2019年07月13日

チャイルド・プレイ(原題:CHILD’S PLAY) 

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監督:ラース・クレヴバーグ
脚本:タイラー・バートン・スミス
出演:オーブリー・プラザ、ガブリエル・ベイトマン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、マーク・ハミル(声の出演)

最先端テクノロジー企業・カスラン社の期待の新商品、“バディ人形”。引っ越しをして友達がいない少年アンディは、誕生日に音声認識やセンサー付きカメラ、高解像度画像認識などの機能が付いた高性能人形を母親からプレゼントされる。自らを“チャッキー”と名乗る人形だが、実は欠陥品だと判明。的外れな受け答えに最初はあきれるアンディだが、「君が一番の親友だよ」と話すチャッキーに次第に夢中になる。その後、“彼”が豹変することなど知らずに――。

きっかけは言葉にした心の不快感。故意に改悪されたプログラム内蔵のAI人形が本音と建前の使い分けや心のひだが理解できず、額面通りに受け取ってしまい暴走。人々を恐怖に陥れる。家電も連携して襲ってくるので、どこでどう襲われるのかが予測もつかない。さらに情報操作により、精神的苦痛も与える。これまでの作品のように怨念によるものではないので、現実に起こりえるかもという不安が恐怖を煽る。また、AI人形でなくても、想像力に欠け、相手の言葉を悪面通りにしか理解できない人が犯罪を起こすかもしれないと恐怖は留まるところを知らない。かなりグロいシーンもあるので自衛が必要。(堀)

2019年/アメリカ/カラー/90分
配給:東和ピクチャーズ
© 2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved.
CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
公式サイト:https://childsplay.jp
★2019年7月19日(金)全国ロードショー
posted by ほりきみき at 18:48| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

暁闇 

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監督・脚本・編集:阿部はりか
音楽:LOWPOPLTD
出演:中尾有伽、青木柚、越後はる香、若杉凩、加藤才紀子、小泉紗希、新井秀幸、折笠慎也、卯ノ原圭吾、石本径代、芦原健介、水橋研二

何に対しても無気力な少年・コウ(青木柚)、学校が終わると見知らぬ男たちとつかのまの関係を持っているユウカ(中尾有伽)、不器用にすれ違う両親の狭間で行き場のない悲しさを抱えるサキ(越後はる香)。誰とも繋がれない寂しさと疎外感を抱えながら、ふとしたきっかけで音楽を通じて出会いを果たした3人。中学生最後の夏休み、都会の片隅にある廃ビルの屋上に集まっては、足りない何かを埋めるように、届かない何かを求めるように、静かに魂を重ね合わせてゆく――。

MOOSIC LABは2012年から始まった新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクト。企画段階から映画作家とミュージシャンによる映画と音楽の化学反応を映画に反映して制作し、コンペ形式・対バン形式で上映する異色の映画祭である。本作は2018年の長編部門で準グランプリに輝き、韓国・全州映画祭にてインターナショナル・プレミア上映された。また、青木柚が男優賞を受賞している。
家庭に心落ち着ける場がなく、孤独感と閉塞感に押しつぶされそうになる若者3人が音楽を通じて知り合い、時間を共有する。セリフは少ないが、映像で心情を伝える。3人で見に行った花火大会。煌めく花火の美しさに思わす息を呑む。
自分から繋がろうとすることで居場所は見つかるのだ。まず一歩。踏み出していく彼らを見守っていきたい。(堀)


2018年/日本/カラー/57分
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
©2018 Harika Abe/MOOSIC LAB
公式サイト:https://moonlessdawn.com/
★2019年7月20日(土)渋谷ユーロスペース他順次全国公開
posted by ほりきみき at 18:45| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男(原題:The Spy Gone North) 

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監督:ユン・ジョンビン
脚本:クォン・ソンフィ、ユン・ジョンビン
撮影:チェ・チャンミン
音楽:チョ・ヨンウク
出演:ファン・ジョンミン、イ・ソンミン、チョ・ジヌン、チュ・ジフン

1993年、北朝鮮の核開発をめぐって韓半島の危機が高まった。
情報社の出身で国家安全企割部(現在の国家情報院)にスカウトされたパク・ソギョン(ファン・ジョンミン)は“黒金星”(ブラックヴィーナス)というコードネームで北朝鮮の実態を把握するために北の上層部に潜入せよという指令を受ける。
国家安全企割部(通称:安企部(アンギブ)) 海外室長チェ・ハクソン(チョ・ジヌン)と大統領以外には家族すらも彼の実態を知らない中、対北事業化に偽装し、北京駐在 北朝鮮の高位幹部リ・ミョンウン(イ・ソンミン)に近づく黒金星。彼は数年にわたった工作活動の末、リ・ミョンウンの信頼を得て、リを通じて北朝鮮の権力層の信頼を得ることに成功した。
しかし、1997年、韓国の大統領選挙の直前、黒金星は南と北の首脳部の間の隠密な取引を感知する。
祖国のために固い信念で全てをかけて工作活動を遂行していた黒金星は、どうしようもない葛藤に苛まれるのだったが…

韓国人スパイが北朝鮮に潜入するが、大統領選が絡み、立場が危うくなる。展開が早く、政治的な駆け引きも多いので全てを理解するのは難しい。しかし、細かいことがわからなくても大筋はつかめるよう、エンタメ感たっぷりに作られているので問題ない。
作品当時はIT機器などなかった。音声の録音には小型のカセットデッキを使う。テープが反転するときの音で録音に気づかれるのではとハラハラする。カセットテープでの録音経験がない若い世代には、この気持ちが理解できなかっただろう。歳を重ねていることがちょっとうれしくなってしまう。
ところで、作品内で「車やたばこをメイド・イン・ノースコリアにする」という話が出てくる。これは1990年に制定された「南北交流協力に関する法律」によって、北朝鮮産の物品の搬入は「輸入」ではなく「内部交流」とみなし、関税をかけないものとされたことがベースにある。この制度が悪用され、中国産やロシア産のものを北朝鮮産と偽って韓国に持ち込み、関税を逃れていた商社が摘発される事件が起こったのである。このことを知っておくとストーリーがわかりやすいかもしれない。(堀)


韓国のスパイ史上、最も成功した対北工作員として知られる実在の人物をモデルに描いた物語。
国からの「工作員になれ」というひと言で、将校だった身分も、家族も捨てて、事業家として北に潜入する黒金星。3年の時を経て北朝鮮で信頼も得るが、その間に祖国の状況が変わってしまう。そんな悲哀をファン・ジョンミンが体現している。それでも、工作目的で近づいたリ・ミョンウンと心を通わせた一面も見せてくれて、ちょっと嬉しい。
北朝鮮の国家安全保衛部の真面目なエリート課長を演じるチュ・ジフンが、クラブで見よう見真似で踊る場面もなぜだか忘れられない。北朝鮮の人たちも、普通の人たちなのだと思わせてくれる。国家体制で、考え方がちょっと違ってるだけだと。
先日、テレビに黒金星のモデルになった男性が出ていた。敏腕スパイだったとは思えない温厚な方。国家への恨みつらみもあると思うのに、そんなことは口にしない。今は平穏な人生を送られているようだが心中どうなのだろう・・・(咲)


2018年/韓国/カラー/137分
配給:ツイン
ⓒ 2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:http://kosaku-movie.com/
★2019年7月19日(金)シネマート新宿ほか全国ロードショー




posted by ほりきみき at 18:39| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

五億円のじんせい

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監督:文晟豪(ムン・ソンホ) 
脚本:蛭田直美
主題歌:「みらい」ZAO
撮影:田島茂 
照明:山田和弥 
録音:齋藤泰陽 
音楽:谷口尚久
出演:望月歩、山田杏奈、森岡龍、松尾諭、芦那すみれ、吉岡睦雄、兵頭功海、小林ひかり、水澤紳吾、諏訪太朗、江本純子、坂口涼太郎、平田満、西田尚美

幼い頃に、善意の募金の五億円により心臓手術に成功し、命を救われた17歳の少年、高月望来(たかつきみらい)。健康に成長した望来は、五億円にふさわしい自分であろうとして周囲からの期待を引き受け、マスコミに晒されるという、窮屈な青春を送っていた。
ある日、とある出来事をきっかけに、SNSで自殺を宣言したところ、”キヨ丸“という見知らぬアカウントから「死ぬなら五億円返してから死ね」というメッセージが届く。望来は家を飛び出し、五億円の”借金“を返して自由になるための旅に出る。自分を押し殺して生きてきた少年が初めて自分で見つけたやりたいこと、それが「五億円返して死ぬ」ということだった。
計算したところ、高校生でもできる時給1000円のアルバイトをした場合、1日8時間365日働いても五億円が貯まるまでに171年もかかる。漫画喫茶も、ビジネスホテルも、17歳の望来を泊めてくれない。未成年の自分は一人でも何もできない…。はたして望来は五億円を稼ぐことができるのか?そして五億円を手にしたとき、本当に死を選んでしまうのか?

GYAOとアミューズがこれからの時代を担う新たな才能の発掘を目指して、オリジナル映画の企画、出演者、ミュージシャンのオーディションを開催し、オリジナル映画を作り上げるプロジェクト「NEW CINEMA PROJECT」を企画した。そして343本の応募から見事、第1回グランプリに選ばれたのが本作である。
五億円という金額は大きなインパクトを与えるが、監督が描きたかったのは、見知らぬ人を含めた周囲の期待に息苦しさを感じているかもしれない人への励まし。本作のように募金で手術を受けたり、また、多数の人がなくなった事故で奇跡的に助かったりした子には「自分が助けてもらったように、今度は自分が誰かを助けたい」と難関国立大医学部に進学して医者を目指すといったことを勝手に期待してしまう部分があった。この作品を見るまで考えが至らなかったが、それは押し付けに過ぎないと恥ずかしくなる。
主人公を演じたのは映画『ソロモンの偽証』で転落死する中学生・柏木卓也役を演じた望月歩。あの頃の幼さがなくなり、すっきりした面立ちで、すらっと背が高くなっていた。今後が楽しみである。(堀)


冒頭で望来(みらい)くんが語りかけます。人が一生で稼ぐのは約2億円…。そしてほぼ同じだけ消費しているそうです。
え、そんなに?と思いましたか?もちろん日本中の平均値、年収が億単位の人もいれば生活に汲々とする人もあり。それにしても短期間で稼ぐのは無理でしょ。もう人生黄昏時の私は残りの人生全部かけても無理です。望来くんはいったいどうするんだ?とハラハラしつつ見守りました。
さまざまな仕事をする(それは18禁では?!)。
これまで出会うはずもなかった人に出会う(この配役が良い!)。
それぞれから思いや言葉を贈られる(金言!)。
紆余曲折ありながら望来くんは成長したようです(良かった…涙)。

文監督と主演の望月歩さんお二人そろってのインタビューができました。すぐ後の会見にも参加しましたが、Q&Aがかなり被っていました。聞きたいことはみな一緒ですね。
インタビューにはなかった望月歩さんへの「役を演じるにあたって、ためらいや心配は?」という質問に「母がすごく厳しいので、そこを見られることだけがすごく心配でした」と答えて、会場が笑いに包まれました。ついに公開されましたので、お母さまの反応がどうだったか気になります。(白)

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2019年/日本/112分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル 
配給:NEW CINEMA PROJECT
©2019 『五億円のじんせい』NEW CINEMA PROJECT
公式サイト:https://gyao.yahoo.co.jp/special/5oku/
★2019年7月20日(土)全国公開
posted by ほりきみき at 18:04| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする