2019年04月06日
12か月の未来図 原題:Les grands esprits 英題:The Teacher
監督・脚本:オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル
出演:ドゥニ・ポダリデス、レア・ドリュッケール
パリ。フランス最難関の名門アンリ4世高校の国語教師フランソワ・フーコー(ドゥニ・ポダリデス)。国民的作家である父の新刊サイン会の場で、美人がいるのを意識しながら、教育改革論を熱く語る。パリ郊外の問題校の生徒たちの学力を上げるには、ベテラン教師を派遣して新米教師を支援するのが解決策だと。彼が気に留めていた美人は、実は国民教育省で教育困難校を担当している女性だった。フランソワは、国民教育省からパリ郊外のバルバラ中学校で1年間教鞭をとってほしいと依頼される。断るわけにもいかず、しぶしぶ荒れ果てた場所にある学校に赴く。そこでは、貧困層や移民の子どもたちが学んでいて、フランス語がおぼつかない生徒もいた・・・
身から出た錆で、自身が教育困難校に派遣される羽目になったエリート教師フランソワ。勉強する気のない生徒たちに、問題児は退学させればいいという教師たち。途方に暮れる中、フランソワは生徒たちに「レ・ミゼラブル」を全編読ませたいと思い立ちます。もちろん、すんなりと子どもたちが学ぶ気になるはずもなく、問題山積み。それでも、徐々に勉強に興味を持ち始めます。
思春期の子どもたちにとって、資質の良い教師がいかに必要かを感じさせてくれます。
私自身、小学校から大学までの間に出会えた数名の先生が、今の私を作ってくれたと確信しています。
家庭環境や子ども自身に問題があっても、教師次第で解決できることを、本作は教えてくれます。そして、良き教師を育てるのは?? (咲)
2017年/フランス/107分/シネマスコープ/カラー
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:http://12months-miraizu.com/
★2019年4月6日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー!
ザ・プレイス 運命の交差点(原題:The Place)
監督・原案・脚本:パオロ・ジェノベーゼ
出演:バレリオ・マスタンドレア(謎の男)
サブリナ・フェリッリ(アンジェラ)
ジュリア・ラッツァリーニ(マルチェラ婦人)
アルバ・ロルバケル修道女(キアラ)ほか
ローマにある「The Place」というカフェの隅に一日中座り続けている男がいた。その男のもとに様々な人間がやってくる。どんな希望も叶うと伝え聞いてくるのだったが、男は途方もない課題を出す。やり遂げれば必ず望みは叶う。実行するしないは自由だと。逡巡しながら望みと課題を天秤にかける老若男女。カフェで一人働くアンジェラはそんな男のようすをじっと見ていた。
アメリカのテレビドラマ「The Booth at the End」(2011)のリメイク作品。邦題は「The Booth 欲望を喰う男」だったそうです。予告編では「アルツハイマーの夫を救いたい老婦人」に、「爆弾をしかけろ」と言う場面が出ています。多くの人を犠牲にして夫を助ける?夫を愛する老婦人は困惑します。
9人の男女の望みにつっこみを入れつつ、謎の男の出す理不尽といえる課題を聞くたび、自分ならどうする?と考えます。男は天使か、それとも悪魔なのでしょうか?びっしりと文字で埋め尽くされているあのぶ厚いノートには何が書かれているのでしょう?イタリア語のわかるかた、読めたら教えてください~。
ポイントは、男が命令していないこと。交換条件を示すだけです。実行すれば自動的に叶うので(しくみは不明ですが)嘘をついても駄目です。配されているキャストの説得力ある演技に引き込まれ、結果が気になって目が離せません。自分さえよければ他人はどうなってもいい、というニュースで溢れている現実のほうが怖いかもしれませんよ。(白)
2017年/イタリア/カラー/シネスコ/101分
配給:ミモザフィルムズ
(C)2017 Medusa Film SpA.
http://theplace-movie.com/
★2019年4月5日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
ラ
監督・脚本:高橋朋広
音楽:クボナオキ
出演:桜田通(岡浜慎平)、福田麻由子(加瀬ゆかり)、笠松将(黒須彰太)、西田尚美(岡浜美樹)、ダンカン(タクシー運転手)、佐津川愛美(小峰奈央)、清水尚弥(ダビデ)、キンタカオ(岡浜誠司)
1年前、慎平と親友の黒やんのバンド「LACTIC ACID」は解散した。慎平はそのころからのファンだったゆかりと暮らしている。ゆかりから借金をするたび、慎平の心は重くなる。黒やんに「もう一度音楽がやりたい」と打ち明けるが、その代わり仕事を手伝ってくれと頼まれる。背広を新調し、半信半疑で同行した慎平はとんでもない事件に巻き込まれてしまった。
ボーカルの慎平役は、実際にメジャーデビューを果たしている桜田通。青春音楽もの、と見ていたらあれあれというまに事件が起きる。というより起こしてしまう。
親友との友情を取り戻したいが相手が変わってしまっていたら?
お財布代わりに軽く考えていた彼女が真剣だったら?
現実に目をつぶって夢ばかり見る慎一、甘く見ていた現実から痛い目に遭います。子供のためを考えてのことばでも、なかなか届かないものなのね、と我が身も反省しつつ見ました。要所要所をベテランが押さえています。ダンカンさんとってもいい役どころ。
ぎりぎり踏み外さず一回り二回り大人になるのに安心。いやはや甘いな私も。ま、いいか。
「ラ」は赤ちゃんが生まれるときの産声、オーケストラのチューニング音・・・始まりは「ラ」。もう一度始めたい人はまず「ラ」の音出してみて。(白)
2018年/日本/カラー/シネスコ/120分
配給:アークエンタテインメント
(C)2018年 映画「ラ」製作委員会
http://movie-la.com/
https://twitter.com/la_movie_
★2019年4月5日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
映画 きかんしゃトーマスGo!Go! 地球まるごとアドベンチャー (原題:Thomas & Friends: Big World! Big Adventures! The Movie)
監督:デビッド・ストーテン
脚本:アンドリュー・ブレナー
日本語吹き替え:比嘉久美子(トーマス)、田中完(トップハム・ハット卿)、青山吉能(ニア)、ISSA(エース)
同じ繰り返しの毎日に退屈していた機関車トーマス、ある日とびきり元気でかっこいいレーシングカーのエースと出会った。世界一周ラリーに参加するというエースがうらやましくてならない。トップハム・ハット卿に自分もいけるか聞いてみたトーマスは、局長のトップハム・ハット卿の返事を都合よく解釈して、仕事を放り出して船に乗ってしまった。アフリカのケニアに到着したトーマスは、陽気な女の子の機関車ニアと友達になった。世界一周をするというトーマスにニアも一緒に行きたいという。
お子様向けアニメーションと侮ってはいけません。タイトルのとおり地球をまるごと舞台にして、トーマスが大冒険、本当に大切なもの、友情や自分の居場所を見つけていくお話です。
初めてソドー島を飛び出したトーマスは、ブラジル、アメリカ、中国・・・行った先々でそこで働く機関車たちに出会います。それぞれが個性的で、お国柄が出ていました。多様性を認め、相手の気持ちを考えること(そんたくとは違う)、お子様と一緒に行く大人の心にも響くはずです。エースの声をISSAさん(DA PUMP)があてているのも話題になりました。(白)
2018年/イギリス/カラー/シネスコ/86分
配給:東京テアトル
(C)2018 Gullane(Thomas)Limited.
https://movie2019.thomasandfriends.jp/
★2019年4月5日(金)ロードショー
Be With You いま、会いにゆきます
監督・脚本:イ・ジャンフン
原作:市川拓司
出演:ソ・ジソブ(ウジン)、ソン・イェジン(スア)、キム・ジファン(ジホ)、コ・チャンソク(ホング)
ウジンの愛妻スアは病を得て、息子のジホと自分を残し一人旅立ってしまった。雨の日に帰ってくるという不思議は言葉を残して。ジホは毎日雨が降るのを待っている。
ある日ほんとうにスアが戻ってきた。ただし自分の名前も家族のことも何も覚えていなかった。ジホは大喜びで片時も離れない。ウジンはスアにふたりの馴れ初めからひとつずつ説明していく。
オリジナルはもう15年前ですが、泣かせるストーリーはよく覚えています。先がわかっていてもまた泣きました。大きな身体で不器用そうにご飯を作るウジンに、もう一度恋するウジンとスアにきゅんとするはず。ジソブくんがお父さん、哀しいヒロインが似合うソン・イェジンも小学生のお母さん役です。息子ジホのキム・ジファンは新人だそうです。なんと屈託なく自然な演技ができる子なんでしょ!
また原作に魅せられて映画化を実現させたイ・ジャンフン監督もデビュー作。原作の市川拓司さんは自分と、お母さんと奥さんがモデルです、と。
愛する人と限られた時間しか一緒にいられないとき、何ができるでしょう?
別れの辛さだけではない、愛情が溶けこんだ暖かい涙が流れるはずです。
オリジナル『いま、会いにゆきます』は2004年の作品でした。竹内結子さん、中村獅童さんの共演で、これをきっかけにお二人翌年結婚したのでした(3年後離婚してそれぞれ再婚しています)。このリメイクのお二人、プライベートのニュースはないんでしょうか?(白)
2018年/韓国/カラー/シネスコ/131分
配給:クロックワークス
(C)2018 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
http://klockworx-asia.com/be-with-you/
★2019年4月5日(金)ロードショー
4月7日(日) イ・ジャンフン監督がサプライズ来日決定!
原作者・市川拓司氏と映画公開記念トークショー付き舞台挨拶?!
場所:シネマート新宿
日時:4月7日(日)11:20の回終了後
料金:通常料金(全国共通特別鑑賞券使用可)
※全国共通特別鑑賞券、お持ちのお客様は窓口までお越し下さいませ。