2019年03月01日

サッドヒルを掘り返せ  英題:Sad Hill Unearthed

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監督・製作・撮影・編集:ギレルモ・デ・オリベイラ
出演:エンニオ・モリコーネ、クリント・イーストウッド、クリストファー・フレイリング、アレックス・デ・ラ・イグレシア、ジェイムズ・ヘットフィールド、ジョー・ダンテ、エウヘニオ・アラビソ、セルジオ・サルヴァティほか

スペイン、マドリードの北方約250キロ、カスティーリャ・イ・レオン州の中心都市ブルゴス郊外のミランディージャ渓谷。1966年、ここにスペイン軍によって、5000基の墓碑が建てられたが、そこには一つの遺体も埋葬されてなかった・・・

実は、ここはマカロニ・ウエスタンの名作『続・夕陽のガンマン』(セルジオ・レオーネ監督/ 1966年)のラスト、エンニオ・モリコーネの曲「黄金のエクスタシー」が流れる中、3人の決闘が繰り広げられたサッドヒル墓地。撮影のために作られた円形の巨大な墓地は、その後、放置され草に埋もれていた。あれから50年近くの時を経て、2014年、地元の4人の男性が「サッドヒル文化連盟」を立ち上げ、墓地の復元に乗り出す。教師、バーテンダー、宝くじ売り、民宿の主人と、職業も違う4人の動きは、瞬く間に『続・夕陽のガンマン』の熱狂的なファンの耳に届き、土日になるとヨーロッパなど各地から自主的に人が集まり、サッドヒルを掘りこした。そうして復元された墓地で、2016年、撮影50周年を記念して、決闘シーンが再現された。

本作は、偶然「サッドヒル文化連盟」の動きを知った監督が、彼らが州政府から許可を貰って掘り始める前から現地で取材。4人のメンバーのほか、主役のクリント・イーストウッド、音楽を担当したエンニオ・モリコーネ、「黄金のエクスタシー」をコンサートの最初に必ず演奏するヘヴィメタル・バンド「メタリカ」のジェイムズ・ヘットフィールドなどにインタビュー。また、撮影に携わった人、地元でエキストラを務めた人などにも当時のことを聞いていて、撮影秘話が満載。中でも、スペイン軍が作った橋は、撮影タイミングを間違えて爆破してしまい、またすぐ作り直したという話に大笑い。(軍がそれだけ暇だったのは平和の証拠!) 
『続・夕陽のガンマン』は、テレビでなんとなく観たくらいの記憶しかない私ですが、2年前の東京国際映画祭で偶然本作を観て、サッドヒルを掘り起こす男たちにすっかり惚れこんだのでした。という次第で、『続・夕陽のガンマン』を観ていなくても、充分に楽しめます。(咲)


『続・夕陽のガンマン』
1966年イタリア・スペイン・西ドイツ合作。セルジオ・レオーネ監督作品。日本での劇場公開時(1967)の題名は『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』。
英語題名は『The Good, the Bad and the Ugly』(「いいヤツ、悪いヤツ、ひどいヤツ」。
韓国映画『グッド・バッド・ウィアード』(キム・ジウン監督/2008年)は、『続・夕陽のガンマン』にインスパイアされて作られたものだったのですね。

(咲)さんと同じく、2年前の映画祭で観ました。この”ロケ地を探し出す”という情熱にいたく共感、香港映画にはまってロケ地を見つけたときの喜びが甦りました。画面の隅に見える看板や建物を当地で確認できたからといって、興味のない人には「それがどうした」なのですが、ファンには嬉しいのです。うふふ。(白)



2017年・第30回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品

2017年/スペイン/英語・スペイン語・イタリア語・フランス語/86分
協力:東京国際映画祭 
提供:東北新社  
配給:ハーク STAR CHANNEL MOVIES
© Zapruder Pictures 2017
公式サイト:http://hark3.com/sadhill/
★2019年3月8日(金)より、シネマカリテほか全国順次ロードショー!
posted by sakiko at 20:30| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

きばいやんせ!私

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監督:武正晴(『百円の恋』) 
脚本:足立紳 山口智之 
原作:足立紳(双葉社刊、著:工藤晋) 
主題歌:花岡なつみ「Restart」 
出演:夏帆、太賀、岡山天音、坂田聡、眼鏡太郎、宇野祥平、鶴見辰吾、徳井優、愛華みれ、榎木孝明、伊吹吾郎

鹿児島県最南端、佐多岬の南大隅町で1300年続く奇祭「御崎祭り」。 
女子アナ児島貴子(夏帆)は、週刊誌に不倫を報じられたことで看板番組のMCを降ろされ、異動先の奇祭を巡る番組で、小学校2年生の時に1年間住んだ南大隅町の祭りを取材することになる。案内役として現れたのは、同級生の橋脇太郎(太賀)。畜産業を営みながら、祭りの実行委員として若者たちを取りまとめている。祭りは、本来、神輿を佐多岬から神社までの20キロを一度も降ろさずに険しい道を運んでいたが、運び手の若者が減り、今ではトラックで運んでいるという。それではテレビで放映するのに画にならないと、「皆さんにとって祭りって何なんですか!」と一喝する貴子。その言葉に激怒する御崎祭り奉賛会の牛牧会長(伊吹吾郎)をとりなし、太郎は祭りの完全復活を誓う・・・

「きばいやんせ」とは、鹿児島弁で「がんばれ」の意味。
ほされた女子アナ貴子が、気の乗らなかった取材を通じて、仕事や人生のあり方に目覚めていく姿を描いていますが、なんといっても主役は、「御崎祭り」そのもの。佐多岬の先端の御崎神社に鎮座する神様が一年に一度、約20キロ離れた近津宮神社に新年の挨拶に行くというお祭り。神輿を一度も降ろしてはならず、険しい山道では、はらはらさせられます。また、神輿を先導する鉾も長さ5.5m、重さ10キロもあり、それを地面すれすれの位置で持って歩むという忍耐を必要とするもの。神輿の日よけ雨よけとなっている傘も優雅ですが、掲げている人はさぞかし大変なことでしょう。お祭りを観に、佐多岬に行ってみたくなりました。御崎祭りは、毎年、2月19日・20日に近い土日に開催されているそうです。
この鹿児島の南端の知られざるお祭りを背景に物語を描いた武正晴監督のお父様は鹿児島出身。脚本の足立紳さんのお母様も鹿児島出身。出演者の中では、町で人々の集まる食堂を営んでいるユリ役の愛華みれさんが、まさにロケ地の南大隅町出身。ちょっととぼけた人の良さそうな町長役の榎木孝明さんも鹿児島出身です。
日本各地に、このように長年受け継がれているお祭りがありますが、少子化の中で、今後も固有の伝統を途切れさせないでほしいものだと思わせられた一作です。(咲)


人は変わる。やる気のない女子アナの主人公もかつてはアナウンサー目指して必死に勉強し、念願叶って東京の放送局で女子アナになった。コジタカというニックネームが全国で知られるほどなのだから、いい仕事をしていたに違いない。不倫が発覚して仕事を干されて投げやりになり、数少ない取材仕事をうわ滑りなレポートで終わらせてしまう。不倫発覚が主人公を負の方向に変えてしまったのだ。しかし、嫌々ながらも仕事で佐多岬の南大隅町に行き、一生懸命に生きる人たちと接するうちに変わっていく。選択肢がないまま父親の仕事を継ぎ、やるしかないと仕事をしていたが、いつの間にか仕事に誇りを持てるようになったと語る畜産農家の青年の言葉は主人公だけでなく、見ている者の胸に響く。きっかけさえあれば人は良くも悪くもなれるとこの作品は教えてくれた。
ところで、作品の後半は佐多岬の南大隅町で1300年続く奇祭「御崎祭り」が行われている様子を映し出すが、御輿の前で鉾を持って先導する大役を太賀と岡山天音が担っていた。この鉾はとても大きく、重そう。役を演じるために、かなり練習したのではないかと推察される。若い二人が必死に鉾を持って歩く姿に役者としての心意気を感じた。(堀)


◆初日舞台挨拶
3月9日(土) 舞台挨拶 12:05~12:35
場所:有楽町スバル座
登壇者(予定):夏帆、太賀、愛華みれ、伊吹吾郎、花岡なつみ(主題歌)、足立紳(脚本) 武正晴(監督) 記事はこちらです。

2018年/日本/カラー/116分/シネマスコープ/5.1ch/DCP/G
©2018「きばいやんせ!私」製作委員会
配給:アイエス・フィールド 
公式サイト:http://kibaiyanse.net/
★2019年3月9日(土)有楽町スバル座ほか全国ロードショー

posted by sakiko at 20:29| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウトヤ島、7月22日(原題:Utoya 22. juli)

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監督:エリック・ポッペ

脚本:シブ・ラジェンドラム・エリアセン、アンナ・バッヘ=ビーク

撮影:マルティン・オッテルベック

出演:アンドレア・バーンツェン(カヤ)、エリ・リアノン・ミュラー・オズボーン(エミリエ)、ジェニ・スベネビク(オーダ)、アレクサンデル・ホルメン(マグヌス)、インゲボルグ・エネス(クリスティーネ)


7月22日、ノルウェーの首都オスロ。近郊のウトヤ島では労働党青年部のキャンプが始まっていた。カヤは妹のエミリエと一緒に参加している。心配する母親に「世界一安全な島」と返し、エミリエの面倒を見ることを約束した。テントにエミリエを残して友人たちと談笑していると、突然銃声が聞こえ、血相を変えた男女が逃げてくる。急いでテントに戻るがエミリエはもういなかった。オスロ市内では爆発があったと知ってますますパニックになる。カヤたちは何が起きているのかわからないまま逃げ出し、散り散りに隠れ場所を探す。警察に電話をするが、島まで救援に来るのには時間がかかる。その間にも銃声と悲鳴が聞こえている。


2011年に本当にあった事件をもとに作られたフィクションです。冒頭は集まってきた若者たちのシーンが続き、彼らの夢や希望が語られます。その後、最初の銃声が聞こえてから72分間ワンカットで、実際にこの事件が収束するまでと同じ時間を映しています。この間、観客はカヤと一緒に逃げ惑い、エミリエを探し、助けてやれなかった子どもの死に泣くことになります。犯人の姿ははっきり見えず、音楽もナレーションもありません。カメラがアップで映し出す表情、息遣い、足音などで緊張感が途切れず、テロ事件を体感させます。映画が終わったときには大きく息をつきました。

犯人はたった一人の極右思想の男。周到な準備をして、オスロ市内で市庁舎を爆破した後、ウトヤ島に移動して無差別銃乱射事件を起こしています。オスロでは8名、ウトヤ島では69名もが亡くなっています。

エリック・ポッペ監督はかつて戦場カメラマンとして活躍した人、ジュリエット・ビノシュが報道写真家を演じた『おやすみなさいを言いたくて』にはご自身の体験が反映されているとか。このウトヤ島事件の切迫した臨場感にも色濃く出ています。(白)

キャンプ場に突然鳴り響く銃声。悲鳴とともに走り込んでくる人々。何が起きたのか。事件? 訓練? 状況がつかめないまま逃げ惑う。緊迫感が半端ない。2011年ノルウェーで起きた連続テロ事件を被害者視点で描く。難を逃れた生存者も忌まわしい記憶に苦しんでいるに違いない。(堀)

2018年/ノルウェー/カラー/シネスコ/97分

配給:東京テアトル

Copyright (C) 2018 Paradox


★2019年3月8日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:09| Comment(0) | 北欧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スパイダーマン スパイダーバース(原題:Spider-Man: Into the Spider-Verse)

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監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
脚本:フィル・ロード、ロドニー・ロスマン
音楽:ダニエル・ペンバートン
声の出演:シャメイク・ムーア(マイルス・モラレス/スパイダーマン)小野賢章
ジェイク・ジョンソン(ピーター・B・パーカー/スパイダーマン)宮野真守
ヘイリー・スタインフェルド(グウェン・ステイシー/スパイダー・グウェン)悠木碧
ニコラス・ケイジ(スパイダーマン・ノワール)大塚明夫
キミコ・グレン(ペニー・パーカー)高橋季依
ジョン・ムレイニー(ハム・パーカー)吉野裕行
リーヴ・シュレイバー(キングピン/ウィルソン・フィクス)玄田哲章
リリー・トムリン(メイ・パーカー)沢海陽子

マイルス・モラレスはニューヨークの名門校に通う13歳。スパイダーマンことピーター・パーカーが亡くなってしまい、すっかり気落ちしている。なぜならマイルスがピーターのあとを継ぐスパイダーマンであるからだ。誰にも打ち明けられず、手に入れた能力を使いこなすこともできない。何者かが時空をゆがめてしまったことで、大事故がおきる。そしてマイルスの前には、死んだはずのピーター・パーカーが現われた。時空が歪んだ衝撃から別の次元のピーターがこの世界にやってきたのだった。薄汚れてやる気のない先輩だったが、頼れるのは彼だけ。ピーターを師匠にマイルスは”新生スパイダーマン”となって戦うことを決意する。

第91回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したニュースがかけめぐったばかり。今年のアカデミー賞は、これまでの受賞が白人に偏っていたのを一気に取り返したかのようでしたね。この主人公マイルスもアフリカ系アメリカ人の父とプエルトリコ人の母とのハーフという設定だそうです。
マイルスはまだ中学生、「大いなる力には大いなる責任が伴う」「運命を受け入れろ」と言われても重すぎるではありませんか。で、今回は一人じゃなくって仲間がいるんですよ!それぞれ違う能力も持っているので、どこで発揮されるのかお楽しみに。スピードがはんぱじゃないので、字幕を読むのが大変です。苦手な方、お子様連れの方々は、日本語吹替え版での鑑賞をおすすめします。私も試写は吹替えで観ました。目がしっかり画面についていけます。(白)


2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/117分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
http://www.spider-verse.jp/

★2019年3月8日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:07| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シンプル・フェイバー(原題:A Simple Favor)

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監督:ポール・フェイグ
原作:ダーシー・ベル
脚本:ジェシカ・シャーザー
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:セオドア・シャピロ
出演:アナ・ケンドリック(ステファニー)、ブレイク・ライブリー(エミリー)、ヘンリー・ゴールディング(ショーン)、リンダ・カーデリニ(ダイアナ)、ジーン・スマート(マーガレット)

ステファニーはニューヨークの郊外で暮らしているシングルマザー。料理や子育てについてのビデオブログを運営し、たびたびアップする動画。息子の学校で、息子の友達のママ、お洒落なエミリーと知り合う。エミリーの夫ショーンは売れない作家で、エミリーはファッション業界で働いている。豪華な邸宅に招かれ、二人は秘密を打ち明けあうほど親密になる。仕事で忙しいエミリーはたびたび子どもの世話を頼んでくる。ステファニーはいつも気軽に引き受けていたが、ある日子どもを預けたままエミリーと連絡がつかなくなった。ショーンは捜索願を出し、息子をひきとっていく。しばらくたってエミリーの情報が入ってくる。

亡くなった夫の保険金を切り崩しながら暮らしているステファニーと、華やかな業界で活躍するエミリー、まったく違う生活の二人が出会って家族ぐるみの付き合いになります。一方的にエミリーに便利に使われているような冒頭、ママ友達の台詞が辛らつです。
ビデオブログで発信しているステファニーは、エミリーの失踪も公開して情報を募ります。今はこんなこともするんですね。ペットの行方探しは日本でも見ますが。
テンションが高くてあけっぴろげなステファニーに対して、自分のことは語らずミステリアスなエミリー。ステファニーの行動がいちいち面白く描かれているのは、監督がコメディお得意の方だからなのでしょうか?
原作はダーシー・ベル著「ささやかな頼み」(早川書房)。ミステリーの伏線もちゃんとあり、ところどころで笑わせながら謎解きもしていきます。二人のファッションにも注目。(白)


2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/117分
配給:ポニーキャニオン
(C)2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
http://simplefavor.jp/
★2019年3月8日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 14:56| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

君の結婚式(原題:On Your Wedding Day)

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監督・脚本:イ・ソックン
出演:パク・ボヨン(スンヒ)、キム・ヨングァン(ウヨン)、カン・ギヨン、コ・ギュピル、チャン・ソンボム

高校3年の夏、ウヨンは同じクラスの転校生スンヒが授業をサボって抜け出すところに出くわす。スンヒに手を貸して塀を乗り越え、一緒に町で買い食いをするウヨン。美人で成績もいいスンヒから目が離せなくなる。一途にスンヒを追い掛け回し、ようやく恋が成就できるかと思ったころ「元気でね」という電話を最後に、スンヒは消えてしまった。
ウヨンは行方を捜し続け、ある日大学の案内書の写真の中に彼女の姿を見つけた。その日から猛勉強を始め、一年遅れて同じ大学に入学を果たす。しかし、再会したスンヒにはすでに彼氏がいた。

ウヨンとスンヒの10年に渡る恋の軌跡。このタイトルがネタバレじゃないの?とも思うのですが、誰にも経験のある切なさや行き違いに共感するはず。『あの頃君を追いかけた』によく似ていますが、そちらより二人にフォーカスしている度合いが強いです。モデル出身でのっぽ(187cm)のキム・ヨングァンと並ぶと小柄に見えるパク・ボヨンは158cm。そう小柄なわけではありませんが、なんだかほほえましいカップルです。制服姿の高校生からアラサーまで演じて違和感なく、「恋愛あるある」を楽しませてくれます。(白)

2018年/韓国/カラー/ビスタ/110分
配給:クロックワークス
(C)filmKCO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
http://klockworx-asia.com/weddingday/
★2019年3月1日(金)シネマート新宿にてロードショー
posted by shiraishi at 08:55| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

移動都市/モータル・エンジン(原題: Mortal Engines)

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監督:クリスチャン・リヴァーズ
原作:フィリップ・リーヴ著 /安野玲 訳「移動都市」(創元SF文庫刊)
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、 ピーター・ジャクソン
製作:ゼイン・ワイナー、アマンダ・ウォーカー、デボラ・フォート、フラン・ウォルシュ、、ピーター・ジャクソン
製作総指揮:フィリッパ・ボウエン、ケン・カミンズ
音楽:トム・ホルケンボルフ
出演:ヘラ・ヒルマー、ロバート・シーアン、 ヒューゴ・ウィーヴィング、ジヘ、ローナン・ラフテリー、レイラ・ジョージ、パトリック・マラハイド、スティーヴン・ラング

世界が滅び、人々は空に、海に、そして地を這う車輪の上に、都市を創った。たった60分で文明を荒廃させた最終戦争後、残された人類は移動型の都市を創り出し、他の小さな都市を駆逐し、捕食しながら生き続けるという新たな道を選択。地上は“都市が都市を喰う”、弱肉強食の世界へと姿を変えた。この荒野は巨大移動都市・ロンドンによって支配されようとしていた。ロンドンは捕食した都市の資源を再利用し、人間を奴隷化することで成長し続ける。小さな都市と人々は、その圧倒的な存在を前に逃げるようにして生きるしかなかった。いつ喰われるかもしれない絶望的な日々の中、その目に激しい怒りを宿した一人の少女が反撃へと動き出す。

『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』三部作を手掛けたピーター・ジャクソンがイギリス人作家フィリップ・リーヴのファンタジー小説「移動都市」を映画化。『キング・コング』(2005年)でオスカー受賞歴を誇る視覚効果アーティスト、クリスチャン・リヴァーズ監督を務めた。
作品冒頭、巨大な城のような戦艦に見える都市が豪快な音を立てて地上を突進し、他の移動する都市を捕食する。言葉の例えではなく、ガチャガチャと音を立てて、本当に取り込んでしまうから驚いた。そして、後半になると物語のステージは地上から空中に変わる。この迫力は大きなスクリーンで見たい。スチームパンクな世界が好きな人にはたまらないだろう。4DXあれば、尚のこと。
そして、物語の世界観は日本のアニメに近いものを感じる。移動する巨大都市は『ハウルの動く城』を彷彿させ、戦争によって世界は崩壊し、『風の谷のナウシカ』状態である。そして、移動都市・ロンドンの目指す先にある静止都市が築いた楯の壁は『進撃の巨人』のよう。それを守る反移動都市同盟の面々が自分の飛行船に乗って、大空を飛び回って戦い続ける姿は松本零士が作り出した「キャプテンハーロック」の志と似ている。原作はイギリスだが、日本人にも共感しやすいのではないだろうか。(堀)

2018年/アメリカ/スコープ・サイズ/ドルビーデジタル/カラー/129分
配給:東宝東和
©Universal Pictures 
公式HP:http://mortal-engines.jp/
★2019年3月1日(金)全国ロードショー
posted by ほりきみき at 00:00| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする