵さん(上映作品監督)

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■上映作品
『チャルカ~未来を紡ぐ糸車~』   2016年/90分/監督:島田恵
 チャルカとは、インドの手紡ぎ糸車のことです。インド独立の父、ガンジーはイギリスの支配から自立するために、自国の綿花を自分たちで紡ぎ、手織りした布(ガディ)を作ろうと提唱しました。チャルカは独立運動のシンボルです。東日本大震災は本当に大切なものは何かを私たちに問いかけ、福島原発事故は経済優先社会が行き着いた惨状をみせつけました。
 本作品は、高レベル放射性廃棄物の地層処分研究施設のある北海道幌延町の隣町で酪農を営む久世薫嗣(しげつぐ)さん一家の生き方を軸に、もう一つの研究施設がある岐阜県東濃地域、そして世界で初めて地下処分施設が建設中のフィンランド、原子力大国フランスの処分計画地に生きる人々、抵抗する人々を描いています。
 人類が直面するこの問題から私たちが学ぶべきこととはいったい何なのでしょうか。映画は私たち一人一人の生き方と選択を問いかけています。

■監督プロフィール:島田 恵 1959年東京生まれ。写真家・ドキュメンタリー映画監督。1986年のチェルノブイリ原発事故後、核燃問題で揺れる。六ケ所村を初めて訪ね衝撃を受け撮影を開始する。1990年~2002年まで同村に在住。写真集『六ケ所村 核燃基地のある村と人々』(高文研)で第7回平和・協同ジャーナリスト基金賞を受賞。同名の全国横断写真展を行う。3.11後に制作した映画『福島 六ケ所 未来への伝言』は「2014年キネマ旬報文化映画部門」第7位となる。現在、核のボミをテーマにした第2作目『チャルカ~未来を紡ぐ糸車~』を全国で上映中。
主催 映像女性学の会   
お問い合わせは小野まで ℡090-9008-1316 mail:ycinef@yahoo.co.jp
 
チャルカ~未来を紡ぐ糸車2.jpg

なおシネマジャーナルでは、『福島 六ヶ所 未来への伝言』で 島田恵監督にインタビューしています。
シネマジャーナルHP
『福島 六ヶ所 未来への伝言』 島田恵監督インタビュー記事
posted by akemi at 05:21| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月29日

エンテベ空港の7日間   原題:7 Days in Entebbe

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監督: ジョゼ・パジーリャ
出演: ダニエル・ブリュール、ロザムンド・パイク、エディ・マーサン、リオル・アシュケナージ、ベン・シュネッツァー、ドゥニ・メノーシェ

1976年6月27日、テルアビブから約240名の乗客を乗せパリへ向かうエールフランス機が、4人のハイジャック犯に乗っ取られる。ハイジャック犯のうち二人は、パレスチナ解放人民戦線のパレスチナ人。あとの男女二人は、革命を志すドイツ左翼急進派メンバー。
ハイジャック機は、悪名高き独裁者イディ・アミン大統領のいるウガンダのエンテベ空港に着陸させられる。乗客たちは空港の旧ターミナルで武装犯の監視下に置かれる。犯人たちの要求は500万ドルと、世界各地に収監されている50人以上の親パレスチナ過激派の解放。
ハイジャック犯と交渉の道を探るイスラエル首相イツハク・ラビンと、交渉せず秘密裏に軍事的解決をすべきと進言する国防大臣シモン・ペレス。
3日目、人質がイスラエル人と非イスラエル人に分けられ、イスラエル人を一部屋に集め、爆発物で取り囲む。ますます窮地に立たされるイスラエル政府。ハイジャック犯に交渉すると歩み寄ったところで、ついに7日目、エンテベ空港奇襲作戦(別名:サンダーボルト作戦)を実行する・・・

46年前に実際に起こったハイジャック事件。
当事者のエールフランス機の乗務員や乗客、ハイジャック犯と対峙するイスラエル政府、そしてハイジャック犯。それぞれの目線で日を追って事件が語られる。
映画の冒頭で、事件の半年前にパレスチナ解放人民戦線(PFLP)とドイツ左翼急進派メンバーが出会うところが描かれる。なぜハイジャック事件を起こすのかの動機を示す大事な部分だ。 それには、イスラエル建国に至った歴史にも触れないといけないところだが、そこは周知の事実として描いていないのだろう。今なお絶えないテロの起こる原因を、この映画を通じて再び考えてほしい。
現在公開中の『プライベート・ウォー』で、勇気ある戦場カメラマンを演じているロザムンド・パイクが、本作ではドイツ左翼急進派の闘士を演じている。どちらも強い女。素敵だ。(咲)


このハイジャック事件はこれまで「エンテベの勝利」「特攻サンダーボルト作戦」「サンダーボルト救出作戦」と3度映画化されてきた。どれもイスラエル政府の視点から描かれていたが、本作では4人のハイジャック犯のうち、革命を志すドイツ左翼急進派メンバーの男女、人質、イスラエル軍の兵士の視点も加えられ、多角的に捉えた。
ドイツ左翼急進派メンバーはパレスチナ解放人民戦線のパレスチナ人とは違い、次第にハイジャックが正しい方法だったのかと苦悩し始める。しかし、男は参加したことを後悔し、女はここまできたからにはやるしかないと腹をくくる。この向き合い方の違いに、(本来は男だから、女だからと決めつけてはいけないのだが)「そうそう男っていざとなるとダメなのよね」と思わず納得してしまう。
またイスラエルの兵士と恋人の会話からは、政府の望むことと末端の兵士の望んでいることの違いが浮き彫りになる。恋人は群舞に参加するダンサーなのだが、その群舞はちょっと不気味で、不安を煽るような狂気さえ感じた。これがハイジャック事件の合間に挟み込まれ、人質たちの不安と同期する。巧みな演出だ。特に最後の制圧場面はどきどきする気持ちが最高潮に達するだろう。(堀)


2018年/イギリス・アメリカ/107分/G
配給:キノフィルムズ
公式サイト:http://entebbe.jp/
★2019年10月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開



posted by sakiko at 09:49| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月28日

ホームステイ ボクと僕の100日間(原題:Homestay)

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監督・脚本:パークプム・ウォンプム
原作:森絵都「カラフル」
出演:ティーラドン・スパパンピンヨー(ミン)、チャープラン・アーリークン(パイ)

ボクは死んだはずだった。けれども「当選しました!」という天使の声で目がさめる。生前の記憶が何もないまま、ボクは自殺した高校生ミンの身体にホームステイすることになった。ミンは蘇ったわけだ。しかし、ことは簡単じゃない。100日の間にミンの自殺の原因をさぐりださないとボクの魂は輪廻の輪の中に入れず、永遠に消滅する。いろいろな姿で現れても肝心なことは教えてくれない天使に助けられ、ボクはミンの人生を生き始めた。頭が良くて可愛い女子高生パイと出会って、すっかり舞い上がるボク。楽しい時間は刻々と過ぎていき、ミンの死の手掛かりになりそうなものはまだ見つからない。

『カラフル』は2000年に中原俊監督で実写版が、2010年にはアニメーションが製作されています。原作はタイでも翻訳出版されて人気だったそうですが、映画化の話が出てから実際に制作が始まるまでずいぶんとかかったようです。現在のタイの高校生のストーリーに脚色、良い俳優を得て本家の日本でも公開されることになりました。
お国柄なのか、色彩や登場人物の感情が日本版より濃くて、豊かな感じがします。家庭が抱える事情や痛みは共通で、辛いものがありますが。
主人公のミンを演じるのはティーラドン・スパパンピンヨーは『バッド・ジーニアス』でカンニングで一儲けをたくらんだ金持ちのボンボン役でした。パイはタイのBNK48のキャプテン、チャープラン・アーリークン。トップアイドルですが、これが初の映画出演。ミンと恋に落ちる女子高生を初々しく元気いっぱいに演じています。圧巻はミン渾身の〇が広がるラスト。(白)


2018年/タイ/カラー/シネスコ/136分
配給:ツイン
(c)2018 GDH 559 CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED
http://homestay-movie.com/
★2019年10月5日(土)より新宿武蔵野館館ほかにて全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 20:23| Comment(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

向こうの家

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監督・原案:西川達郎
脚本:川原杏奈
撮影:袮津尚輝
照明:小海祈
美術:古屋ひなこ
音楽:大橋征人
出演:望月歩、大谷麻衣、生津徹、でんでん、南久松真奈、円井わん、植田まひる、小日向星一

自分の家庭は幸せだ、と思っていた高校二年生の森田萩(望月歩)。しかし父親の芳郎(生津徹)にはもう一つの家があった。「萩に手伝ってもらわなきゃいけないことがある」芳郎の頼みで、萩は父親が不倫相手の向井瞳子(大谷麻衣)と別れるのを手伝うことに。自分の家と瞳子さんの家、二つの家を行き来するようになった萩は段々と大人の事情に気づいていく……。

別宅に住む愛人と別れたいから追い出してくれと息子は父から頼まれる。そこで経験するのは自宅とは違う雰囲気、手をかけた料理と会話。愛人に対する息子の心象が変わっていくように、見る側も倫理と感情で判断に迷う。否が応でもなく向き合わされた大人の世界を見ることで息子も自分と向き合うことに。価値観の多様性を知ることは大人への大きな一歩なのかもしれない。
それにしても、後ろめたい存在を仄めかすタイトルの絶妙さには唸った。(堀)


高校生の息子にそんなことを頼むお父さん、愛人を囲う甲斐性があるとは思えません。優しそうで、もてそうではあるのですが。
4人家族が暮らす家は手狭で、食卓はリビングの低いテーブルで兼用です。良き妻であろうと頑張るまじめな母親は、勢い余って空回り気味。瞳子の住むのは高台の日本家屋、勤めに出ている様子もなく、女を磨き、手をかけた料理を作る余裕があります。大谷麻衣さんは『娼年』で松坂桃李さんと激しい濡れ場を演じた人、そりゃもう色っぽくてお父さんデレデレです。本当に別れたいのか?いや、家賃や生活費が重荷になってきただけじゃないの、と主婦目線の私は勘繰りたくなります。
高校2年生にしては幼い感じの萩は、向こうの家とこっちの家を行ったり来たりしているうちにちょっとだけ大人になりました。二つの家の差、父親が全く違う顔を見せるところ、ドロドロにできるネタではありますが、萩中心に描かれるのであっさりめに進みます。
7月のスタッフ日記に試写を見た時のことが書いてありました。
西川達郎監督、大谷麻衣さん、生津徹さんがいらしていました。こちらです。(白)


2018年/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/DCP/82 分
©︎ mukonoie.com All rights reserved.
公式サイト:https://mukonoie.com/
★2019年10 月 5 日(土)より 渋谷シアター・イメージフォーラムほかロードショー
posted by ほりきみき at 19:28| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒキタさん! ご懐妊ですよ

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脚本・監督: 細川徹
原作:ヒキタクニオ『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(光文社刊) 
撮影:大内泰
照明:宗賢次郎
美術:遠藤善人
音楽:大間々昂
出演:松重豊、北川景子、山中崇、濱田岳、伊東四朗

ヒキタクニオ、49歳。職業は人気作家。サウナとビールが大好きで、ジム通いのおかげでいたって健康体。一回り以上年が離れた妻・サチと仲良く暮らしている。年の差婚のふたりは、子どもは作らず、気ままに楽しい夫婦生活を送るつもりでいたが、ある日の妻の突然の一言ですべてが変わった。「ヒキタさんの子どもに会いたい」サチの熱意に引っ張られる形で、妊活へ足を踏み出すことになったヒキタ。だが、彼は知らなかった。まだまだ若くて健康だと自負していたが、相反して、彼の精子が老化現象を起こしていたことを……。

子どもを産む。簡単なことのようで意外と難しい。迷信と笑い飛ばしていたことにもすがってしまう。妻、夫それぞれの思いと気遣いが交錯する。そこに実家まで絡んでくるから悩ましい。男性である原作者の視点から描いた妊活に勇気をもらう人も多いだろう。
妻役に北川景子。気の強い妻かと思いきや、夫の子どもを望み、精神的負担の辛さを隠してがんばる妻を静かに熱演。これまでのイメージを覆す。(堀)


2019年/日本/カラー/シネスコ/G /102分
配給:東急レクリエーション
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
公式サイト:https://hikitasan-gokainin.com/
★2019年10 月 4 日(金)全国ロードショー
posted by ほりきみき at 19:27| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする