2019年05月10日
RBG 最強の85才(原題:RBG)
監督・製作:ジュリー・コーエン、ベッツィ・ウエスト
出演:ルース・ベイダー・ギンズバーグ、ビル・クリントン、バラク・オバマ
1933年ニューヨーク、ブルックリンで生まれたルース・ベイダー・ギンズバーグ。弁護士時代から一貫して女性やマイノリティの権利発展に努めてきた彼女は、1993年にビル・クリントン大統領に女性として史上2人目となる最高裁判事に指名される。以降も男子大学の女性排除、男女の賃金差別、投票法の撤廃などに、弁護士時代と変わらぬ視点から、法の下の平等の実現に向けて果敢に切り込んでゆく。若者を中心に絶大な支持を得る「RBG」はいかにして誕生したのか?彼女を良く知る家族、友人、同僚が母として、友人として、働く女性としてのルースの知られざる素顔を語り、彼女を支え続けた夫、マーティンとの愛溢れるエピソードも描かれる、全米大ヒットのドキュメンタリー。
ルース・ベイダー・ギンズバーグは女性やマイノリティへの差別撤廃のために50年近く闘い続けてきた。スクリーンに映し出されるルースの華奢な体のどこのそのエネルギーがあったのかと驚かずにいられない。ルースがジムでダンベルを持ちあげ、腕立て伏せをして健康維持に努める姿を見て、仕事を精力的にこなすには、仕事だけがんばればいいのではないことを知る。生涯現役を目指しているのも納得だ。作品内でRBG語録ともいえる、言葉がいくつも出てくるが、私には「怒るのは時間の無駄」がいちばん心に響いた。これは私にも役立つ気がする。
なお、本作で出てくる裁判は下記の5つ。
・1973年「フロンティエロ対リチャードソン」
・1975年「ワインバーガー対ワイゼンフェルド」
・1996年「アメリカ合衆国対バージニア州」
・2006年「レッドベター対グッドイヤー」
・2013年「シェルビー郡対ホルダー」
より作品を理解するために、予習をしておくといいかもしれません。(堀)
2018年/アメリカ/カラー/英語/98分
配給:ファインフィルムズ
©Cable News Network. All rights reserved.
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/rbg/
★2019年5月10(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほかにてロードショー
チア男子!!
監督:風間太樹
原作:朝井リョウ「チア男子‼」(集英社文庫刊)
脚本:登米裕一
撮影:清川耕史
主題歌:「君の唄(キミノウタ)」阿部真央(PONY CANYON)
出演:横浜流星、中尾暢樹、瀬戸利樹、岩谷翔吾、菅原健、小平大智/浅香航大
道場の長男に生まれ、幼い頃から柔道を続けてきた晴希(横浜流星)。しかし、連戦連勝の姉・晴子(清水くるみ)と比べて自分に才能がないことに悩んでいた。怪我をきっかけに柔道から距離を置いていた晴希に、幼なじみで親友の一馬(中尾暢樹)は「一緒に新しいことを始める」と宣言する。なんと、それは前代未聞の男子チアリーディング部 「BREAKERS」の創設だった―!
2018年大晦日に放送された第69回NHK紅白歌合戦で、「Hey!Say!JUMP」と早稲田大学男子チアリーディングチームSHOCKERSがコラボレーションしたのをご覧になった方がいるかもしれない。きびきびと迫力ある演技が話題になったが、そのSHOCKERSをモデルにして、直木賞作家の朝井リョウが早稲田大学在学中に書き上げた同名小説が原作である。
主演の横浜流星と中尾暢樹を始めとする「BREAKERS」の面々が多忙なスケジュールの合間を縫って3カ月間の特訓を耐え、リアルなチアリーディングに挑んだという。できなかった技が1つ1つできていくときの喜びの顔はきっと本心に違いない。前半はイケイケな空気で明るく盛り上がる。一方、後半はメンバーそれぞれの内面をクローズアップ。技術的にもワンランク上のものを目指すため、身体的にも精神的にも行き詰まりを迎えたのが伝わってくる。これもリアルな葛藤なのかもしれない。人を魅了する大技は互いの信頼関係があってこそ。ばらばらになっていた7名がもう一度向かい合い、心を1つにしていくさまは、8番目のメンバーになったかのように応援してしまう。クライマックスのチアは監督が全国のチアリーディング映像を徹底的に研究し、俳優本人たちが吹き替えなしでチャレンジした。必見である。(堀)
2019年/日本/118分
配給:バンダイナムコアーツ/ポニーキャニオン
(C) 朝井リョウ/集英社・LET'S GO BREAKERS PROJECT
公式サイト:http://letsgobreakers7.com/
★2019年5月10日(金) 全国ロードショー