2026年02月13日
クライム101(英題:Crime 101)
監督・脚本:バート・レイトン
原作:ドン・ウィンズロウ
出演:クリス・ヘムズワース(デーヴィス)、マーク・ラファロ(ルー刑事)、ハル・ベリー(ッシャロン)、バリー・コーガン(オーモン)、モニカ・バルバロ(マヤ)、ニック・ノルティ(マネー)
アメリカ西海岸を走るハイウェイ101号線で、宝石強盗が多発した。共通しているのは宝石は盗まれるが、死傷者が出ることはなく犯罪の痕跡がいっさい残されていないこと。たたきあげのルー刑事は同一犯と主張するが、効率と検挙率のみが頭にある上司は取り合わない。
ルー刑事の読み通り、犯人はデーヴィス一人だった。不幸な生い立ちから犯罪者となった彼は、莫大な取引を最後にと考えていた。大手の保険会社で働くシャロンに近づき、裏取引を持ちかける。自分が会社に消費されるだけの捨て駒と気づいたシャロンは、怒りにかられて情報を漏らす。周到な計画は成功するかに思えたが。
高級なスーツや時計を身に着け、自分のルールに従いこの4年間失敗なしのデーヴィス。シャロンを巻き込んだことと、ルー刑事の執拗な捜査に初めて危機感を覚えます。
着々と綿密な計画を進めていくデーヴィスと、しだいに包囲を狭めてくるルー刑事のせめぎあいにドキドキします。ルールなど持たないただの犯罪者、有り余る資産がありながら、脱税でさらに儲けようとする富豪一家。愚直ともいえるデーヴィスとルー刑事、どっちに肩入れしたくなるか、自明の理ですね。派手なカーチェイスやアクションを楽しみ、粋なラストに思わずニンマリしました。(白)
2026年/アメリカ、イギリス/カラー/140分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
https://crime101.jp/
★2026年2月13日(金)全国の映画館で公開
2026年02月12日
ANIMAL 原題:ANIMAL
監督:サンディープ・レッディ・ヴァンガ
脚本:サンディープ・レッディ・ヴァンガ プラナイ・レッディ・ヴァンガ スレッシュ・バンダル
出演:ランビール・カプール(『バルフィ! 人生に唄えば』)、アニル・カプール『スラムドッグ$ミリオネア』、ラシュミカー・マンダンナ、ボビー・デーオール
第24回国際インド映画アカデミー賞最優秀作品賞ほか最多9部門受賞
第69回フィルムフェア賞最優秀男優賞ほか最多5部門受賞
世界興収150億超の大ヒットも賛否両論を呼んだ
衝撃のインド・バイオレンスアクションが日本上陸
愛か、狂気か。この男は誰にも止められない。
飢えし獣は、一家の宿命を背負い、終わりなき復讐への道へ––––
デリーの鉄鋼王バルビール(アニル・カプール)の長男として生まれたランヴィジャイ(ランビール・カプール)。仕事一筋の父を尊敬していたが、父からの愛には飢えて育った。高校時代、姉のリートをいじめた先輩に銃をぶっ放す事件を起し、怒った父はランヴィジャイを米国の寄宿制学校に入れる。父の60歳の誕生日パーティーに合わせ帰国するが、姉リートの夫ヴァルンと喧嘩になり、父から拒絶されてしまう。そんな折、友人の妹ギータンジャリ(ラシュミカー・マンダンナ)の婚約式で、美しく育った彼女をみたランヴィジャイは、婚約者から彼女を奪って、駆け落ち結婚して再び米国に渡る。
8年後、父親が何者かに襲撃されたとの知らせを受けたランヴィジャイは、ギータンジャリと二人の子供を連れてデリーに舞い戻る。復讐を誓い、故郷パンジャーブの男たちを手下にし、父親の影武者を用意して暗殺者が再び襲ってくるのを待つ。実行犯アスラールの影にいる宿敵を突き止め、復讐の道へと突き進んでいく・・・
暗殺者たちを撃退した際に、重傷を負って、心臓も弱り、ランヴィジャイは心臓移植手術を受けるのですが、みごと復活! そこへ、ゾーヤーという美女が現れます。ランヴィジャイに移植した心臓のドナーは自分の婚約者だったので、心音を聴きたいという次第。ランヴィジャイはゾーヤーに一目惚れして、情事を繰り広げます。かなり大胆で驚きました。
後に、妻のギータンジャリが、ゾーヤーとの営みについて、かなり具体的に問い詰めるのですが、インド映画でここまで表現する? と、これまた驚きでした。
情事にご熱心なのもですが、父親を襲った宿敵たちへの復讐も激しくて、心臓移植した人がそんなに元気になるもの?と。ま、映画ですから。
『バルフィ! 人生に唄えば』の時には、恋する甘い青年を演じたランビール・カプールが、復讐に燃える精悍な男を演じていることにも、びっくりです。それにしても二転三転、スピード感もあって、先が読めない物語です。(咲)
2023年/インド/ヒンディー語・パンジャーブ語・英語/201分/シネマスコープ/カラー/5.1ch
⽇本語字幕: 藤井美佳
配給:ギークピクチュアズ
公式サイト:http://animal-movie.jp
★2026年2月13日(金)よりグランドシネマサンシャイン 池袋、新宿ピカデリー他全国順次公開
2026年02月08日
道行き
2月13日㊎より ヒューマントラストシネマ有楽町、 テアトル新宿
2月20日㊎より シネ・リーブル神戸
2月27日㊎より テアトル梅田
近日公開 ナゴヤキネマ・ノイ、 京都シネマほか全国順次ロードショー
https://www.michiyuki-movie.com/
奈良の御所市を舞台に心の奥に眠る大切な風景をよびさます
モノクロームでつづられる豊かな時間を探す夢幻の旅
監督・脚本:中尾広道
プロデューサー:天野真弓
撮影:俵謙太 照明:福田裕佐
録音・整音:松野泉 美術:塩川節子
助監督:内田知樹
音楽:「マカラプア」バッキー白片とアロハ・ハワイアンズ 「猫目唄」(作曲:細馬宏通)
人形浄瑠璃:文楽[面売り」 作曲:野澤松之輔
出演
駒井:渡辺大知
梅本:桐竹勘十郎
細馬宏通 田村塁希 大塚まさじ
時間は進み続ける汽車のようなもので、
私たちはいつも違う駅で降りなければならない
李相日、石井裕也、早川千絵、山中瑶子ほか、現在活躍中の映画監督を輩出してきたぴあフィルムフェスティバル(PFF)が、商業デビュー作を送り出すPFFプロデュース作品(旧称:PFFスカラシップ)。この『道行き』の監督・脚本・編集を務めるのは、『おばけ』でPFFアワード2019グランプリを受賞、本作でJAPAN CUTS(ジャパン・カッツ)最優秀作品にあたる「大林賞」を受賞するなど海外でも高い評価を得ている中尾広道。
大阪市から奈良県御所市(ごせし)に移り住み、地域の人々との交流のなかで見聞きした自らの体験をもとに、在りし日の町の様子や流れる時間から立ち現れる豊かさ、懐かしさを丁寧につむぎだす。
大阪から奈良御所市に移住することにした駒井は、その家に代々暮らす梅本老人から購入した古民家の改修工事を進めている。大阪から何度も通い、リフォームをしているが、たびたび様子を見にくる梅本が語る昔の町のことや、この家の歴史、時間の流れなどの話が興味深い。その話を聞くたびに、この家や町に対する思いを募らせていく。
中尾監督の分身ともいえる主人公・駒井を演じたのは、ミュージシャンとしても活動し、俳優業では、大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合)の藤原行成役や2026年3月には沢田研二とのW主演のロック音楽劇「ガウディ×ガウディ」が控えるなど、映画、ドラマ、舞台と話題作への出演が続く渡辺大知。駒井に町について語り聞かせる元家主の梅本役には、人形浄瑠璃文楽の人形遣いで重要無形文化財保持者(人間国宝)の桐竹勘十郎。謙虚な語り口とたたずまいに惚れ込んだ中尾監督からの熱烈なオファーを受け実現した、役者としては映画初出演となる。駒井と梅本の語り合いが心地よいリズムとなり、やさしい時を刻んでいく。
時が止まったような古い町。そして古民家を借りたカメラマンの主人公。長い時間をかけながら、古民家をリフォームしている。元家主の梅本が語る話はとても興味深い。そして、話に引き込まれてゆく。この古民家の作りもとても興味深い。家の中庭に井戸があるつくりが面白い。その井戸のそばには古木も。なんかとても絵になる風景だった。駒井は、ここに定住してゆくのだろうか(暁)。
冒頭、トンネルを抜け、山間を行き、鉄橋を渡るディーゼル気動車。中尾監督が沿線風景が大好きだという岐阜県の樽見鉄道。大垣から北に向かって樽見まで1時間程の行程。監督が一日乗車券を買って、50往復くらいする程、惚れ込んだ路線。監督が移住し、この映画の舞台になっている奈良の御所市から近いのかと思ったら、樽見鉄道の起点である大垣までは、車でも電車でも2時間半から3時間はかかる距離。
若い頃、時刻表を抱えて、全国津々浦々鉄道に乗りまわる「乗り鉄」だった私ですが、樽見鉄道には乗ったことがありませんでした。そして、私が鉄道に乗って廻ったのは、日本の伝統的な町並みなのですが、御所市に行ったことはありませんでした。昔の地図で今の町も歩けるのだとか。途中で少し曲がって、見通せないのは、まさに城下町の作り。樽見鉄道も、御所市も、いつか訪れたいところになりました。
そして、本作の『道行き』というタイトルからは、浄瑠璃を思い起こしました。映画の中で、「面売り」という文楽の演目が上演されるほか、文楽の人形遣いで人間国宝の桐竹勘十郎さんが、主人公の移住した家の元家主として、家や町の歴史を語るという重要な役を演じていらしてます。私の亡き父が文楽や歌舞伎の研究者でしたので、この映画を見せたかったとも思いました。(咲)
公式HP https://www.michiyuki-movie.com/
2024年製作/80分/G/日本
配給:マジックアワー
ロッコクキッチン
監督/ 編集:川内有緒
監督/ 編集 / 撮影・録音: 三好大輔
音楽:坂口恭平
出演:スワスティカ・ハルシュ・ジャジュ/中筋 純/武内 優 ほか、
福島の国道6号線(通称:ロッコク)を監督二人が車で走って、真っ暗な中にぽつんと明かりのついた一軒の家に気がつく。その家の人はどんな生活をしているんだろう?と考えた。それをきっかけに「どんなキッチンで、何を食べているのか。誰かと一緒なのか。ひとりなのか。何を楽しんで、何がイヤで。何を考え、何を忘れ、何を覚えているのか」と知りたくなった。
一時は人がいなくなったロッコク沿いに人が戻りつつある。しかし、出たまま戻りたくとも戻れない人もいる。二人は大熊町と双葉町、浪江町、南相馬市小高区など、そこで暮らす人々を訪ねて話を聞く。
*ロッコクとは...*
東京の日本橋を起点とし、福島を経て、 宮城県仙台市に至る国道6号線の通称。福島第一原発や中間貯蔵施設の真横を通り、原発を望むこともできる世界でも稀有な国道である。
2011年の福島第一原発事故後は、富岡町 双葉町間で通行が制限。自動車の全線通行が可能になったのは2014年、自転車や徒歩では2022年のことである。
2011年に発生した東日本大震災は、多くの人々の生命・財産・日常を奪いました。続くまさかの原発事故は福島にさらに大きくて深い爪痕を残しました。その後残された人々はどうやって生きてきたんだろう?と折に触れ、思い出します。このドキュメンタリーはその問いをロッコク沿いに暮らす人々に尋ねます。食べることは生きること、生きることは食べること。3人の人物の食卓を通じて福島の今がほんのりと立ち上ってきます。
本作には地元住民の協力のもと、震災以前のホームムービーの映像も収録されています。もう遊ぶことのできない海水浴場、みんなが集い楽しんだ祭りの風景も残されました。(白)
書籍版『ロッコク・キッチン』川内有緒 著
2025年度(第35回)Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作
みんな、なに食べて、どう生きてるんだろ? 福島第一原発事故から14年、国道六号線(ロッコク)を旅して綴った温かくておいしい記憶。再生と希望に出会うノンフィクションエッセイ。
発売日 :2025年11月20日
定価 :2,090円(本体1,900円)
ページ数:304ページ
出版社 :講談社
ISBN :9784065409541
2025年/日本/カラー/122分
製作・配給:株式会社植田印刷所
(C)ロッコク・キッチン・プロジェクト
https://rokkokukitchen.com/
★2026年2月14日(土)より全国ロードショー
超時空英雄伝エイリアノイド PART1:神剣激突(英題:Alienoid)
監督・脚本:チェ・ドンフン
撮影:キム・テギョン
音楽:チェン・ヨンギ
出演:リュ・ジュンヨル(ムルク)、キム・ウビン(ガード)、キム・テリ(イアン)、ソ・ジソプ(ムン・ドソク)、ヨム・ジョンア(フクソル)、チョ・ウジン(チョンウン)、イ・ハニ(ミン・ゲイン)、キム・ウィソン(チャジャン)、シン・ジョングン(ウワン)、イ・シフン(ジャワン)、チン・ソンギュ(ヌンパ)
外星人は古代より自国の囚人を地球の人間の肉体に封じ込めてきた。時に暴走して飛び出す者を、現代の韓国に住むアンドロイドのガードとサンダーが時空を超えて追跡してはとらえている。監獄替わりに使いながら、人間に関わらないのが決まりだったが、気のいいサンダーが親が亡くなり、一人残された赤子を連れ帰ってしまう。今更返すわけにいかず、しぶしぶ育てるガード。
630年前の高麗末期、道士のムルクと猫の従者ウワン、ジャワンが懸賞稼ぎを主な生業に世渡りをしていた。中でも高額な報酬だったのが”神剣”、目の色を変えるムルクだったが、殺人鬼と呼ばれる異世界の者もそれを探し、手にした者はみな殺されていた。
2022年の韓国、サンダーに拾われた女児は10歳になり賢く育って、パパたちの正体に気づき始めていた。そんな折、囚人護送船が地球に降り立つ日が決まる。地球制服を企む異星人の絶好のチャンスとなった。
人気のチェ・ドンフン監督SFファンタジー。時空を超えて脱獄者を追うガードの人間界での姿を演じるのはキム・ウビン。長身でカッコよさ満点。心を寄せる女子も現れますが、興味はないので応えません。相棒のサンダーは普段円盤に目がついたような形ですが、ガードそっくりに変身もできます。クールなガードと少々チャラいサンダーの二通りをキム・ウビンが演じ分けるのでファンにはたまりません。
腕よりも口の達者な道士のムルクは、アースカラーの衣服の庶民の中で、ひときわ目を引く青い法衣を翻しています。主要な人物の衣装は目立つ色ですぐにわかります。脱獄者たちは伸縮自在の触手?を持ち、とんでもなく強いです。”神剣”の本当の力がわかるのは、少し後。PART1を観終わるとすぐにでも続きが気になってきます。PART2は2週間後の公開です。しばし待たれよ。(白)
2022年/韓国/カラー/142分
配給:クロックワークス
(C)CAPER FILM. ALL RIGHTS RESERVED
https://klockworx.com/movies/alienoid1/
★2026年2月13日(金)より全国ロードショー


