2019年08月18日

お百姓さんになりたい

2019年8月24日(土)より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開
劇場情報 https://kiroku-bito.com/ohyakusho-san/#theater

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©mio kakiuchi

監督・撮影・編集:原村政樹
語り:小林綾子
音楽:鈴木光男
映像技術:荒山和之、浅野北斗
整音:丸山 晃、堀口 誠
ポスプロマネージャー:原田 修
収録スタジオ:(株)モイ
宣伝スチール:柿内未央
宣伝イラスト:ミキサキコ
宣伝美術:森泉宏

後援:埼玉県三芳町、農福連携自然栽培パーティー全国協議会、木更津社会館保育園
配給:きろくびと
2019年/日本/カラー/104分
公式HP https://kiroku-bito.com/ohyakusho-san/

「生きるために食べ物をつくる」いちばんシンプルな仕事

「農」を通し、心豊かに暮らすため、自然栽培を通して農業実践をし、生きるために食べ物をつくるいちばんシンプルな仕事「農業」を提示する明石農園の春夏秋冬。
『いのち耕す人々』『天に栄える村』など、農業をテーマにした作品を長年手がけてきた原村政樹監督が、前作『武蔵野 江戸の循環農業が息づく』に続き、埼玉県三芳町の明石農園の営みを丁寧に追った。
2.8ヘクタールの畑で60種類もの野菜を育てている明石農園。明石誠一さんは28歳の時に東京から移り住み新規就農した。有機農法からスタートして、10年前からは農薬や除草剤、肥料さえも使わない「自然栽培」に取り組んでいる。自然栽培とは、自然の持つ力を最大限に生かし、野菜同士が互いを育てる肥やしになり、雑草は3年を経て有機物に富んだ堆肥になる無肥料の農業を実践している。収穫後は種を自家採取して、固定種の栽培を続け命をつなぐ。
今では研修生を募り、様々な経歴を持つ人々が農業研修をしている。また、農業福祉連携にも取り組み、障害を持つ人たちもそれぞれのペースで働く。「都会の子に土に触れてほしい」と、農業体験イベントも開催し、子供たちも参加している。若者から年配の人、傷害を持つ人も、農作業で土に触れ、土が繋ぐ「いのちの営み」を感じ、競争社会から共生社会へと、
心豊かに暮らすためのヒントが描かれる。そして大事なことは野菜も人も不揃いが自然ということ。

原村監督は「農」に関する作品をたくさん生み出してきた。これまでは、山形だったり、福島だったりと、地方の農業を見据えた作品が多かったけど、前作 『武蔵野 江戸の循環農業が息づく』で、自身が暮らす地元の農業に目を向けるようになったという。「命を紡ぐ農業」の大事さに気がつく人々が増えていったらという思いで、作品を作り続けているのでしょう。この作品では、農業を目指す人たちが出てくる。いろいろ試行錯誤しながら、失敗をしながらも農業を続ける楽しさが伝わってくる。
原村監督にインタビューもしましたので、後ほど掲載します(暁)。


アフタートークイベント日程
8/24(土):初日舞台挨拶
原村政樹(本作監督)
小林綾子(女優/本作語り)
鈴木光男(本作音楽)
8/25(日)
 明石誠一(明石農園代表/本作出演)
原村政樹(本作監督)
8/26(月)
 纐纈美千世(日本消費者連盟事務局長)
8/27(火)
 明石誠一(明石農園代表/本作出演)
温野まき(季刊書籍「自然栽培」元編集長/時雨出版代表)
8/28(水)
 関野幸生(関野農園代表/nico会長)
8/29(木)
 池田明子(フィトセラピスト[植物療法士])
8/30(金)
 明石誠一(明石農園代表/本作出演)
中村明珍(僧侶/農家/銀杏BOYZ元ギタリスト)
8/31(土):ライブ音声ガイド付き上映
関根健一(Gee Design代表/本作出演
posted by akemi at 21:31| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ディリリとパリの時間旅行(原題:Dilili a Paris)

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監督・脚本:ミッシェル・オスロ
音楽:ガブリエル・ヤーレ
声の出演:プリュネル・シャルル=アンブロン、エンゾ・ラツィト、ナタリー・デセイ

ベル・エポック、黄金時代のパリ。ニューカレドニアから一人でやって来たディリリは、好奇心旺盛な女の子。初めてのパリに目を丸くする。パリは自分の庭という配達人の青年オレルと友だちになり、さまざまな人々と出会っていく。そのころ少女たちばかりを狙った誘拐事件が続いており、犯人は今もつかまっていない。ディリリは少女たちを助けようと、オレルと一緒に事件解決へと乗り出すが。

『キリクと魔女』『アズールとアスマール』のミッシェル・オスロ監督の最新作アニメーション。第44回セザール賞で最優秀アニメ作品賞を受賞。美しいパリの街は監督が撮りためてきた写真をもとにしたもの。こまやかに描かれた広場や劇場や街を背景に、当時のファッションのパリジェンヌたちが闊歩しています。顔の広いオレルがディリリに引き合わせた有名人は、ピカソ、マチス、ロートレックにキュリー夫人にオペラ歌手…。今の時代も郵便屋さんと宅配やさんは誰とでも会える…かも。
なにごとにも臆せず、冒険心に富んだディリリに少しだけハラハラさせられますが、女の子だからと制限されたりしません。活躍を応援したくなるはずです。
日本語吹替版はディリリを新津ちせさん、オレルを斎藤工さん。エンドロールでは二人の歌声も聞けます。
ユニセフの動画もご覧ください。(白)


2018年/フランス、ベルギー、ドイツ/カラー/シネスコ/94分
配給:チャイルド・フィルム
(C)2018 NORD-OUEST FILMS - STUDIO O - ARTE FRANCE CINEMA - MARS FILMS - WILD BUNCH - MAC GUFF LIGNE - ARTEMIS PRODUCTIONS - SENATOR FILM PRODUKTION
https://child-film.com/dilili/
★2019年8月24日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開
posted by shiraishi at 19:57| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

聖なる泉の少女  原題:NAMME

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監督・脚本:ザザ・ハルヴァシ
撮影:ギオルギ・シュヴェリゼ
出演:マリスカ・ディアサミゼ、アレコ・アバシゼ、エドナル・ボルクヴァゼ、ラマズ・ボルクヴァゼ、ロイン・スルマニゼ

山あいの村。聖なる泉のまわりに人々が集まっている。意識を失った青年を水で清める若い女性。先祖代々、泉を守ってきた一家。3人の息子は、それぞれジョージア正教の神父、イスラームの聖職者、無神論の科学者となり、老いた父は娘ツィナメ(愛称ナーメ)に一家の使命を託そうとしているのだ。器の中でずっと一匹で生き続けている魚。「もはや我が家の魚でなく村の皆のもの。我々が守らなければ」という父。
だが、ナーメは村を訪れた青年に恋をし、ほかの娘のように自由に生きたいと憧れる・・・

舞台はジョージアの南西部、トルコとの国境を接するアチャラ地方の山深い村。
映画のもとになったのは、この地に口承で伝わってきた物語。監督も祖母から聞かされたという。
「大昔、泉の水で人々の心や体の傷を癒していた娘がいました。いつしか彼女は他の人々のように暮らしたいと願い、自らの力を厭うようになりました。そして、ある日、力の源だった魚を解き放ち、彼女は他の人々と同じ生活に帰っていきました」

ナーメを演じた細面のマリスカ・ディアサミゼが、神秘的な風情で、まさに聖なる少女。最後に残った娘に跡を継がせようという父の悲痛な思いは理解できるが、3人の兄が好きな道を歩んでいるのに、娘にとっては納得がいかないだろう。

キリスト教のジョージア正教が大多数を占める国だが、この地域ではイスラーム教徒も多い。教会の鐘の音と、モスクからの祈りを呼びかける声が響き合う土地柄。
そんなのどかな地に、水力発電所が建設されることになり、不協和音のごとく機械的な音が響いてくる。伝統は途絶え、自然が破壊される、まさに世界の各地で起こっていることを象徴している。だが、そんな異質な場面も吹き飛ぶほど、静寂で味わい深い余韻。(咲)

東京国際映画祭 2017年 コンペティション部門で『泉の少女ナーメ』のタイトルで上映された。

2017年/ジョージア・リトアニア/ジョージア語/91分/カラー
配給:パンドラ
後援:在日ジョージア大使館
公式サイト:http://namme-film.com/
★2019年8月24日(土)岩波ホールにてロードショー、全国順次公開




posted by sakiko at 09:05| Comment(0) | ジョージア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ドッグマン  原題:Dogman

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監督:マッテオ・ガローネ (『ゴモラ』)
出演:マルチェロ・フォンテ、エドアルド・ペッシェ、アダモ・ディオジーニ

海沿いのすさんだ町。犬好きのマルチェロは「ドッグマン」という犬のトリミングサロンを営んでいる。離婚し、娘は妻が引き取ったが、時折一緒に海に潜って親子水入らずの時を過ごすのが楽しみだ。温厚なマルチェロは町の仲間たちとサッカーや食事をして打ち解けている。一方で、小心者で人のいいマルチェロは、皆が嫌う暴力的なシモーネの頼みを断ることができず、盗みの見張りをさせられたり、麻薬を買いに行かされたりしている。
ある日、シモーネから「ドッグマン」の壁に穴をあけて隣の店に盗みに入ることを提案される。隣の店主とも親しくしているマルチェロは「町の人たちが大事。やめろ」と進言するが、とうとう拒みきれず実行する。翌日、警察に連行されたマルチェロは、シモーネの指示だと証言すれば執行猶予にしてやるといわれるが、なぜか拒否してしまう。単独犯として刑務所で1年の服役を追え、町に戻ったマルチェロは仲間から裏切り者として冷たくあしらわれる。シモーネに分け前をよこせと詰め寄るが、逆に痛めつけられてしまう。娘も寄り付かなくなり、希望を失ったマルチェロは驚くべき行動に出る・・・

どんな獰猛な犬も、マルチェロの手にかかればおとなしくなる。そんな力を持った心優しい彼は、無理な頼みを断りきれずに利用されてしまう。娘と一緒に、いつか紅海で潜りたいという夢を叶えてあげたくなった。
人のいい小心者を体現したマルチェロ・フォンテ。複雑な思いがにじみ出たような笑顔が忘れられない。(咲)


2018年度カンヌ国際映画祭主演男優賞他、多数受賞

2018年/イタリア・フランス/イタリア語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/103分/PG12
配給:キノフィルムズ
公式サイト:http://dogman-movie.jp/
★2019年8月23日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開






posted by sakiko at 09:00| Comment(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする