2019年02月28日

福島は語る

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(c)DOI Toshikuni

土井敏邦監督の新作ドキュメンタリー『福島は語る』が3/2(土)から新宿K's cinemaを皮切りに3月に全国で一斉公開されます

監督・撮影・編集:土井敏邦
整音:藤口諒太
朗読・題字:高橋長英
写真:森住卓
挿入歌:「ああ福島」李政美(作詞:武藤類子、作曲:李政美)
宣伝美術:野田雅也

いまを生きるすべての人たちへ分断された私たちが語り継ぐ14のメッセージ

この作品は、長年パレスチナ・イスラエル取材したものをまとめた『沈黙を破る』(2009)、『飯舘村―故郷を追われる村人たちー』(2012)、日本で暮らすミャンマー人難民に関する作品『異国に生きるー日本の中のビルマ人―』(2013)、韓国の「ナヌムの家」に暮らす元慰安婦たちを撮った『“記憶”と生きる』(2015)など数々の作品で評価を受けてきた土井敏邦監督が、4年かけて100人を超える福島の被災者たちを取材した中から選んだ14人の被災者たちの"福島の声"を映像化した証言ドキュメンタリー。
2011年の原発事故から8年が過ぎ、日本は2020年の東京オリンピックに向け浮き足立ち、「福島のことは終わったこと」と片づけようとしているように思えてならないと感じた土井監督は、「福島は終わっていない」と、原発事故によって人生を変えられてしまった10数万人の被災者たちの心の傷は疼き続けていることを、「福島」を忘却しつつある日本社会に届けたいと願い製作された作品。

土井監督はこの作品について下記のように語っています。
「原発事故」によって人生を狂わされ、夢や未来を奪われ、かつての家族や共同体の絆を断ち切られ、“生きる指針”さえ奪われた被災者たちの“生傷”は癒えることなく、8年近くになる今なお、疼き続けています。ただそれは、平穏に戻ったかのような現在の福島の光景からは、なかなか見えてきません。その“生傷”を可視化する唯一の手立ては、被災者たちが語る“言葉”です。この映画は、その“言葉”の映像化を試みた作品です。

突然の地震と福島の原発事故、放射能によって日常生活、仕事、自然と故郷を奪われ、家や、家族、友を失なったり、別々の生活を余儀なくされた人々。それぞれの立場で、自身の悔しさや、怒り、無念さ、悲しみを語る。その表情や言葉から彼らの苦渋が伝わってくる。 
原爆被爆国、原発事故の被曝国でありながら原発をやめようとしない日本。ドイツなど、他の国が日本を見て、原発をやめようとしているのに、政官財界が結びついた「原子力ムラ」という巨大な利権集団が、いつ自分たちの間違いに気づくのか。土井監督の作品を始め、いくつもの福島関連の作品が作り続けられているが、原発をやめる必要があることは自明の理であることに早く気づいてほしい(暁)。

全国での上映日程

新宿K's cinema    3月2日(土)~3月15日(金) 
渋谷ユーロスペース  3月9日(土)~
横浜シネマ・ジャック&ベティ 3月9日(土)~3月22日(金)
フォーラム福島    3月8日(金)〜3月14日(木)
佐賀・シアターシエマ 3月8日(金)〜3月14日(木)
名古屋シネマテーク  3月9日(土)〜3月15日(金)
京都シネマ      3月9日(土)〜3月15日(金)
大阪・第七藝術劇場  3月9日(土)~3月15日(金)
大阪・シアタ―セブン 3月23日(土)~3月29日(金)
アップリンク吉祥寺  3月11日(火)
福岡・KBCシネマ1•2  3月11日(月)、3月14日(木)
広島・横川シネマ   3月15日(金)〜3月21日(木)
札幌・シアターキノ  3月27日(水)
仙台チネ・ラヴィータ 4月5日(金)~4月11日(木)

舞台挨拶などその他詳細は公式サイトをご覧ください。
http://doi-toshikuni.net/j/fukushima/

ウェブサイト:安藤滋夫
後援:城南信用金庫
配給:きろくびと、ピカフィルム
2018年/日本/カラー/170分



posted by akemi at 04:51| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月17日

フォルトゥナの瞳 

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監督:三木孝浩
原作:百田尚樹『フォルトゥナの瞳』(新潮文庫刊)
脚本:坂口理子、三木孝浩
主題歌・挿入歌:「In the Stars(feat, Kiiara)」/ONE OK ROCK (A-Sketch)
出演:神木隆之介、有村架純、志尊 淳、DAIGO、松井愛莉、北村有起哉、斉藤由貴、時任三郎

幼少期に飛行機事故で家族を失った木山慎一郎(神木隆之介)は、友人も恋人もなくただ仕事のみに生きてきた。しかしある日、「死を目前にした人間が透けて見える能力」―フォルトゥナの瞳―を持っていることに気づき、生活が一変してしまう。自分はなぜこんな力を持ってしまったのか―苦悩する日々の中、偶然入った携帯ショップで桐生葵(有村架純)に出会う。明るく、自分に対し夢や自信を与えてくれる彼女に心惹かれていき、初めて孤独だった慎一郎の人生に彩りが生まれる。互いに惹かれ合い幸せな日々を過ごす2人。しかしそれもつかの間、突然、葵の身体が透け始めてしまう。

原作は「永遠の0」、「海賊と呼ばれた男」も映画化された百田尚樹の同名小説。ある日突然不思議な力を持ってしまった青年が、その力に翻弄されながらも愛する人と巡り合い、彼女の“死の運命”に必死に立ち向かおうとする。設定はファンタジーだが、描かれているのは愛する人を守りたいという気持ちである。
主人公の慎一郎を演じるのは神木隆之介。人気子役としてスタートし、その後、『桐島、部活やめるってよ』、実写版『るろうに剣心』の「京都大火編」「伝説の最期編」、『バクマン。』など若手俳優へと確実に成長を遂げた。若干25歳にして20年以上のキャリアを持つのだが、意外にも本格的なラブストーリーは初めてという。三木孝浩監督によって、神木隆之介の男としての新たな魅力が見事に引き出された。
三木孝浩監督作品には必ず登場する野間口徹が今回もあんなところに! 分かりやすいが、ほぼ1シーンなのでお見逃しなく。(堀)


2019年/日本/カラー/110分
配給:東宝
(C) 2019「フォルトゥナの瞳」製作委員会
公式サイト:http://fortuna-movie.com/

★2019年2月15日(金)全国東宝系にてロードショー

posted by ほりきみき at 20:25| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月16日

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

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監督・脚本:大森立嗣(『さよなら渓谷』『日日是好日』)
原作:宮川サトシ著「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」(新潮社刊)
主題歌:「君の歌はワルツ」BEGIN書き下ろし
出演:安田顕、倍賞美津子、松下奈緒、村上淳、石橋蓮司

2012年春。サトシは火葬場で最愛の母の遺骨の中から、小さなひとかけらをそっとポケットにしまう。こんなに早く別れの日が来るなんて・・・。
思えば、明るく元気な母が突然がんを宣告されたのは、2年前の春のことだった。30代半ばを過ぎても、漫画家を志ながら、知人と営む塾の講師をしているサトシをいつも励ましてくれていた母。サトシが中学生の頃に急性白血病に罹った時にも、必死になって守ってくれた母。今度は、サトシが母を励ます番だった。「必ず助かるよ」と声をかけながら、弱気になるサトシを笑顔にしてくれたのは恋人の真里だった。
母が亡くなり、真里との結婚を後押ししてくれていた母の思いに答えて、結婚する。
2012年秋。サトシは念願だった漫画家としてデビューを果たす。新婚の真里と東京に引っ越す。そんなある日、一本の電話がかかってくる。それは、亡き母が遺してくれた驚くべき贈り物だった…

原作は、2013年にWEBサイト「くらげバンチ」で連載がスタートした宮川サトシの自伝エッセイ漫画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」(新潮社刊)。
作者の宮川サトシが、自身の母との最期の日々から葬儀、そして母亡き後の日々の体験をもとに描いた物語。
誰しもが経験する肉親との別れ。遺骨を食べたいほどに、そばに置いておきたい気持ちに、観る者皆がほろっとさせられることでしょう。で、驚かされるのは、母親が息子のことを案じて、そこまで考えていたのかという思いもかけない贈り物。私には子どもがいないけれど、母親というもの、子どものためならどんなこともするものだと感じ入りました。(咲)


2019年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/108分
配給:アスミック・エース
公式サイト:http://bokuiko-movie.asmik-ace.co.jp/
★2019年2月22日(金)全国順次ロードショー





posted by sakiko at 20:45| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月15日

ビール・ストリートの恋人たち(原題:If Beale Street Could Talk)

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監督・脚本:バリー・ジェンキンス
原作:ジェームズ・ボールドウィン
撮影:ジェームズ・ラクストン
音楽:ニコラス・ブリテル
出演:キキ・レイン(ティッシュ・リヴァーズ)、ステファン・ジェームス(ファニー)、レジーナ・キング(シャロン・リヴァーズ)、コールマン・ドミンゴ(ジョーゼフ・リヴァーズ)、テヨナ・パリス(アーネスティン・リヴァーズ)、デイブ・フランコ(レヴィー)、ディエゴ・ルナ(ペドロシート)、エド・スクレイン(ベル巡査長)

1970年代のハーレム。ティッシュとファニーは幼馴染の恋人同士で、早く二人で生活することを夢見て部屋を探していた。ようやく貸してくる家主を見つけたその日、二人は結ばれる。帰り道に寄った店でティッシュが白人の男にセクハラを受け、ファニーは腹を立てる。差別意識丸出しの白人警官がファニーを逮捕しようとしたが、見ていた店主や客たちが抗議する。警官は手を引くことになりファニーに目をつける。しばらく経って強姦事件が起き、被害者の女性が犯人は黒人男性と証言した。ファニーは見に覚えのない濡れぎぬを着せられ、容疑者として逮捕されてしまった。

『ムーンライト』でアカデミー賞作品賞などを受賞したバリー・ジェンキンス監督の新作。ステファン・ジェームスは『栄光のランナー 1936ベルリン』で陸上選手ジェシー・オーエンスを演じていました。また良い作品に出会えて何よりです。ティッシュ役のキキ・レインはこれが映画初出演とか。ティッシュはまるで自分のことのようで、どうしても演じたかったそうです。
若い二人が、理不尽な目に会わされてしまうことに愕然としますが、白人弁護士や彼らを支える家族たちは諦めません。ことに証言をとりたい一心で、遠くまで旅しようとする母親(レジーナ・キングが助演女優賞ノミネート)、旅費を稼ぐ父親たちの愛情に胸があつくなります。ストリートのユダヤ人、マイノリティの人たちの応援もありました。ジェームズ・ボールドウィンの時代から半世紀たちました。今はどれだけよくなったのでしょうか。(白)


原作は、キング牧師と共に公民権運動の旗手としても活躍した黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンが70年代に書いた小説。長年映画化を夢見ていたというバリー・ジェンキンス監督が、理不尽な状況に置かれている恋人たちの物語を味わい深い作品に仕上げています。無実の罪で収監されている男ファニーにとって、恋人ティッシュや、真相を明かそうと奔走する家族や友人たちの存在が、一縷の希望の光。人と人との繋がりの素晴らしさを感じさせてくれます。
一方、白人警官は、いちゃもんをつけて黒人だというだけでファニーを犯人に仕立ててしまいます。権力を持つ者が、自身の主義主張に合わない者を陥れるという構図は、国家レベルでも横行していることに思いが至ります。(咲)



2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/119分
配給:ロングライド
(C)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
http://longride.jp/bealestreet/
★2019年2月22日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 20:51| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所(原題:Saturday Church) 

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監督・脚本:デイモン・カーダシス
撮影:ヒラリー・スペラ
音楽:ネイサン・ラーソン
出演:ルカ・カイン(ユリシーズ)、マーゴット・ビンガム(アマラ)、レジーナ・テイラー(ローズ)、マークイス・ロドリゲス(レイモンド)、MJ・ロドリゲス(エボニー)、インドゥヤ・ムーア(ディジョン)、アリシア・ガルシア(ヘヴン)

高校生のユリシーズは、学校でも家庭でも居場所がない。学校では女っぽいとからかわれ、家には夜勤の多い母親に代わって留守を見る厳しいローズ叔母さんがいる。軍人だった父親が亡くなってから、ユリシーズは母の服や靴を身につけて鏡に映していた。弟や叔母に知られて家を飛び出し、心細い思いをしていたとき、トランスジェンダーの女性たちに出会う。LGBTの人々が集う「土曜の夜の教会」に誘われ、初めて自分と同じような葛藤を抱え、孤独に生きている人々がこんなにもいることを知った。

主な舞台となるのは、デイモン・カーダシス監督のお母さんが司祭をされているセント・ピーターズ教会。もともと、監督が「土曜の夜の教会」でボランティアをしていたことが映画を作るきっかけになったのだそうです。
LGBTの中でも有色人種のトランスジェンダーはアメリカのホームレスの大半を占め、最も声を上げられない人々であること、彼らに必要なのは”希望”を持ち続けることだ、と監督は気づきます。言葉にならない溢れる思いが歌になり、光を目指すダンスになりました。歌詞は監督が書いたものです。
ユリシーズ役のルカ・カインが繊細で美しく、見とれました。ユリシーズを受け入れ、応援するエボニー、ディジョン、ヘヴンは実際にトランスジェンダーの女優たちです。なんだか世の中狭苦しく生き辛くなっているこのごろですが、空想すること、希望を持つことは誰にでもできるんだよ、と背中を押してくれる作品。(白)


トランスジェンダーの人たちに誘われて行った「土曜の夜の教会」で、自分らしく生きることを学んだユリシーズ。ハイヒールを買って隠していたのを、叔母が見つけ、罵倒します。でも、母親は違う。ユリシーズの思いを尊重します。
実は私の友人から、数年前、「娘が息子になっちゃったの」と聞かされました。性同一性障がい。名前も男性らしいものに変え、アメリカにしばらく行った後、帰国して男性として就職。そして、昨年、「息子が結婚したの」と友人。戸惑いながらも、我が子をあるがままに受け入れている姿に、これが母親というものなのだと思いました。
今や社会も変化してきて、LGBTの人たちの存在が認識されて偏見の目でみることも以前より減ってきたのではないかと思います。けれども社会によっては、同性愛というだけで処罰の対象になるところもあるのが現実。人間の尊厳が認められる世の中であってほしいと思います。(咲)


2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/82分
配給:キノフィルムズ
(C)2016 Saturday Church Holding LLC ALL rights reserved.
http://saturday-church.com/
★2019年2月22日(金)新宿ピカデリー他にて全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:49| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする